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中小機構本部

年頭の御挨拶

独立行政法人中小企業基盤整備機構
理事長 豊永 厚志

独立行政法人中小企業基盤整備機構 理事長 豊永 厚志

新年、明けましておめでとうございます。令和6年の新たな年を迎え、謹んで新春のご挨拶を申し上げます。

昨年は、長いコロナ禍が収束に向かい、各地で経済活動が力強いものになってきた感があります。中小機構が四半期ごとに実施している「中小企業景況調査」にも表れています。中小機構でも対面での商談会や展示会などを増やしましたが、活気溢れる会場の様子に、経済回復に向けて高みを目指す中小企業・小規模事業者の皆様の意気込みを感じた一年でもありました。また、一度は途絶えた訪日外国人の数やインバウンド消費が急速に回復するなど、人流や国内消費の拡大が期待されます。

しかしながら、引き続き国際情勢が不安定な中、原材料、資源価格及び物価の高騰に加え、経済活動の活性化等に伴う人手不足が大きな課題となり、事業の成長や安定化に水を差す状況ともなっています。昨年12月に公表した「景況調査」でも、原材料や仕入単価が上昇していると答えた企業が全産業で7割を超える高い水準で推移しており、また、従業員の不足感が強まり、約6割もの企業が不足と回答し、厳しかったコロナ前の水準に戻っています。

こうした中、中小企業・小規模事業者は、少子高齢化や急速な技術革新の進展、環境制約の高まりといった長期的な課題とともに、現在直面する世界的な物価高や深刻な人手不足などの困難に対応し、柔軟にかつ強靭にこれらを克服することが求められていると考えます。具体的には、(1)IT技術の進展に対応したDXの推進や人手不足等に対応した省力化などビジネスモデルの高度化、(2)コロナで変化した需要構造などを踏まえた販路拡大や輸出・インバウンド需要の積極的取り込み、(3)確実かつ円滑な事業承継・引継ぎ、(4)再起を期した事業の活性化や経営の刷新、(5)環境制約や災害などに対応する強靭さの確保など、様々な挑戦が重要です。

このような認識のもと、中小機構では中小企業・小規模事業者の皆様の「成長・挑戦」、「事業継続・経営体力強化」、「経営環境変化への対応」などをサポートするため以下の事業に取り組む所存です。

1.地域中核・成長企業への支援

中小企業・小規模事業者の経営者が独自の付加価値を生み出し、成長と挑戦を果たすために、事業の成長を支援してまいります。このため、成長志向企業の経営課題に対応し、イノベーションを促進するための相談や助言、ハンズオン支援を提供していきます。また、中小企業等の株式集約等に資するファンド等を支援することで成長志向企業をバックアップしてまいります。

2.企業の成長段階に応じた新市場開拓支援

中小企業の新たな市場展開や海外進出・輸出拡大を促進するため、輸出や海外展開等に挑戦する中小企業等への相談助言や伴走支援を行います。また、新市場開拓をサポートするため、優れた製品・技術・サービス等を有する中小企業等と大手・中堅企業や海外企業との新規取引・業務提携等を促進するプラットフォームの運営やそれと連動したきめ細かい展示・商談会の実施を推進します。

3.スタートアップ創出・成長への貢献

成長初期段階やグローバル展開等を目指すスタートアップ等に投資を行う国内外のベンチャーキャピタルが運営するファンドに出資し、スタートアップ等へのリスクマネーの供給を促進します。また、必要な経営支援に長けた人材の派遣などを通じてスタートアップの確実な成長を支えます。実践経験を通じた若手キャピタリストの育成にも努めます。

4.事業継続・経営体力強化への支援

中小企業・小規模事業者の事業継続と地域経済の活性化に向け、経営安定や事業継続のための支援や地域中小企業への面的な支援も実施し、地域経済の発展に寄与していきたいと考えております。このため、中小企業・小規模事業者に事業継承のための様々なノウハウ・情報を提供するとともに、承継や引継ぎに有効な支援ツールの活用を促します。とりわけ、よろず支援拠点、事業承継・引継ぎ支援センター及び中小企業活性化協議会それぞれの全国本部の役割を担う組織として、各機関の支援レベルの向上や機関間の連携の促進を図ります。また、これら以外の中小企業団体や地域金融機関などの支援機関との連携や支援人材の育成を通じて、支援活動の拡大を図ります。

5.経営環境変化への対応を支援

経営資源の確保が困難な中小企業・小規模事業者は、多発する天災やサイバーアタック、厳しくなる環境制約など昨今の激しい経営環境の変化により経営に著しく影響が及ぶ恐れがあります。そのため、事業者が単独でまたは協力して経営環境の急激な変化に備え、影響を最小限にし、迅速に復活するための支援を実施してまいります。

また、事業運営の基盤ともいうべき人材面の課題克服のため、経営知識の習得に加え、経営に関する分析力、洞察力など経営に必要な能力の向上等経営の基盤となる人材の育成を中小企業大学校やハンズオン・伴走で支援します。各種補助事業を通じ、環境変化に対応するための設備投資などの取り組みも支援してまいります。

このように、新年においても引き続き、中小機構は関係機関の皆様と連携して新たなビジネスの創出、生産性の向上をサポートし、地域の活性化と中小企業等の発展に精一杯尽くしてまいる所存です。

皆様方におかれましては、激動する事業環境の変化をチャンスと捉え、新たな成長と発展の一年となりますよう心より祈念いたしまして、新年のご挨拶とさせていただきます。

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