調査報告書
中小企業景況調査
中小企業庁及び中小機構では、中小企業の景気動向を総合的に把握することを目的に、全国商工会連合会、日本商工会議所及び全国中小企業団体中央会の協力を得て、「中小企業景況調査」を実施しています。
第178回(2024年10-12月期)調査結果のポイント
1.中小企業の業況判断DIは、2期連続して低下
全産業の「業況判断DI(前年同期比)」は、前期(2024年7-9月期)から0.9ポイント減(▲18.0)と2期連続低下。産業別では、建設業で2.0ポイント増(▲9.7)、卸売業で0.6ポイント増(▲13.7)と上昇、小売業で2.3ポイント減(▲29.2)、サービス業で1.7ポイント減(▲12.2)、製造業で0.5ポイント減(▲20.2)と低下。
全産業の来期見通しは上昇し、産業別では建設業を除く4産業で上昇の見通し。
2.従業員数過不足DIは、更に不足感が強まる
全産業の「従業員数過不足DI(今期の水準)」は、前期(2024年7-9月期)から0.8ポイント減(▲22.9)と3期連続して低下し、不足感が強まる。建設業で1.6ポイント減(▲42.4)、サービス業で1.2ポイント減(▲25.8)、小売業で1.0ポイント減(▲13.9)と低下し、建設業は顕著に不足感が強い状況にある。
3.飲食関連産業の採算(経常利益)DIは、低下が続く
コロナ後の飲食関連産業に注目すると、今期の飲食業(サービス業)の「採算(経常利益)DI(前年同期比)」は、▲33.8で5期連続で低下し、飲食料品小売業と並び最も低い水準となった。要因の一つに、高止まりが続く「原材料・商品仕入単価DI(前年同期比)」があげられ、今期は87.8で他の業種に比べて最も高い水準にある。
[調査概要]
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調査時点 2024年11月15日時点
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調査対象 全国の中小企業
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調査対象企業数 18,592社
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有効回答企業数 17,565社
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有効回答率 94.5%
詳細は以下の調査報告書のとおり。
調査報告書
全国の調査結果及び各種時系列データ
時系列データ
1. 業況判断(前年同期比、前期比原数値、前期比季節調整値、今期の水準)
2. 売上額(前年同期比、前期比原数値、前期比季節調整値)
3. 経常利益(前年同期比)
4. 資金繰り(前年同期比、前期比原数値、前期比季節調整値)
5. 長期資金借入難易度(前期比原数値、前期比季節調整値)
6. 短期資金借入難易度(前期比原数値、前期比季節調整値)
7. 時系列全データ
地域別の調査結果及び各種時系列データ
関連リンク
「中小企業景況レポート」及び「過去の調査結果」について掲載しています。
概要
中小企業を対象に、業況判断・売上高・経常利益等のDI値※を、四半期毎に産業別・地域別等に算出する景気動向調査です。経営者へのヒアリングをベースに算出しています。約80%を小規模企業が占める日本の中小企業構造の実態を踏まえた唯一の調査です。
※DI・・・ディフュージョン・インデックス。前年同期比または前期比で、「好転」と回答した企業比率から「悪化」と回答した企業比率を引いた数値。
対象企業
商工会議所、商工会、中小企業団体中央会により任意抽出した約19,000社の中小企業(金融機関を除く全業種)。
公表予定日
- 2024年12月12日
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第178回(2024年10-12月期)
- 2025年3月31日
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第179回(2025年1-3月期)
調査票
業種区分の改定について
日本標準産業分類第12回改定(2007年11月改定,2008年4月調査から適用)に伴い、第112回調査より業種区分を改定しています。また、過去のデータについても新業種区分により再集計を行い、遡及改定を行っています。
中小企業景況調査30周年記念報告書
1980年の調査開始から30年を超えた時点で、改めて「中小企業経営者の姿を映す景況統計として」という視点から、これまでの分析結果を振り返るとともに、2000年以降の調査結果の特徴を明らかにし、中小企業経営に貢献するための活用方法を検討したレポートです。
中小企業景況調査25周年記念報告書
中小企業景況調査は1980年(昭和55年)7-9月期に調査を開始しており、2005年(平成17年)4-6月期をもって、25周年(第100回)を迎えるにあたり、25年間にわたる調査データを、主要マクロ指標との比較、各調査項目間の関連性、地域別動向などの支援から分析し、本調査の特徴や位置づけ、今後期待される役割等について検討したものです。
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