職員インタビュー

「マクロ視点を持った企業支援を。職場の理解に助けられ育休を取得」人事グループ付(中小企業庁へ出向) 米倉 聡明 2015年入構

中小機構では、近年、男性の育休取得者が増えています。2015年に入構した米倉さんも、本部、近畿本部での業務を経て、育児休業を取得しました。復帰後、中小企業庁に出向している米倉さんに、これまでの業務や育休経験について聞きました。

中小機構の魅力は大きな世界観

鹿児島出身で、高校の時は弁護士になろうと思い、東京の大学の法学部に進学しました。でも、実際に勉強してみると、机に向かって条文などの細かい文言を扱うのが苦痛だと気付き、弁護士は合わないなと(笑)。また、もっと大きな視点で、世の中に貢献したいと思ったんです。

在学中、経済学部の授業にも顔を出すようになりました。その時の経営学の先生が、研究・教育だけでなく、全国各地の企業の工場をまわり、経営のアドバイスをする活動をしていたんです。現場での活動が、社会貢献につながっていくのを見て、企業支援に興味を持ちました。

中でも、中小機構の幅広い業務に魅力を感じました。各分野の専門家と連携して、あらゆる支援ができる。国の政策的な観点と企業の成長、両方見られる大きな世界観がいいなと思いました。2015年に入構し、高度化事業企画課で、都道府県との事務調整を担当。その後、経営診断統括室へ異動し、企業支援の現場に入るようになりました。

ある小売店を訪問した際、現場経験の豊富な専門家が、実践的的なアドバイスをしていたんです。その時に経営者の方が、「そういうのが欲しかった」と言っていたことが印象的で。知識だけでは届かない、経験に基づく企業支援の難しさを感じました。

2019年、近畿本部へ異動し、ハンズオン支援を担当。専門家と一緒に、企業へヒアリングを行い、支援計画を作成・進行する仕事です。ここでも現場知に裏付けされた専門家のレベルの高さを感じ、自分がいかに我流でやってきたか気づかされました。

初めての育休、周囲の理解に支えられた

近畿本部時代に、妻が妊娠中に長期入院していた時期がありました。仕事を抜けて病院に行くこともあったんですが、ある時、仕事を優先して企業訪問に行こうとしたら、専門家の方に「優先順位を間違ってる。家族を大事にしないと」と言われて。まわりの理解に助けられました。

子どもが生まれ、妻の職場復帰と入れ替わりに、1か月の育休を取得しました。ちょうど東京へ戻るタイミングで、中小企業庁に出向が決まっていたので、前任者には異動を1か月待っていただくことになりました。仕事がハードな中、嫌な顔をせず受け入れてくれて、ありがたかったです。上司も、忙しい時期で大変だったと思いますが、それを感じさせずに育休へ送り出してくれました。

正直、妻の育休中、「家のことは、ずっと家にいる妻にやってほしい」と思う部分がありました。でも、実際に自分が育休を経験すると、無理だと悟りましたね。子どもが泣いていても、何がほしいのかわからず、最初はパニックでした。本当に大変で、あっという間に育休期間が終わりました。

復帰後は、中小企業庁に出向し、今は法令の審査に携わっています。国会や閣議に出す法律や政令等のチェックをする仕事です。また、中小企業の成長・発展のために、どんな中小企業政策を届けるのが効果的か、有識者などにヒアリングしながら、制度に落とし込む準備もしています。政策的な意義が見えていると、条文と向き合うのも苦痛ではないですね(笑)。

一緒に働くメンバーの約半分は、弁護士・会計士や都道府県・金融機関などの他組織からの出向者です。入ってくる情報の質や量も違いますし、スピード感がありますね。日本の課題をどうしていくかという、マクロの観点で話を進められることが楽しいです。

時にハードワークになることもありますが、子どもがいるため、早く帰れるよう上司が配慮してくれています。テレワーク環境も充実していて、外から見聞きしていた印象より、だいぶ働きやすいです。復帰後も、急なお迎えなどの対応には、看護休暇(※)を利用しています。

※看護休暇…未就学児の子どもの体調不良や健康診断等に合わせて取得できる、特別有給休暇。男性も取得可能。

必要なのは、未知の分野を切り開く視点

これまで、異動するごとに、業務内容が大きく変化してきました。新しい業務に早く慣れるために、マニュアルを読んで仕組みを知るだけでなく、過去のやり取りも見て、全体像を把握するようにしています。何のための仕事かわからない状態は苦痛だと思うので、ストレスを軽減するためにも、必要なことだと思っています。

中小機構は、国の視点と現場の視点、両方を持って仕事できるところが、民間企業との違いです。これから入構を考えている人は、パブリックなマクロの視点と、「目の前の企業に、どうやって良くなってもらうか」というミクロの視点を持つといいと思います。

中小企業は、様々な社会課題の縮図でもあります。社会の変化に合わせて、例えば競争力向上につながる女性の働きやすさの実現など、新しい分野の支援も考えていく必要があります。現場視点で中小機構がリードして仕組みを作っていけたら、面白いですよね。手を挙げたら実現できる環境が、中小機構にはあります。ぜひ、自分で考えて実行するんだという、気概を持って来てほしいです。