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2025年11月26日
Science Tokyo 横浜ベンチャープラザ

「ディープテックスタートアップ」を核にイノベーションの種をこの地で育て、新産業の創出や大きな社会課題の解決に貢献

Science Tokyo 横浜ベンチャープラザ外観

Science Tokyo 横浜ベンチャープラザは、ディープテックスタートアップが集積するインキュベーション拠点である。東京科学大学(Science Tokyo)や大学発の技術シーズを有するスタートアップ、地域企業の新事業展開を支援することにより、新事業・新産業の創出を促進し、大きな社会課題の解決に貢献することを目指す。

インキュベータ概要

Science Tokyo 横浜ベンチャープラザ(YVP)は、中小企業基盤整備機構(中小機構)が神奈川県および横浜市から要請を受け、東京科学大学(Science Tokyo)と連携して、同校横浜キャンパス内(すずかけ台)に整備・運営を行う大学連携型起業家育成施設(インキュベーション施設)である。

東京科学大学横浜キャンパス内にあるYVPは、研究者との共同研究や技術指導に最適な環境を提供する。田園都市線「すずかけ台」駅から徒歩5分、都心や横浜/川崎へのアクセスも良好。さらに、東名高速道路・横浜町田インターチェンジや国道246号/16号の交差点に近く、周辺の研究所や工場への移動もスムーズであり、研究と事業開発を加速するための立地条件がそこにある。

YVPの居室は、全26室がウエットラボ仕様で、「P2」レベルまでの実験に対応。複数室の利用やオフィスとしての活用も可能である。1階には、試作工場としても使える高機能スペースを完備し、設備のカスタマイズにも柔軟に対応する。全館機械警備で24時間利用可能。さらに、共用の会議室、リフレッシュスペースも備えている。施設運営や事業活動で生じる多様なニーズに細やかに対応し、研究と事業の成長を力強くサポートする。

特徴的な支援活動

事業成長をハンズオンで支援するインキュベーション

東京科学大学や神奈川県横浜市周辺の大学では、社会課題を解決するユニークな科学技術の研究が進められている。しかし、その成果を社会実装するには多くの壁がある。YVPでは、常駐スタッフが入居企業に加え、東京科学大発スタートアップや地域の起業家からの相談に応じ、ハンズオンで支援する。入居企業向けには、連携機関と共に「Value Up!Meeting」を開催し、事業ステージや環境変化に応じた課題を議論。専門性が求められる場合は、3000人の登録専門家を擁する中小機構や産学官ネットワークを総動員して解決に当たる。資金調達が難しいアーリー期には、アクセラレータプログラムと連携し、事業計画のブラッシュアップや経営体制強化に力を入れている。成長ステージでは、事業パートナー紹介や拠点探索など、新産業創出に向けた条件整備を行う。スタートアップが直面する荒波に抗うため、YVPは「セーフハーバー」として、企業に寄り添いながら、成長への一歩を支えている。

大学・地域の連携によるエコシステムの形成

「超スマート社会推進コンソーシアム」マッチングワークショップ

神奈川・横浜は、大学研究室や事業会社のオープンイノベーション拠点、研究開発部門が集積するイノベーションエリアである。製造業に従事するエンジニアが多く、レジデンスエリアとしても人気が高い。みなとみらい地区には、自治体運営のスタートアップ交流拠点や企業のオープンイノベーション拠点が集まり、活発な連携が進みつつある。他方、全国の中小機構のインキュベーション施設では約500社のスタートアップをハンズオンで支援、東京科学大学からは200社を超える大学発ベンチャーが誕生している。

YVPで開催された「スタートアップ応援フェア2025」セミナー風景

YVPでは、入居企業にとどまらず、全国のスタートアップが持つ「技術シーズ」と、神奈川・横浜の企業が抱える「ソーシャルニーズ」を結びつけることで、オープンイノベーションを支援している。また、東京科学大学が推進する「超スマート社会推進コンソーシアム」では、アカデミアと企業が連携し、人材育成や共同研究を通じて新産業創出を目指している。こうした機会を生かし、スタートアップとの接点を積極的に生み出している。さらに、自治体や政府系機関と連携し、スタートアップや起業を目指す研究者に向けた支援メニューの紹介やセミナーを開催し、交流の場を広げている。

