小規模事業者支援ハンドブック
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第5章 地域資源を活用した商品開発とマーケティング支援119(1)目標設定はじめに新事業や新商品の目標を確認します。目標設定は、「どのくらいの高さの山を登るか」を決めることと言えます。小規模事業者では特に社長の裁量余地が大きく、これまで目標は社長の心の中にひっそりとあり、目標を全社的に明示することに馴れていない場合も多々見られます。しかし、支援者も含め関係者の意思を整える(マインドセット)には目標やビジョンを明示的にすることが欠かせません。もちろん、目標は詳細な分析(上表2.以降の分析)を踏まえたうえで設定することが必要です。ここでは新商品の企画・構想が企業側にあるというのが前提ですので、その意気込みを確認するというレベルかもしれませんが、まずは仮で構わないので目標を設定し、これから先の作業の拠り所とすることをお奨めします。何故なら、目標の高さ(域内販売か、域外販売か、それとも大都市圏を狙うか)によって、調査・分析範囲は大きく異なってくるからです。そして後述するプロセスを経て、目標の実現可能性を高めていくことが必要です。さらに計画づくりは、完璧に仕上げて次のステップに進むというよりは、全体感を掴みながら柔軟に行きつ戻りつすることで、徐々に計画への納得感を生み出すということが何より大切です。(2)環境分析目標を確認した後、次は「市場の機会」と「自社が活用できる強み」等を把握します(例:SWOT分析。SWOT分析については、第○章で紹介されていますので説明は割愛します)。環境分析のあと、目標の妥当性について改めて検証(社長との意識合わせ)することも必要です。(3)仮説づくり(STP+4P)環境分析を行い自社の立ち位置を確認したら、次に事業のコンセプト(「誰に」「何を」「どの様に」)を決めていきます。それにはSTP+4Pという考え方で状況を整理していくことが有効です。「STP」はそれぞれセグメンテーション、ターゲティング、ポジショニングの略です。一方、「4P」は製品(プロダクト)、価格(プライス)、流通(プレイス)、プロモーションの4つを意味します。最初に行うセグメンテーション(市場の細分化)とは顧客をある特定の層ごとに分け、自社にとって一番魅力的な層がどこにあるのか(ターゲティング)を考える思考プロセスです。層の分け方には性別(男女別)、地域別、年齢・年代別、所得別やライフスタイル別など色々な切り口があります。大切なのは、当社(の商品)にとって「意味のある分け方」であることです。アパレル関係では特に年代別の分け方が欠かせませんし、食品関係では場合によって所得別やライフスタイル別が大きな意味を持ってきます。セグメンテーションで分けられた一つ一つの層をセグメントと呼び、標的とするセグメントを決定する

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