年頭の御挨拶

2021年 1月 4日

独立行政法人中小企業基盤整備機構
理事長 豊永 厚志

独立行政法人中小企業基盤整備機構 理事長 豊永 厚志

新年、明けましておめでとうございます。令和3年という新しい年を迎え、謹んで新春のご挨拶を申し上げます。

昨年は、世界的に猛威をふるう新型コロナウイルス感染症の影響や全国各地で相次ぎ発生した台風や豪雨等の自然災害により、企業を取り巻く環境は非常に厳しいものとなりました。人口減少や少子高齢化、後継者難や人手不足といった我が国の構造的課題に加えて、サプライチェーンの脆弱性、デジタル化の遅れといった課題も顕在化し、緊急事態宣言下の経済の停滞と相まって、中小企業・小規模事業者にとっては、これまでになく難しい経営の舵取りが求められました。
新型コロナウイルス感染症に関しては、感染拡大防止対策を前提に、経済活動は徐々に再開してきているものの、国内外において収束の見通しは立っておらず、依然として先行き不透明な状況が続いております。

一方、こうした難しい事業環境の中にある時代だからこそ、災害を乗り越え事業を継続するため、中小企業・小規模事業者にとって、新たな需要への対応、新サービスの創出、事業転換などの工夫によって、積極的な事業展開を行うことが求められています。

中小企業・小規模事業者は、我が国の経済・産業構造を支える担い手であり、その活動と成果が地域社会の発展につながり、「豊かでうるおいのある日本」につながることは言うまでもありません。
中小機構は、全国の関係機関と連携し、中小企業・小規模事業者の皆様の前向きな取り組みを支え、その成長と発展を促進する使命をもっております。このような認識のもと、中小機構は令和3年において、以下を重点に取り組んでまいります。

第一に、経営環境の変化への対応と事業の継続を図るための支援に全力で取り組みます。
日本経済を支える中小企業・小規模事業者が、自然災害の発生や感染症拡大の中でも安定的に事業活動を継続するための能力強化(強靱化)を図ります。災害リスクを認識し、防災・減災対策の第一歩として将来的に行う災害対策をまとめる「事業継続力強化計画」の策定を支援し、自社のみで行う「単独型」に加え、さらなる効果の発揮が期待される組合や連携体など複数の中小企業・小規模事業者で取り組む「連携型」の取組みを推進します。

近年喫緊の課題となっている経営者の高齢化に伴う「事業承継・事業再生」の問題に関しては、中小機構は、国の「中小企業事業引継ぎ支援全国本部」及び「中小企業再生支援全国本部」を担っていることから、そのノウハウを活かし、円滑な事業承継、事業の再生支援を進めてまいります。とりわけ事業承継に関しては、親族内承継の減少に伴い、親族外承継(従業員承継や第三者承継等)が増加しており、窓口相談をはじめ、円滑な承継に向けた計画的な取組みやノウハウ共有のためのセミナー・フォーラムの開催、後継者育成に向けた研修の提供のほか、全国の事業引継ぎ支援センターの相談情報をデータベース化したノンネームデータベースを活用し、関係機関や金融機関と連携を密にしながら、後継者候補の確保・育成支援を進めます。
また、小規模企業の経営者が事業活動を停止した後の生活安定を図るための制度として機能する小規模企業共済、万が一取引先が倒産した際に連鎖倒産を防ぐため貸し付けが受けられる経営セーフティ共済といった2つの共済制度を確実に運営し、「経営環境の変化への対応の円滑化」を図ってまいります。

第二に、変化の波をとらえ、新たな需要への対応、新サービスの創出、事業転換など、イノベーションを通じた発展・飛躍を図るための支援に取り組みます。
コロナ禍において、テレワークや在宅勤務の導入など、デジタル化や働き方改革への対応、グリーン分野や健康・医療といった新たなニーズやトレンドの取り込み、事業の再編や再構築に柔軟に取り組んでいくことを求められています。
まず、デジタル化やIT導入支援については、これまで実施してきた支援メニューをさらに充実させ、「IT戦略ナビ」、「IT経営簡易診断」、「ITプラットフォーム」、「デジタル化応援隊」、「IT導入補助金」と、段階に応じた支援が受けられるようパッケージとして整理しました。

働き方改革に向けた支援については、様々な施策情報をWebで情報提供するほか、「中小企業生産性革命推進事業」の実施を通じ、中小企業・小規模事業者の積極的な生産性向上の取組みを支援します。
事業の再編・再構築、イノベーションに向けた取組みについては、「アクセラレーション事業FASTAR」や「インキュベーション施設」を通じた支援、「EC取組み支援」やビジネスマッチングサイト「J-GoodTech」を通じた国内外企業とのマッチングなどを展開しています。また、「中小企業大学校」における人材育成や「ファンド出資」を通じた株式取得等による資金供給など、今後も様々な切り口でサポートを行ってまいります。

中小機構では現在、2019年4月から2024年3月までを目標期間とする「第4期中期計画」に基づき、様々な業務を進めています。今後も国からの政策要請に加え、中小企業・小規模事業者の多様な支援ニーズに応えるべく、全国各地の中小企業・小規模事業者の支援に取り組む関係団体・士業の皆様や中小企業応援士の方々と力を合わせ、中小企業・小規模事業者の支援に取り組んでまいる所存です。

皆様方におかれましては、この1年が安定して事業を継続できる、明るい年になりますよう心より祈念いたしまして、新年のご挨拶とさせていただきます。