小規模事業者支援ハンドブック
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14第1章 小規模基本法制定の背景と経営指導員の役割や使命Ⅱ.どんぶり勘定、成り行き経営からの脱却支援乱暴な言い方ではあると思いますが、極論を言えば、小規模企業の最大の強みとは、「ほとんど何もやっていないこと!」です。重要なことは、そんな、どんぶり勘定、成り行き経営でありながらも、幾多の困難を乗り越え、何十年間も事業を持続し、住民ニーズや雇用を支え、地域貢献してきたことは、本当はすばらしい、ということです。毎月の棚卸し、試算表作成、顧客管理、計数管理などしたことがない。だからこそ、伸び代があるのです。伸びていく可能性が非常に高いのです。これは、小規模企業支援において、最重要ポイントと言っても過言ではありません。※ 「第3章 小規模事業者の事業計画策定支援」も参照ください。在庫が風景になっている小規模企業において、毎月棚卸をして、試算表を作っているところは、ごく少数はあるでしょうが、ほとんどないというのが現状ではないでしょうか?多くの経営者は、倉庫、資材置き場、冷蔵庫、冷凍庫に積まれている在庫を、在庫(=お金)とは思わずに、いつもの「風景」になっています。そう、在庫が風景になっているのです。一年に一回の決算についても、きちんと棚卸をしていないと思われます。前年の在庫を基に、今年の在庫を決めている方を多く見受けます。棚を見ずに、数えずに、棚卸しが出来るのです。中には、毎年、期首の数字が同じという強者もいます。注意しなければならないのは、そんな状況でも、毎年きちんと決算していると勘違いしていることです。それは、言いにくいことではありますが、どんぶり勘定、成り行き経営であるにもかかわらずです。確かに、今までは、そんな状況でも良かったのかもしれません。経営環境が変わった今は、それでは成り立たなくなってきました。どんぶり勘定、成り行き経営の経営者は、納税時期にお金を使ってしまって、資金繰り困難に陥りがちです。その使ってしまう気持ちや、資金繰り環境は、私も経験がありますからよく分かります。そうです。お金がいつもより多いと、つい使ってしまう体質の方たちなのです。税務署等の調査が厳しくなっていることは、周知の事実です。これは、立場を変えれば当たり前のことです。毎月の棚卸し、試算表作成を習慣化して、経営基盤を強化してほしいのです。

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