AIテクノロジーを基に、 小売業とそこで働く人々の未だない革新的な未来を創造するスペシャリストチーム

2019年 9月 10日

リアル店舗AIイメージ

AIテクノロジーを活用し、「店舗」×「人」×「テクノロジー」の組み合わせによって生み出される価値の創出を追求するAWL株式会社のCTO 兼 AI HOKKAIDO LAB所長の土田安紘氏に、起業の経緯、会社の特徴、今後の展望についてお話を伺いました。(2018年10月取材・2019年8月再取材)

インタビュー

お話
CTO 兼 AI HOKKAIDO LAB所長 土田 安紘 氏
人事・総務部 チーフマネージャー 土田 美那 氏

起業、会社のおいたち

社名の由来と起業の経緯について教えてください

CTO顔写真

社名であるAWL(アウル)は「AI(人工知能)+OWL(フクロウ)」を足した造語です。当社のソリューションが、店舗を見守り、人間の「目と頭脳」を補完することで、人間と調和し、店舗の生産性向上、業務効率化、付加価値創出を実現するという思いが込められています。

起業の経緯については二人の創業者である代表取締役社長の北出とAI第一人者の川村教授(北海道大学・調和系工学研究室)の出会いについて語る必要がありますね。北出は、大学卒業後に、北米にてITコンサルティング、リサーチ&マーケティングを担当し、帰国後は、複数のITビジネスの立ち上げに参画しました。その後、大手企業のコンサルティング、ソリューションサービスの提供を行ってきました。

2012年ごろからアメリカでディープラーニングが注目され、日本でも2014年ごろにAIへの関心が高まるなかで、多くの取引先からさまざまな課題をAIで解決できないかという問い合わせをいただく機会が増え、北出はAIの最先端に立つ研究者を求めていました。この時に出会ったのがもう一人の創業者の川村教授です。北出からの相談を受けて川村教授を紹介したのが、北海道内を中心にドラッグストアーを多店舗展開する現・サツドラホールディングス株式会社(以下、サツドラHD)の富山社長でした。北出と川村は2016年6月にエーアイ・トウキョウ・ラボ株式会社を設立し、1年後の2017年6月にサツドラHDと資本業務提携して、サツドラグループに参画しました。その後、2019年3月に会社分割し、商号をAWL株式会社に変更してAIソリューション事業に経営資源を集中させました。なお現在、サツドラHDの富山社長はAWL(株)の代表取締役会長を務めています。

御社の提供する小売業界向けAIサービスの特徴はどのようなものでしょうか

AIカメライメージ

小売事業の世界ではEC通販サイト(eコマース、電子商取引)と実店舗におけるリアルな販売があります。EC通販はウェブサイトを通してアクセス数から販売実績につながるまでのプロセスがデータで管理できるようになっていて、データを活用した改善が可能ですが、実店舗ではそのような取り組みが遅れており、生産性が低い、あるいは、お客様に対する価値提案が十分にできていないというような課題があります。当社のサービスはディープラーニングを応用したAIカメラによって、お客様の性別、年齢、店舗内の行動履歴(どのルートを通って、どの商品を見て手に取って、購入したか否かなど)といった、これまで取得することができなかったお客様の行動を把握し、データとしてサーバーに伝送し、そこで機械学習によるデータ解析を行うことで改善点を明らかにすることができます。例えば、お客様の行動分析により、店舗エリア別にレイアウトや商品配置、接客体制の改善や、複数のデータと組み合わせることで効果的な施策の実施、スタッフの配置や在庫管理といった新たな価値の提案につなげるなど、経営に生かせるという点が特徴です。

事業の展開と現在

なぜ北海道にR&D拠点として「AI HOKKAIDO LAB」を設けたのですか

サツドラHDは北海道を中心に200店舗以上のドラッグストアーを経営しております。また、POSレジのクラウド化や、地域共通ポイントカード「EZOCA」といった、ドラッグストアー経営だけにとどまらない事業活動を展開するユニークな企業です。サツドラグループ独自のネットワークとデータと、実店舗を持つ強みを活用できることから、実証実験を行わせてもらいながら、研究開発を日々進めております。また、北海道大学連携による最先端の技術開発の応用や、川村教授の研究室をはじめ北大の優秀な学生の協力を得られること、北出自身の出身地でもあったことから、北海道に進出することは、ごく自然な流れであったと振り返ります。

設立2年で急成長しているとお聞きしました

おかげさまで、創業から2期連続で黒字を達成しながら、拡大を続けています。従業員数は42名(2019年6月現在)おり、最先端技術の調査や開発に携わってもらっています。特に「AI HOKKAIDO LAB」のメンバーのバックグラウンドは多様であり、公用語も英語と言っても過言ではありません。中国、韓国、ロシア、コロンビア、それからカナダとさまざまな国で生活していた仲間で構成されています。学生の専攻内容もさまざまであり、情報系や工学系の学生が主となりますが、農学部や文学部の学生も実際の開発現場で活躍いただいております。

