「困ったらすぐに頼れる安心感。中小機構のOJT」 望月 敬(2012年4月入構)/森田 花凜(2020年4月入構)

入構2年目の亀田さんと1年目の池山さんは、販路支援部で、大企業と中小企業のマッチング支援をおこなっています。先輩の亀田さんは、池山さんのOJT指導(※)も担当。入構後、新人職員にどのようなサポートがあるのか、お話を聞きました。

※OJTとは…オン・ザ・ジョブ・トレーニングの略で、実際の業務を通して新人を教育する方法。中小機構では、入構後に1年間のOJTを実施している。

企業同士をマッチングさせるシステムを運営

—最初に、お2人が中小機構に入った経緯を教えてください。

亀田:
私は千葉県出身で、大学では社会学を専攻しました。ゼミで、地域の商店街の役割を調査し、お店の方にインタビューしていく中で中小機構を知りました。
就活では、人を支える仕事を中心に企業を探していました。民間企業は、特定の分野が中心の支援になりますが、中小機構には様々な部署があり、幅広く支援をおこなっていることが魅力でした。ここより良いところはないと思い、入構しました。
池山:
大学時代に趣味で各地の酒蔵を訪れ、よくお話を聞いていました。酒蔵は、ほとんどが中小企業です。この先も、ずっと続いてほしい思いがあり、サポートできる仕事がしたいと考えていました。最終的に、直接中小企業の支援ができ、色々な業種が見られる中小機構に決めました。

—現在のお仕事内容を教えてください。

亀田:
私たちが所属している販路支援部マッチング支援課は、その名の通り、販路拡大を支援する部署です。BtoBの製造業を中心に、中小企業が大企業や海外企業とマッチングするためのオンラインプラットフォーム「J-GoodTech(ジェグテック)」を運営しています。
私と池山さんは、大手企業にヒアリングして、案件を受ける仕事を担当しています。中小企業だけでなく、大手企業の話を聞く機会は、販路支援部が1番多いと思います。実際にヒアリングへ行く時は、専門家の知見もお借りします。企業からニーズを引き出す方法や、専門家だからこそわかる課題を教えてもらえて、勉強になります。
池山:
私も、亀田さんにサポートしてもらいながら、仕事を覚えています。最近は、一人で説明会で話したり、企業と直接ミーティングしたりする機会も増えました。
亀田:
中小企業が、自力で大企業案件を開拓するのは難しいですが、私達が企業の課題を聞き、それを届けることでマッチングが成立する。経営者から「あの案件、うまくいったよ」と言われると、自分の仕事が役に立っているんだと感じます。
池山:
企業の方から「J-GoodTech、次もまた使いたい」と言われた時は、嬉しかったですね。
亀田:
一緒に支援を進める専門家の方々は、かなり上の年代が多いです。最初は、どうコミュニケーションを取っていいかわかりませんでしたが、徐々に関係を構築できるようになりました。普通の企業なら、関わることのない方達と一緒に仕事できるのも、中小機構の特徴ですね。
池山:
私も、企業への説明に、専門家の方と2人で行ったことがあります。私は単に事業の説明をしただけでしたが、専門家の方は豊富な知見を使い、角度を変えた提案をして企業と関係構築していました。仕事する上で、勉強になることが本当に多いです。

OJTでは社会人の基礎から教わった

—お互いの第一印象は、どうでしたか。

亀田:
昨年、内定者研修で事業説明を担当したんですが、その内定者グループの中に池山さんがいました。静かな学生が多い中、彼女は積極的に質問していて、「まじめな子だな」と思いました。
池山:
その時、何の質問をしたか全く記憶にないんですけど(笑)。亀田さんから、J-GoodTechの話を聞いたことは覚えています。入構後、実際にお会いする前に、亀田さんからご挨拶のメールをいただき、丁寧な方だなと思いました。

