小規模事業者支援ハンドブック
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116第5章 地域資源を活用した商品開発とマーケティング支援Ⅳ.マーケティングの支援地域資源活用企業には、それまで下請的業務が中心で、はじめて自社商品の企画・開発を行うというところも少なくありません。そういった企業では「売れるモノを作る=マーケットイン」の考え方が不足している場合が多々あります。前世紀のものづくりの世界では、「良いものを作れば売れる=プロダクトアウト(マーケットインの反対語です)」という時代が長く続きました。しかし、社会全体で生産余剰を抱える局面では、顧客の視点やニーズを重視したマーケットインの思想が広まると、そうでない企業は競争に打ち勝つことが難しくなってきました。もちろん、商品開発はマーケットインの考え方ばかりで画期的な商品が生まれるわけではありません。顧客自身も、明確に欲しいものを理解しているわけではない、というのが現実です。しかしながら、市場にない新しい商品やサービスは、企業側が提案していく必要があります。そういった前提や企業と顧客との関係性を頭に入れつつ、地域資源活用企業の支援にあたっては、やはり、多くの場面でマーケットインの考え方が求められます。市場に全くない新しい商品やサービスはそう多くはありません。その場合、類似する商品やサービスとの違いをいかに特徴づけ、特定の顧客(=ターゲット顧客)に特別の印象を与えられるか、外国人旅行者をターゲットとした取組みも地域で進んでいます。日本に来る外国人旅行者はコミュニケーションの問題を最も心配しますが、香川県では空港からのシャトルバスが4カ国語表記ですし、東京駅地下にある小売店の店頭広告(POP)は5カ国語表記です。また、スマホやタブレットを使った通訳コンシェルジェサービスも成長しています。東京オリンピックが平成32年に開催されますが、それに向けてさらにこの業界は成長する見通しとなっています。さらに、外国人旅行客のニーズとして一番に挙げられるのは「無料公衆無線LAN環境」です。山梨県ではNTT東日本と連携し、観光地の無料Wi-Fiスポット整備を進めています。これは自治体に費用負担を求めず、外国人旅行者を迎えたい施設側に費用負担をお願いするビジネスモデルとなっており、無料のWi-Fiにアクセスするには、専用のIDとパスワードが必要となります。外国人旅行者は観光案内所、観光施設で明記されたカードを受け取り(パスポートの確認が必要)、2週間まで無料サービスを受けられます。23年4-6月期を底としていずれも右肩上がりとなっており、直近は過去最高の外国人旅行者を記録しています。

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