小規模事業者支援ハンドブック
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第5章 地域資源を活用した商品開発とマーケティング支援107Ⅱ.地域の特長づくりと自立型組織地域支援機関にいる支援者が地域資源の活用による地域活性化を志向する場合、個社の取組みを支援しつつ、一方で面的な展開(他の企業への波及)も意識する必要があります(個社だけの成功では地域への経済効果は限られたものになります)。そのモデルケースとしては例えば長野県の小布施町が挙げられます。事例1)長野県小布施町の取組み小布施町は昭和50年以降、地場産業の栗菓子でブランド形成に成功しました。地元の特産である栗を使用した菓子を首都圏にある百貨店を中心に広域的に販売を開始したことを契機とし(この時点の地域への訪問者は年間30万人程度でした)、のち、地域資源「葛飾北斎ゆかりの地」をベースとした歴史性を活かした街並みづくり、家屋・土蔵などの改修による生活文化演出、個人の庭を訪問者に開放する「オープンガーデン」の取組み等を続け、一方、企業群の栗菓子販売における情報発信と併せ地域が一体となった取組を持続的に展開。平成13年には、かつての約4倍に当たる年間120万人超の来訪者を達成しています。独創的取組企業百貨店・量販店等観光的要素シニア・外国人消費者商業・サービス業追随企業雇用拡大投資拡大第4 STEP交流人口の増加/商業・サービス業への波及効果第3 STEP雇用と投資の拡大第1 STEPモノとカネの移動情報の発信第2 STEPフォロワー(追随模倣事業者等)の参入公(行政)・市民の参画地域地域外上図は小布施町の発展ステップをイメージ化したものです。はじめに独創的な取組み(小布施町の場合は栗菓子の首都圏での販売)を行う個社が現れ(第1STEP)、次にその成功を模倣する事業者が現れます(第2STEP)。1社より2社、3社の方が情報発信力が強く、「小布施の栗菓子」は徐々に市場に浸透し始めます。その効果を最も享受するのは往々にして先行企業です。そして独創的取組企業が先行者利益により「雇用を拡大」「投資を拡大」させると(第3STEP)、さらには行政や市民が動きはじめます。結果、地域が一体となった取組となり、複合的な魅力を兼ね備えることにより、街を訪れる観光客が増加し、最後には地域の商業・サービス業にその効果が波及していきます(第4STEP)。地域の魅力は複合的な要素の組合せで決定されます。そして、それぞれの要素は磨かれ「善い循環」モデル図 ~スタートは個社の独創的な取組みから

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