小規模事業者支援ハンドブック
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47第3章 小規模事業者の売上向上支援コラム: 「パソコンが使えない」というのは制約条件でしょうか? 小規模事業者の支援をしていると、「資金繰りが厳しい」と言いながらも資金繰りを把握していない経営者に数多く出会います。そこで、なぜ『資金繰り表』を作っていないのかを尋ねると、よく耳にするのが「パソコンが使えないから…」というもの。会計ソフトなどのCMの影響もあるのか、「数字の管理はパソコンを使わなければできない」という認識の方が数多くいるようです。 『資金繰り表』は、基本的には「お小遣い帳」と同じようなものです。いつ、何に、いくら使ったのか、いつお小遣いを貰ったのか、現在の残高はいくらか・・・この程度の内容が管理できれば良いので、大学ノートに線を引いて手書きで記入していけば十分といえます。ですから、資金繰りを把握する上で、パソコンが使えないことは制約にはなりません(手書きで管理する方法を教えることで、制約を打ち破ることができます)。 『資金繰り表』の作り方は、左から①入金欄(日付・内容・入金額)、②出金欄(日付・内容・出金額)、③残高欄(直近残高+入金額-出金額を計算)の見出しを作り、お金が動く度に記入して現在の残高が常に分かるようにします。 『資金繰り表』を作る目的は、いつまで安心できるのか・いつ頃に資金が回らなくなりそうかというような「将来の資金繰り状況」を把握することにあります。ですから、実際の運用の仕方としては、先々の入出金の予定を記入していき、それに変更が出る度に修正し、新しい予定が入る度に追記していきます。そうして、常に3-4ヶ月先の資金繰りがどのようになるのかを確認し、危ないと思ったら資金確保に動きます。 「こんな時にはここにメモ書きをする」「こんな時にはこのようにフセンを付けておく」「こんな時には赤ペンでこのように書く」というように、実際にどのようにすれば良いのかを具体的に教えることで、多くの経営者は、自身で先々の資金繰りを管理できるようになっていきます。そうした丁寧な指導(伴走型の支援)を行いながら、まずは経営者自身で1-2ヶ月先の資金繰りが把握できるように支援してみましょう。◆制約を打ち破ることができないか考えてみましょう(例)優秀な人材がいない・・・外部専門家・クラウドソーシングなどの活用   資金繰りが厳しい・・・委託商品・共同開発・受注生産などの活用   売場が狭い・駐車場がない・・・配達・ネット販売・御用聞き営業などの実施

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