中小企業景況調査

中小企業庁及び中小機構では、中小企業の景気動向を総合的に把握することを目的に、全国商工会連合会、日本商工会議所及び全国中小企業団体中央会の協力を得て、「中小企業景況調査」を実施しています。

第171回(2023年1-3月期)調査結果のポイント

1.中小企業の業況判断DIは、3期ぶりに上昇

全産業の「業況判断DI(前期比季節調整値)」は▲13.7で3期ぶりに上昇し、前期(2022年10-12月期)の9.2ポイント増、2023年4-6月期の見通しは0.2ポイント増。
産業別では、サービス業は前期比14.3ポイント増、卸売業は11.5ポイント増、小売業は8.1ポイント増、製造業は5.6ポイント増、建設業は1.9ポイント増とすべての産業で上昇した。

2.小規模企業の売上単価・客単価は横ばい基調

「売上単価・客単価DI」と「原材料・商品仕入単価DI」の差から原材料等の上昇に対する売上単価への価格転嫁動向をみると、中規模企業が上昇基調であるのに対して小規模企業は横ばい基調かつ水準も低く、特に小売業での価格転嫁が進んでいないと考えられる。

3.従業員の不足感が強まり、概ねコロナ前と同水準に

従業員数過不足DIは、全ての産業及び業種で「不足」の回答が「過剰」の回答を上回り、概ねコロナ前(2019年1-3月期)と同水準まで不足感が強まっている。特に、建設業全般や小売業のコンビニエンスストア、サービス業の宿泊業、対事業所サービス業(運送・倉庫)等で不足感が強く表れている。

調査概要

  • 調査時点 2023年3月1日時点
  • 調査対象 全国の中小企業
  • 調査対象企業数 18,840社
  • 有効回答企業数 17,980社
  • 有効回答率 95.4%

詳細は以下の調査報告書のとおり。

調査報告書

全国の調査結果及び各種時系列データ

時系列データ

1. 業況判断(前年同期比、前期比原数値、前期比季節調整値、今期の水準)

2. 売上額(前年同期比、前期比原数値、前期比季節調整値)

3. 経常利益(前年同期比)

4. 資金繰り(前年同期比、前期比原数値、前期比季節調整値)

5. 長期資金借入難易度(前期比原数値、前期比季節調整値)

6. 短期資金借入難易度(前期比原数値、前期比季節調整値)

7. 時系列全データ

地域別の調査結果及び各種時系列データ

関連リンク

「中小企業景況レポート」及び「過去の調査結果」について掲載しています。

概要

中小企業を対象に、業況判断・売上高・経常利益等のDI値※を、四半期毎に産業別・地域別等に算出する景気動向調査です。経営者へのヒアリングをベースに算出しています。約80%を小規模企業が占める日本の中小企業構造の実態を踏まえた唯一の調査です。

  • DI・・・ディフュージョン・インデックス。前年同期比または前期比で、「好転」と回答した企業比率から「悪化」と回答した企業比率を引いた数値。

対象企業

商工会議所、商工会、中小企業団体中央会により任意抽出した約19,000社の中小企業(金融機関を除く全業種)。

公表予定日

2023年6月30日
第172回(2023年4-6月期)
2023年9月29日
第173回(2023年7-9月期)
2023年12月12日
第174回(2023年10-12月期)
2024年3月29日
第175回(2024年1-3月期)

調査票

業種区分の改定について

日本標準産業分類第12回改定(2007年11月改定,2008年4月調査から適用)に伴い、第112回調査より業種区分を改定しています。また、過去のデータについても新業種区分により再集計を行い、遡及改定を行っています。

中小企業景況調査30周年記念報告書

1980年の調査開始から30年を超えた時点で、改めて「中小企業経営者の姿を映す景況統計として」という視点から、これまでの分析結果を振り返るとともに、2000年以降の調査結果の特徴を明らかにし、中小企業経営に貢献するための活用方法を検討したレポートです。

中小企業景況調査25周年記念報告書

中小企業景況調査は1980年(昭和55年)7-9月期に調査を開始しており、2005年(平成17年)4-6月期をもって、25周年(第100回)を迎えるにあたり、25年間にわたる調査データを、主要マクロ指標との比較、各調査項目間の関連性、地域別動向などの支援から分析し、本調査の特徴や位置づけ、今後期待される役割等について検討したものです。

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