「OJT制度のおかげで無理なく仕事が覚えられた」先輩・後輩の2人に聞く仕事を身につけるコツ 市川 茉莉子(2018年入構)/佐藤 拓実(2019年入構)

入構2年目の市川さんと1年目の佐藤さんは、関東本部に勤務しています。関東全体の企業支援をとりまとめる業務をしながら、それぞれに担当都県を持ち、地域支援にも関わっています。

先輩の市川さんは、佐藤さんのOJT指導(※)も担当。フレッシュな2人に、仕事内容とOJTについて詳しく聞きました。

OJTとは…オン・ザ・ジョブ・トレーニングの略で、実際の業務を通して新人を教育する方法

最初に全体を見渡せる仕事でよかった

ーまず最初に、中小機構に入ったきっかけを教えてください。

市川:
学生時代、個人経営のケーキ屋でアルバイトをしていました。人気のお店だったのに後継者がおらず、私の卒業後に閉店することに。まわりの商店街にもそういうお店が多くて、企業の事業承継に興味を持ちました。就活の時、中小機構が全国の中小企業を幅広く支援していると知り、企業と関わる仕事がしたいと入構しました。
佐藤:
私は大学で、地域振興や地方再生を学びました。その分野に興味を持ったのは、地元のサッカーチーム「川崎フロンターレ」の影響です。とても地域を大切にしているチームで、毎年ファンと一緒に多摩川の掃除をしたり、東日本大震災の被災地を継続的に支援したりしています。自分も、地域に密着した仕事や誰かを応援する仕事がしたいと思い、中小機構に入りました。

ー入構後、おふたりはどんな仕事をしていますか。

市川:
中小機構は全国に地域本部が9か所あり、私たちがいるのはその1つの関東本部です。担当エリアが広く、静岡県から新潟県まで1都10県を管轄しています。
私と佐藤くんが所属する企画調整課は、関東本部の様々な事業のとりまとめを行う部署です。私は広報など外部連携の業務をしていて、佐藤くんは経理を担当。関東本部には幅広い事業があり、企画調整課にいるとその全体を見渡すことができるので勉強になりますね。
佐藤:
私は実際の支援に関わる前に、今のような管理系の業務がやりたいと思っていました。仕事を始めたばかりだからこそ、まわりが把握できる部署がいいなと。ここにいると関東本部の仕事が全体的に見渡せるので、今後やりたいことも見つけやすいと思います。別の部署に配属になっても、事前知識があるから心の準備ができますし。
関東本部内では「何か困ったら企画調整課」というイメージなんですよ。私みたいな1年目の新人が、他部署の先輩から色々と質問されることもあります。頼られている課なんだと嬉しいですし、もっとがんばろうと思いますね。

現場を回って感じた地域の熱意

ー関東本部の「都県担当制度」について教えてください。

市川:
都県担当制度は、関東本部独自の取り組みです。職員全員が1都10県の中から担当都県を持ち、実際に訪問したり情報共有したりして、より地域に密着した支援をしようと今年から始まりした。
私は群馬県を担当し、現地の商工会議所、県庁、市役所といった連携機関を訪問しました。そこでヒアリングした内容から事業化できそうな案件を見つけ、企業と中小機構をつないでいます。他部署の人と一緒に1つの県を担当するので、横の連携がしやすいですね。
佐藤:
私は静岡県担当です。我々のチームは、事前に支援できそうな地域の候補をいくつか挙げてから現地を回りました。
市川:
そっちは今、旅館支援をしているよね。
佐藤:
はい。温泉街で有名な伊豆地方を支援しています。現地を視察できた時は嬉しかったです(笑)。
伊豆では観光業の方々に向け、経営がうまくいきやすいケースを研修方式で周知する取り組みを始めました。商工会議所と協力しながら、その地域で今までなかった支援をしていこうという考えです。商工会議所の方々は企業と関係が深く、地域愛も強くて頼りがいのある人ばかりですね。
市川:
都県担当制度は実際の現場に行けるので、事務所にいるだけでは分からない現場の熱意が伝わってきます。新しくできた制度だから新人の提案も通りやすく、さらにやりがいを感じています。

OJTで身につけた「自分で考える力」

ー市川さんは佐藤さんのOJTを担当されたそうですが、お互いの第一印象はどうでしたか。

市川:
男の子が来ることは分かっていたんですが、それにしても大きい子が来たなあと思いました(笑)。
佐藤:
市川さんにOJTを担当していただくことになって、最初は「静かな人だろうだな」と思っていました。自分がすごく喋るタイプなので、大丈夫かなとちょっと心配でした。でも実際はけっこう喋ってくれて、接しやすい先輩で安心しました。
中小機構では、入構後すぐに2週間ほど新入職員研修を受けます。その後、配属先で先輩についてもらいながら業務を覚えていくOJT制度が1年目の終わりまで用意されています。
市川:
佐藤くんには、私が先輩にしてもらったのと同じように、引継ぎマニュアルを作って業務をひと通り教えました。あとは、やりながら分からないことを質問してもらう形で進めています。
佐藤:
上司が優しいので、市川さんが休みの日も質問しやすくて助かります。最初は何でもすぐに聞いていましたが、徐々にマニュアルの見方が分かってきて、自分で解決できることが増えました。最近は、聞く前にまず調べて考えることを心掛けています。
市川:
企画調整課には「自分の考えを持つ」という方針があります。OJTも半年過ぎ、最近では新しいことが出てきた時でも、彼なりの意見を伝えてくれるようになりました。

