小規模事業者支援ハンドブック
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34第2章 小規模事業者との信頼関係を築くためのコミュニケーション⑨ 「数聴(すうちょう)」を取り入れる会話の中で、質問をはさむ時に心がけたいのが、「数字を聴きだす」ということです。『感動の3S言葉』で相手をほめるのは、コミュニケーションとしては大事な部分ですが、経営相談にのる、経営指導を行う上で必要なのは、「数字を聴きだす」ことなのです。かといって、急に「利益率はどれくらいですか?」「原価率の変動はどうなっていますか?」などと言われても、棚卸もきっちりしていない小規模事業者の場合は、逆効果です。まずは、身近なところから、数字で表していきましょう。お店なら、従業員の数、一日のお客さんの数、店舗の広さ、テーブル数、一日の売り上げ、メニューの数…日常業務の中で、当たり前になっている数字を、今一度認識し、現状を把握してもらいましょう。数字を聴き出し、「このままでいいのか?」を考えてもらうきっかけを作りましょう。その上で、「もっとこうした方がいいのでは?」「ここを変えてみては?」という小さな提案をたくさんしていきましょう。こうした「数聴」をして、経営計画書を作る際には、第1章でも紹介されている、経営計画作成アプリ「経営計画つくるくん」を併用することもいいと思います。⑩ ボディーアクションをいれる相手の話を伺う時、印象に残る経営指導員になるために、さらにもう一歩踏み込んでみましょう。付け加えるのは、手や体を使っての表現です。といっても、何も難しいことをするわけではありません。小規模事業者の方は、経営指導員の方が自分の味方であるということが分かれば、心を許し、話を聴かせてくれるようになります。自分の味方であること。それはつまり、事業のことを一緒に悩み、考え、発展を願い、うまくいったら一緒に喜んでくれるということです。話の聴き方に、その思いをのせることで、相手との距離が近くなります。話を聴きながら、ちょっとしたボディーアクションを入れましょう。その1 「がんばりましょう!」という時にガッツポーズをする。その2 「素晴らしい!」と思ったら拍手をする。その3 うまくいった時などに、ハイタッチをする。    ☆ このハイタッチを、毎朝のあいさつで取り入れ続けたところ、社員間のコミュニケーションが良くなったという事業者があります。単純な事ですが、ふれ合うことで心の距離が近づき、親しくなった気持ちになれるのです。その4 訪問して失礼する時に、「今日はありがとうございました!」と言って、笑顔で握手をする。    ☆ 最初は、先方に「なんや、照れるがな」と言われるかもしれませんが、こちらはひるまずに! 自分が照れてしまったのでは、人には伝わりません。

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