小規模事業者支援ハンドブック
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第1章 小規模基本法制定の背景と経営指導員の役割や使命11経営指導員は小規模企業の命を守る最後の砦~私を救ってくれたS経営指導員~ 兵庫県淡路市で、ホテル経営をしていた私は、平成7年の阪神淡路大震災後、経営困難に陥っていました。 その時、「そうだ!経営指導員のSさんに相談しよう!」と、思いました。信頼できるSさんなら、助けてくれるかもしれないと感じたからです。 相談に行くと彼は、私の顔を見るなり、笑顔で「大丈夫だから」と、言ってくれたのです。この言葉で、私は助けられました。 信頼する経営指導員のSさんが言ってくれたのだから、きっと生きていける、何とかなると信じて、困難を乗り切ることができました。当然、細かな指導をしていただき、心が折れそうな私を叱咤激励してくれたことは、言うまでもありません。 茫然自失状態であった私は、Sさんに、命を救われたと今でも思っています。感謝しかありません。私の救われた経験から、経営指導員は、「小規模企業の命を守る最後の砦」だと心から思っています。正式名称は、「商工会及び商工会議所による、小規模事業者の支援に関する法律」です。商工会、商工会議所を主語にしています。指導員の方として、正式名称をしっかりと覚えて下さい。先述の「商工会・商工会議所を中核とした連携の促進」との文言からもその思いをご理解頂けると思います。今回の小規模企業振興施策において、全国津々浦々の市町村における中核の支援機関として、再び、国が決めたのです。商工会、商工会議所の復権と言っても過言でありません。平成26年の小規模支援法の改正ポイント商工会、商工会議所の支援機能を抜本的に強化して、小規模基本法で定める総力を挙げた支援体制を構築しようとするものです。そのポイントとしては、記帳指導や税務指導などの従来の支援から、事業者が、自らどんぶり勘定、成り行き経営からの脱却を目指して、経営計画を策定し、売り上げを立てていく活動を支援する方向にシフトしていって頂こうと考えています。そのためには、商工会、商工会議所の経営指導員の方々が、伴走者になり、小規模企業の経営課題の解決まで、丁寧にサポートすることが必須です。コミュニケーションスキルを磨き、「そうだ!指導員の○○さんに聞こう」と思ってもらえる方を増やしていって頂きたいと思っています。門戸を開き、「敬聴力」を身につけて、悩みを聞き、ともに考えて解決する。そうした寄り添う支援を期待されているのです。

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