主な入居企業の概要

TeraWatt Technology 株式会社ロゴ

・TeraWatt Technology 株式会社
「持続可能な未来のためにすべてを電化」をミッションに、既存のリチウムイオン電池よりも大幅に軽く、小さく、パワフルで安全に駆動可能な次世代リチウムイオン電池の開発・製造・販売を行うスタートアップ。電気自動車、ドローン、蓄電池といった既存アプリケーションのほか、eVTOLなど様々な次世代アプリケーションの電動化を目指している。「第22回Japan Venture Awards」の科学技術政策担当大臣賞や「Forbes Asia 100 To Watch 2024」に選定されるなど、世界から注目されている企業である。

株式会社 Logomixロゴ

・株式会社 Logomix
ヒト幹細胞など様々な生物種の細胞機能を効率良く設計・改変する細胞エンジニアリングを実施する東京科学大学認定ベンチャー企業。従来の技術がゲノム機能の「一部のみを編集」するのに対し、当社の大規模ゲノム構築技術はゲノム全体を「大規模に再構築」することで、細胞や微生物に新たな機能を付与し、治療薬、持続可能なバイオ燃料、高機能素材の開発など、幅広いバイオエコノミー分野の発展に貢献する。

株式会社 ファイトリピッド・テクノロジーズロゴ

・株式会社 ファイトリピッド・テクノロジーズ
植物や藻類に含まれる天然の脂質や脂質由来の化合物を最先端の技術を用いて活用し、地球上の二酸化炭素削減やカーボンリサイクルの取り組みへの貢献を目指す東京科学大学認定ベンチャー企業。当社が開発している藻類ナンノクロロプシスは、大気中の二酸化炭素排出を抑制し、地球温暖化の社会的課題解決に貢献できる大きなポテンシャルを有している。大規模培養技術を確立し、段階的に藻類由来の有用物質とバイオ燃料の実用化を目指す。

株式会社 MIZUSAQIロゴ

・株式会社 MIZUSAQI
東京科学大学量子航法研究センターと連携し、世界最高水準の高精度慣性航法技術の開発に取り組む東京科学大学認定ベンチャー企業。GPSに依存しない高精度ナビゲーション技術は、自動運転、海洋探査、宇宙開発、経済安全保障など多様な分野で急速に需要が拡大している。当社は、最先端の量子技術および量子エレクトロニクス技術を応用した慣性航法装置の開発を進め、従来のシステムを凌駕する革新的な性能の実現を目指す。

これからのインキュベータ

最終的な目標は、大学や中小企業が生み出した科学技術を社会に実装し、社会課題を解決する新しい産業を創出することである。特にディープテック領域では、変化のスピードが増す中で、多様なプレーヤーが連携し、強固なサプライチェーンを築くことが不可欠である。YVPには、世界を変える可能性を秘めた企業が集まっている。また、東京科学大学をはじめ、神奈川・横浜の大学にはインパクトのある技術が豊富に存在している。こうした企業や技術を育てるため、スタートアップの成長段階に応じて必要な条件を具体化し、大学、自治体、政府機関、金融機関、事業会社など、異なる目的を持つパートナーと連携して環境を整えていく。アントレプレナーシップを胸に、挑戦するスタートアップと共に歩み、「世界を変えるスタートアップ」を1社でも多く生み出すことに全力を尽くす。

  • Science Tokyo 横浜ベンチャープラザ入居企業の皆様と支援スタッフ

インキュベーション施設

(BI概要)

所在地

〒226-8510 神奈川県横浜市緑区長津田町4259-3
(東京科学大学 横浜キャンパス敷地内)

竣工

2006年11月

総床面積

2800平方メートル(賃貸面積:1830平方メートル)

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