—新人の池山さんに、どういう流れでOJTを実施されたのですか。

亀田:
OJTは、1年を通しておこないます。私もまだ2年目なので、先輩方に助言をもらいながら、毎月の達成目標を立てて実行していきました。
池山:
最初は、事業のことはもちろん、社会人としての知識もない状態から、丁寧に教えてもらいました。電話対応ひとつ取っても、私が電話しているのを横で聞いていてくれたり、複雑な内容は、打ち合わせの時間を取って教えてくれたり。業務の概要だけではなく、色々と細かい部分まで教えてもらえて、ありがたかったです。おかげで、不安なく仕事ができています。
亀田:
池山さんは吸収力がすごくて、色々と気づいて動いてくれるし、わからないことは聞いてくれるので、ありがたいです。
池山:
性格的に、疑問に思うとすぐ質問してしまうんです(笑)。最近は、自分で調べられる範囲は見た上で、「私はこう思うんですけど、どうでしょう」と聞くようにしています。
亀田:
自分も新人だった時は、日々わからないことが出てきました。それを聞かないままにしているとモヤモヤが残るし、その場で疑問を解消してもらえると、こちらも助かります。私が去年OJTを受けた時も、担当者だけではなく、年が近い職員にもよく質問していました。
池山:
確かに、他の先輩にも質問しやすくて、良い雰囲気ですね。

—OJTを経て、今に役立っていることを教えてください。

池山:
質問の仕方や、メールの書き方など、社会人としての基本的な部分です。メールは他の人の形式を真似したり、長文にならない端的な書き方を教えてもらったりして、徐々に社会人らしい文章になってきました。
亀田:
自分自身も、色々なことを吸収できるよう、アンテナを張るようになりました教える側に説得力がないと、「ん?」となると思うので、その辺は心がけましたね。
池山:
亀田さんは、「去年業務を進める中で自分がわからないところがあったから、細かく説明しとくね」と言ってくれたり、そこにいるだけで安心感があります。細かいところまで気が付く先輩なので、忙しそうで申し訳ないと思いつつ、聞きに行ってしまいます。
亀田:
去年は自分が同じ立場で、手厚く教えてもらっていたので、できる限りサポートしてあげたいと思っています。気を遣わずに、どんどん聞いてくれたら。
池山:
課全体の雰囲気も良くて、いつでも話しかけていい空気を作ってくれています。忙しくてもピリピリせず、休憩がてら雑談したり、なごやかに仕事しています。

OJTは何かあった時、すぐに頼れる存在

—OJTを最大限活用するために、意識した方がいいことはありますか。

池山:
わからないことや、自分で判断できない部分は遠慮なく聞いて大丈夫だと思います。業務以外のことで、誰に聞いていいかわからないような悩みも、OJTの先輩には相談しやすいですね。
亀田:
困ったらすぐ頼る、というポジションにOJTを置いてもらえたら。人によっては「自分で考えてから聞いて」と言う人もいるかもしれませんが、1年目が困っている時に、聞かれて嫌な気持ちになる人はいないと思いますよ。
職場に1人、「この人に話せば大丈夫」という先輩がいれば、気が楽になりますよね。自分もそういう存在を目指しています。ただ、年の近い人に聞きやすいこともあれば、経験豊富な上長だからこそ聞けることもあると思います。そこは、OJTの関係性にとらわれず、うまく使い分けてほしいです。
池山:
そうですね。中小機構には、様々な経験を持った先輩方がいるので、皆さんに育ててもらっている感覚があります。
亀田:
池山さんはしっかりしているので、彼女自身で考えて「こう思うんですけど」と言ってきてくれる。その内容が的外れでないので、信頼しています。私からは、少しアドバイスするぐらい。これからも、どんどん仕事を任せていきたいです。
池山:
がんばります。

—お2人の今後の目標を教えてください。

池山:
まずは、今やっているJ-GoodTech事業の引き出しを増やしたいです。何か聞かれた時、すぐ答えられるようになりたい。長期の目標としては、入構のきっかけになった酒蔵のような中小企業と、直接関われる部署に行きたいです。地域本部で、そういう現場に携われると思うと、転勤が楽しみです。
亀田:
今後は、販路支援部での経験を、他の部署でも活かしていきたいです。業務の中で、他の支援機関の施策について知る機会があるのですが、「中小機構だと、どの部署が担当しているのかな」と興味が湧きます。各事業の点と点を結びながら、これからも「誰かを支えたい」という気持ちを軸に、企業支援していけたらと思います。