会社が大きく成長する中で、マネジメントを強化する必要性により、2018年より大手電機メーカーにて人事を担当していた妻に人事・総務マネージャーとして加わってもらいました。所長である私と、管理全般を行う女将さんと、たくさんの若い従業員が在籍する「AI HOKKAI DO LAB」は「相撲部屋」とも呼ばれているわけです。優秀なメンバーが集まる、イキイキとした職場環境にあることを感謝します。

そして、これから

今後のビジョンと事業展開について教えてください

集合写真

現在開発を進めております小売業界向けAIサービスが、リテールAIのグローバル・スタンダードとなることを目指します。我々が開発し、立ち上げようとしているサービスの本格的な提供に向けて、リアル店舗×多店舗展開を急ピッチで進めております。第一ステップは北海道、その次は東京、日本全国、更には世界展開も視野に入っています。

急速なる事業拡大を見据え、我々はまだまだエンジニアやプロジェクトマネージャーを必要としています。当社のビジョンに共感してくれる方を、広く募集しております。職務発明の規定も整備しています。我々が開発するテクノロジーが現在の構想を超えて新たな領域へ発展し、拡大し、事業とともにメンバー一人ひとりも大きく活躍できる会社です。

インキュベーションの利用

入居のきっかけ

川村教授から、北海道で拠点を置くならば北大ビジネス・スプリングが北海道大学との連携のもと、北海道、札幌市、地元経済界等が一体運営でき、最適であるという推薦を受けました。

入居しての変化

北海道大学やサツドラHDとの連携が非常に行いやすい環境にあります。技術開発の面では、学生の協力も得やすく、更には北海道大学をはじめ、実践的インターンシップ受け入れのモデル的存在になっているとも聞いています。

常駐するインキュベーションマネージャーの企画であるAI/IOT分科会のセミナーで講演させてもらったことをきっかけに、行政関係者とのつながりもできました。現在は、北海道庁や札幌市の協力を得て、AI教育事業も展開しています。

入居して良かったこと、将来の入居者へのメッセージ

北大ビジネス・スプリングは、大学・研究機関の知的資源を有効に活用できるというメリットと合わせて、キャンパス内にありながら、様々なビジネスに携わる人の行き来もあり、更には学生が企業にアクセスしやすい環境にあります。「北大ビジネス・スプリング」を起点に新たな技術・アイディアが生まれ、それらが製品・サービスとして世の中に出ていく、良い意味で特殊性のある場所です。ここにはダイヤの原石が転がっています。是非、この場を活用し多くのビジネスが北海道から生まれて欲しいと思います。

最後になりますが、私たち「AI HOKKAIDO LAB」は、北大キャンパス内にありながら、最先端技術を社会実装し、リアルに事業化するポジションを築いてきました。いずれは、当社ラボが大学研究室を超えるような超最先端の開発を行っていく意気込みです。

会社情報

会社名
AWL株式会社 
代表取締役社長
北出 宗治
所在地
(本社)東京都千代田区九段北1丁目12番4号 徳海屋ビル6階
(北海道オフィス)北海道札幌市北区北21条西12丁目2 北大ビジネス・スプリング105
事業概要
AIソリューション事業

会社略歴

2016年6月 エーアイ・トウキョウ・ラボ株式会社を設立
AIソリューションの開発、コンサルティングを開始
2017年6月 サツドラホールディングス株式会社に連結子会社化
2017年8月 北海道大学と共同開発した「AI人材育成講座」の提供を開始
2017年8月 社名をAI TOKYO LAB株式会社に変更
2017年10月 R&D部門である「AI HOKKAIDO LAB」(札幌)を開設
2019年3月 会社分割して商号をAWL株式会社に変更
2019年3月 ベトナム・ハノイに、R&D拠点となる、「AWL Vietnam, Inc.」を設立

担当マネージャーからのコメント

担当マネージャー顔写真

AWL株式会社は、川村教授の紹介で北大ビジネス・スプリングに入居されました。土田所長と土田チーフマネージャーは、明るい性格で社員の皆さんからはもちろん、他の入居企業からも慕われています。今年のハロウィーンは仮装して出社され、楽しませていただきました。北大生のアルバイト社員も多くフレッシュな企業です。これからは企業としての体制作りが課題となると思いますが、今後、北大ビジネス・スプリングから世界に羽ばたく企業になると思います。

北大ビジネス・スプリング
チーフインキュベーションマネージャー 佐々木 身智子

インキュベーション施設

北大ビジネス・スプリング