ーOJT中、印象に残っていることはありますか。

市川:
私も入構2年目で、新しい業務もある中、どこまで彼に仕事を任せるかを考えながら進めていました。ちょうど新しい経理システムに移行した時期で、いきなりやるのは大変かもしれないと、なかなか引継ぎできていなかったんです。
すると佐藤くんに「もう少し自分に任せてください」と言われたんですね。私としては完璧な状態で引き継いだ方がいいだろうと思っていたので、人によって考え方が違うんだと感じました。
佐藤:
自分には空いた時間があるのに市川さんの仕事が残っているのを見て、これでいいのかなと。いつかは引き継ぐ仕事ですし、完璧な状態で一気に任されるより、少しずつ教えてもらう方がお互いやりやすいのではと思って伝えました。
市川:
「もうちょっとやりたいっす」って言ってくれたよね(笑)。
佐藤:
市川さんには普段から助けてもらうことばかりなので。自分と1年しか違わないのに、何でも質問に答えてくれるのがすごいなと日々思っています。分からないことは調べてくれたり、上司にしっかり確認してくれたりと、信頼感があります。
市川:
私も去年、同じ立場の先輩がすごかったので、同じようにしたいと思っていました。調べてカバーできないことは上司が導いてくれますし、私と佐藤くん、2人まとめて課がサポートしてくれている感じです。「1人で新人を育てなきゃ」という環境ではないから、気持ちが楽ですね。
佐藤:
最初は、もっと仕事を任されて大変なのかなと思っていましたが、そうではなかったです。大きな仕事は先輩と一緒に進めたり、分からないことはすぐに聞ける環境ですね。
まわりが助けてくれるからこそ、自分もしっかりやらないとと思います。早く「佐藤には仕事を任せられる」と信頼してもらいたいから、がんばろうってポジティブに思えます。
市川:
彼に教えながら、自分も教えられているなと感じます。例えば、佐藤くんはよく話すタイプなので、それまで静かな雰囲気だった課が明るくなりました。改めて、人とコミュニケーションすることの大切さを学びました。

OJTのコツは「とりあえずやってみること」

ーOJTを有意義な時間にするために、意識した方がいいことはありますか。

佐藤:
OJTは、手取り足取り教えてもらうのではなく、自分で調べたり考えたりしても分からない部分を先輩に補ってもらうイメージです。一方的に教えてもらうような心構えだと、何もできずにずっと待っている状態になります。
都県担当制度のように、こちらから情報を探しに行く事業もあるので、常にアンテナを張りながら仕事を進める意欲が必要かなと。
市川:
誰にでも、それまでの人生で確立した自分のやり方があると思います。でも一度は教えてもらったことを飲み込んで、やってみることが大事です。教える側も教えられる側も、自分のやり方に固執しすぎるとうまくいきません。
私も最初はこだわっていた部分がありましたが、佐藤くんも色々な知識を持っているので「教えなきゃ」よりは「よく会話する先輩」ぐらいの意識で接しています。
佐藤:
最初は「とりあえず言われた通りやってみる」のがいいですね。
市川:
私たちはまだ年が近いので考え方に大きな差はないですが、もっと年上の上司がOJT担当になることもあります。その時にやり方の違いを感じても、人生の先輩のアドバイスとして受け止め、一度やってみるのがいいと思いますね。
佐藤:
その上で自分の方法を提案してもいいですし。この前、仕事の資料を「もっと効率的に作れるのでは」と上司に雑談程度に話したら、「じゃあやってみて」と言ってくれてサポートまでしてもらいました。提案したら、意外と受け入れてもらえるんだと思いました。

ー最後に、今後の目標を教えてください。

市川:
関東本部の支援事業について、今の課でざっと知ることができたので、次は現場で深く知っていきたいです。都県担当制度で群馬を回った時、やっぱり現場経験がある他部署の先輩は説明の深みが違いました。私も地域の方と深く関わって、信頼関係の築ける支援がしたいです。
佐藤:
今の課で事業の全体を見ながら、自分のやってみたいことは何かを考えたいです。他部署に異動になったとき、ある程度の知識を身につけた状態で行けるのが、管理業務のいいところだと思います。次のステージに移っても、変わらずチャレンジしていきたいです。