小規模事業者支援ハンドブック
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第5章 地域資源を活用した商品開発とマーケティング支援117所謂「差別化」を行うことが大切となってきます。しかも、その差別化の方向性は必ずターゲット顧客のニーズに向いていなければなりません。だから、プロダクトアウトで発想した商品開発であっても、そこにマーケットインの考え方を入れ込み、ターゲット顧客にピントを合わせる作業が必要となるのです。一方、商品ばかりをターゲット顧客に合わせたとしても、それだけで「売れる」とは限りません。ターゲット顧客がそもそもその商品の存在を知らなければ売れませんし、買いたい時に都合よく買える場所に無ければ売れません。商品の魅力も十分に伝わる必要があります。そう考えると、「売れる」ためには単に商品開発の話ばかりでなく、より大きく会社全体の活動として「売れる仕組み」を作り出さなければならないことに気づきます。この「売れる仕組みづくり」が所謂マーケティングと呼ばれるものです。それは、顧客の視点やニーズを起点とし、商品や価格、チャネル(流通)、プロモーション(宣伝広告)をターゲット顧客に向かって最適化させていく活動の総称です。より詳しくは、顧客が今何を望んでいるのか、期待しているのかといった、顧客ニーズを分析したうえでターゲット顧客を決定し、他との違い(差別化)を強調し、ターゲット顧客が期待するもの(価値)を期待に見合う価格(一般には「買い求めやすい価格」が代表的ですが、財によって価格の感度は大きく変わります)で、ターゲット顧客が買い求めやすい場所や商品価値に見合った売場環境を獲得したうえで、商品価値が十分にターゲット顧客に伝わるようにプレゼンテーションを行っていく・・という一連の活動です。はじめて自社商品の企画・開発を行う企業にとって特にマーケティングは大きな課題です。故に、支援者はマーケティングの支援を行うことが大変有効となる場合が多いのです。ここでマーケティングの本質を理解しておく必要があります。それは「仮説」と「検証」の作業の繰り返しだということです。「仮説」とは未だ分かっていない答えについて「答えはこうではないか」と推測し、仮定を置くことです。その仮定を試してみて、試した結果を検証し、違っていたら仮説の再設定を行い、また試してみる・・これの繰り返しにより答えを見つける方法です。皆さんの身近にある企業でマーケティングのお手本は「セブンイレブン」です。セブンイレブンのお店では発注業務を行う際、明日の天気や地域で特別なイベントがあるかどうかを必ず検討します。例えば、おにぎりでは「雨の日は梅などのさっぱり系より、とり五目のような味の濃いもの」を多く揃えます。実際、雨の日は味の濃いものが売れる傾向にあるのです。しかし、このノウハウはもちろん初めからあったものではありません。過去のデータを分析し、仮説を立て検証を行うという試行錯誤を繰り返し、遂に「雨の日には

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