職員インタビュー

「手の届かない人へも支援を届けたい。創業支援の現場で感じるやりがい」創業・ベンチャー支援部ベンチャー支援課 白井 梨香子 2020年入構

2020年に入構した白井さんは、小規模共済契約課に在籍した後、創業・ベンチャー支援部に異動しました。「企業の経営者と関わる機会が増えた」という白井さんに、お話を聞きました。

中小機構は唯一無二の支援機関

山口県出身で、東京の大学の法学部に進学しました。そこで行政法のゼミに入り、行政と住民の関係を研究していました。大学3年の時、震災で被害を受けた宮城県の女川町を訪問。通常、津波の被害が起きた地域は、防潮堤などを作って対策します。しかし、女川町のみなさんは「海が見えない町は考えられない」と、行政と話し合いを重ねました。

その結果、町自体を階段状にして、上の方に住宅、下に商業施設、真ん中に役場を作るというゾーニングをおこないました。行政と町民は意見が一致しないことも多いのですが、女川は両者の関係がよく、スムーズに復興計画を進めることができたんです。

私が中小機構に入りたいと思った理由は、3つあります。1つは女川での経験、2つ目は自分が地方出身で、地方に貢献する仕事がしたいと思ったこと。さらに、父が会社を経営していて、両親の働いてる姿を見て育ったことです。民間企業では手の届かない人たちに、必要な支援ができるのは、中小機構が唯一無二だと思いました。

面接でも、人当たりの柔らかい人が多くて、自分に合っているなと感じました。他の企業の面接は、流れ作業的に進むこともあったんですが、中小機構の場合は、しっかり話を聞いてくれていると感じました。

共済部門から創業支援へ

2020年に入構し、小規模共済契約課に配属されました。共済事業グループに6課あるうちの、総括的な立場です。ここでは、小規模企業共済の新規申し込みや、増額申し込みの審査などをおこなっています。

コロナ禍だったので、テレワークでのスタートでした。不安もありましたが、先輩や上司に助けてもらいながら、仕事を覚えていきました。私は普段、相談するのがあまり得意ではないんです。でも、仕事で困っていると、先輩が察して声をかけてくれたり、相談しやすい雰囲気を作ってくれました。

共済業務は、期限までに審査を終える必要があります。慣れてくると自分なりに工夫できるようになり、早く正しく適切に、業務を進行するのが楽しくなってきました。2年経った今年、創業・ベンチャー支援部ベンチャー支援課に異動しました。希望していた部署だったので、辞令をもらった時は嬉しかったです。

中小機構は、全国に29のインキュベーション(創業支援)施設を持っており、創業前や第二創業の企業が入居しています。ベンチャー支援課では、事業スペースを提供するハード支援と、入居後に専門家が相談対応するソフト支援をおこなっており、私はソフト支援を担当しています。

他にも、スタートアップ企業に専門家が伴走し、資金調達や事業提携に向けて、事業計画のブラッシュアップを中心に支援する「FASTAR事業」を担当。専門家の支援案件の管理や、企画ごとに必要な委託業者とのやり取りなど、臨機応変に動いています。

心が躍る現場での出会い

小規模共済契約課で定型業務に慣れていたところから、イレギュラー対応が多い部署へ異動し、最初はリズムが作れないことに不安もありました。最近は、アイデアを出す機会も増え、面白さを感じています。今の部署でも人に恵まれていて、若手も意見が言いやすい雰囲気がありますね。

全国的に展開している事業なので、地方の現場にも行くようになりました。私たちの生活や価値観を変えるような、革新的な事業の実現を目指す経営者とお会いできることに、心が躍ります。「インキュベーション施設に入ってよかった」とか「FASTAR事業に採択されてよかった」と、直接言ってもらえることも多く、やりがいを感じています。

地域本部への転勤も、いずれ経験したいです。どこに行っても、結局人が大事だと思うので。異動ごとにまったく違う業務を経験できることが、面白いですね。今後も、与えられた場で自分のペースを作っていきながら、長く働き続けたいと思っています。