職員インタビュー

「子育てと仕事の両立に育児制度を活用。中小機構なら、長く働くビジョンが持てる」販路支援部販路支援企画課 桑原 有理可 2003年入構

2003年に入構した桑原さんは、本部から中部本部へ異動後、再び本部への転勤を経て、2019年に産休・育休を取得しました。現在も中小機構の育児制度を活用し、仕事と子育てを両立させている桑原さんに、お話を聞きました。

地域本部で自分の視野の狭さに気づけた

出身は神奈川県で、大学の商学部でマーケティングを学びました。まわりは広告業界に就職する人が多かったですが、私は経営支援の仕事がしたいと思い、中小機構の前身である中小企業総合事業団に入りました。

最初の3年間は、経理で予算と決算を担当。その間に、組織が独立行政法人に変わり、今の中小機構になりました。続いて異動した、旧・新事業支援部では、部署全体を取りまとめる企画調整業務をしていました。そこから中部本部へ転勤となり、名古屋での生活が始まりました。

中部本部では、企業の経営課題に対して専門家を派遣する業務を担当し、専門家の管理や、支援計画のマネジメントをおこなっていました。学生の時にイメージしていた、支援の現場に関わる仕事です。専門家の皆さんは大企業OBが多く、勉強になることばかりでした。

今の時代、地方転勤はあまりポジティブな印象を持たれないかもしれません。でも、長い人生の中で2〜3年、違う地域を見ることは良い経験になるはずです。私は東京しか知らなかったので、中部本部で初めて地域独自の文化に触れ、自分は視野が狭かったと気づきました。

当時、リーマンショックがあり、支援している企業も厳しい状況になったんです。でも、ある社長から「こういう経済の波は必ず来る。その時に、使える公の支援メニューを活用して、どれだけ体力をつけられるかが大事」と言われて。自分達の仕事が、逆境でも前向きな、多くの経営者の役に立っていると実感しました。

家庭と仕事、両立のコツは「無理しないこと」

2011年に本部へ移り、2019年に出産しました。出産の約半年前から、妊娠中の通勤ラッシュを避けることができる通勤緩和制度を利用し、定時より1.5時間早く帰宅していました。大きな体調不良はなかったのですが、高齢出産に当たることもあり、早く帰るようにしていました。妊娠中に体調不良があった場合は、特別有給休暇を取得できるので、無理なく仕事が続けられると思います。

出産前は、8週間の産休に加え、有給休暇も使って3か月ほど休みました。上司の理解があり、仕事の調整もしやすい環境だったので、安心して休むことができました。産後は、同じく8週間の産後休と、子どもが3歳になるまで育休を取ることができます。

最初は3歳まで育児に専念しようと考えていたのですが、徐々に「自分と2人きりの世界でこの子を育てていいのか」と思い始めました。親以外の社会と関わらせた方が、子どものためかもしれないと。それで、1歳を過ぎた春に保育園に入れることになったので、職場復帰しました。まず子ども優先で考えた結果です。

今は短時間勤務制度を利用し、定時より1時間早く帰宅しています。短い時間で仕事を終わらせるため、復帰前と比べて1.2倍くらいのスピードで働いています。仕事に対する思考の仕方が変わり、判断が早くなりました。これは経験があるからこそなので、長く働いてきたメリットですね。テレワークも活用していて、在宅勤務の日は、通勤時間分を家事に充てています。

仕事も家事・育児も、余力を残しながら進めるようにしています。何らかのイレギュラーが起こっても、余裕を持って対応できるので。あとは、完璧を求めず、がんばりすぎないことですね。夫婦間でも、「多少は適当でも大丈夫」という共通認識を持ち、無理なく生活しています。

長く働くほど、仕事が面白くなってくる

今は販路支援部で、様々な中小企業が出展する、展示会事業を担当しています。中小機構には多くの部署がありますが、どこも中小企業に役立つ仕事をしています。今後はその中身を改善したり、制度設計に携わる仕事ができたらと思いますね。最初に本部で、全体を見渡す仕事をしたおかげで、幅広い事業内容を少しずつ見ることができました。今振り返ると、それが後々の業務にすごく役立っています。

また、地域本部では人数が少ないこともあり、若くても自分がメインで事業を進めることになります。私も中部本部にいた数年で、仕事面・精神面で自立できたと感じています。中小機構の制度や、支援に関する知識も増えました。それは、どの部署に行っても使える財産だと思います。

私が就活していた20年前は、あからさまに学歴や男女差別をする企業もありました。でも中小機構には、当時から男女格差を感じませんでした。育児制度も整っているし、子育てしながら働いている先輩がたくさんいて、心強いです。男性の育休取得者も増えていますし、家庭を持って仕事するビジョンが描きやすい組織だと思います。働いていくほど面白味が出てくる仕事なので、若い人には、ぜひ長く中小機構で活躍してほしいですね。