20190315
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FLOSFIA 人羅俊実社長電力ロス少ない半導体開発中小企業経営者のための経営セミナー高田理事長が講演東北大の研究成果をビジネスマッチング中小機構社の販路開拓支援中小企業総合展㏌FOODEX中小機構休刊のお知らせ事業承継の成功事例紹介も、支援者会議開催(面)ミャンマー企業との商談会、件実施 (面)イノベーションネットアワード表彰(面)早川経団連副会長が中小企業へエール(面)実証実験用装置と【企業概要】▽代表取締役=人羅俊実氏▽所在地=京都市西京区御陵大原1 京大桂ベンチャープラザ北館▽電話=075(963)5202▽設立=2011年3月▽資本準備金等=約億6000万円(年1月現在)▽従業員=人▽事業内容=酸化ガリウム系パワーデバイスの研究・製造・販売、各種金属酸化膜等の受託成膜▽URL=http://www.flosfia.com 中小機構が2000年から実施しているベンチャー企業経営者の表彰事業「Japan Venture Awards(JVA)」。2月5日に開催されたJVA2019で、大賞にあたる経済産業大臣賞をFLOSFIAの人羅俊実氏が受賞した。同社は京都大学発のベンチャー企業で、同大で生まれた「酸化ガリウム」を用いて、電力損失が少なく低コストのパワー半導体を開発している。パソコンや太陽光発電装置などの電力変換をコンパクトにすることにもつながり社会的影響は大きい。人羅氏に技術内容などを聞いた。人羅 俊実氏(ひとら・としみ) 2000年京大工卒。有料老人ホームで就業した後、半導体領域の連続起業家として研究開発・品質管理・営業・財務経理などを幅広く経験。年ROCAを設立し年社長。年社名をFLOSFIAに変更。息抜きは7歳と9歳の子供と遊ぶこと。兵庫県出身、歳。 設立の経緯は  「設立は2011年3月。当初は海水を淡水化する技術開発をする会社で社名はROCA(ろ過)でしたが、年に私が代表に就任し、酸化ガリウムを使った半導体開発に仕切り直しました。年4月に京大桂ベンチャープラザに本拠を移し、年7月に流れる(flow)と知恵・叡智(sophia)の造語で『FLOSFIA』と社名を変えました。様々な知恵が流れ込み、それを磨き上げて社会に流し戻す会社でありたいという意味です」 酸化ガリウムとは何でしょう 「酸素とガリウム(Ga)の化合物です。ガリウムは青色発光ダイオードなどに使われているポピュラーな材料ですが、酸素との化合物、とくにコランダムという自然界に存在しない特殊な構造をした膜をつくることに京大が世界で初めて成功したことからスタートしました。作り方は、ガリウムの原料を特殊な溶媒に溶かし、霧(ミスト)状にして基板に流し込み、霧が基板に降着する寸前に加熱して溶媒を乾燥(ドライ)させ、化学反応を引き起こし、基板上に1㍉の100分の1程度の数㍈の酸化ガリウムの薄膜を合成します。知的財産にはとても力を入れており、我々の製法をミストドライ法と名づけ、国内外で300件超の関連特許を出願済みです。液体を原材料として使えるのでプロセスの自由度が高く、反応温度も高くなりません。低コストでできるのも特長です」 そこから半導体デバイス(電子部品)を作るのですね 「作るのは電気器具に安定した電源を供給するのに欠かせない大きな電流を扱うことができるパワー半導体です。まず材料になる酸化ガリウムをつくり、次に微細加工して電子部品機能を加え、最後に全体の構造を作りこみます。試作品は損失低減の目安となる『特性オン抵抗』の値で世界トップデータを出しました」 何に使うものですか 「身近な例ではパソコンとコンセントをつなぐACアダプター(電圧調整器)があります。ACアダプターは使っていると機器が次第に熱くなりますが、コンセントから入ってきた電力を電子機器に伝えるときに電力のロスが出てそれが熱に変わってしまっているのです。また箱状の形も持ち歩くのに不便ですよね。我々のデバイスを使うと既存のACアダプターより少ない電力ロスで機器も小さくできます。長期的には電力ロスをいま最先端のデバイスの分の1にしていきたいです」 課題はありますか 「売り物になるデバイス開発に取り組んできて、山登りで言えば8~9合目あたりまで来ました。次は量産化です。試作品から製品にして量産化し、世の中の皆様に使っていただきたい。あと一歩です」 主力は半導体のパワーデバイス事業ですか 「今は8割くらいのリソースを半導体に注力していますが、酸化ガリウムを作るために使っているミストドライ法をさまざまな分野に応用する成膜ソリューション事業も進めていきます。金属や高機能セラミックスの成膜など大企業と連携しながら横展開の開発を始めています。半導体以外に2本目、3本目の柱がこのなかから必ず出てくると確信しています」 将来の夢は 「パフォーマンスが高く低コストでつくれる酸化ガリウムは、家電やデジタル機器、クルマや鉄道車両の駆動など世の中で広く使っていただける材料です。年、年後は酸化ガリウム市場を定着させ売上高数千億円、従業員数千人規模の事業をつくりたいです」(1)第1236号2019年3月15日(金曜日)〈毎月、日発行〉講演する高田理事長 「中小企業NEWS」は今号で新聞版を休刊します。デジタル化の一環で、今後はウェブ版に1本化しJ―NETのトップ画面に掲載します。引き続きご愛読ください。触覚センサーの事業化を説明する室山氏 中小機構は3月5日から8日まで、千葉市美浜区の幕張メッセで「中小企業総合展inFOODEX」を開催した。食品・飲料分野の商品を取り扱う中小企業100社の逸品を展示し販路開拓を支援。来場者との商談を通し新商品開発へつなげる場も提供した。今回は平成年7月豪雨、台風号、北海道胆振東部地震で被害を受けた中小企業社を復興応援枠としてブースを新設。会場は初日から新商品を求めるバイヤーで混雑し、担当者らが試食を勧める声が響き、商談が繰り広げられるなど、活況だった。終日にぎわった中小機構ゾーン 同展はアジア最大級規模の食品・飲料専門展示会「FOODEX JAPAN2019」(主催・日本能率協会ほか4団体)の会場内に中小機構の専用ゾーンを構え、自然の恵みや伝統を生かした新商品など中小企業の優れた商品を国内外に発信。テーマを全国100社の美食セレクションをアピールする「うまいものがたり」とし、出展者自慢の逸品を一堂に集めた。 中小機構ゾーンの一角には「うまいものがたりステージ」を設置。希望する出展者が登場し、進行役となるMCの質問に答える形で商品内容や開発経緯などを来場者に説明し、試食を勧めた。 海外バイヤーなど、多くの外国人も来場。中小機構は外国語が飛び交う会場内に各国語に対応する通訳を配置し、海外バイヤーとの商談などをサポートした。 出展製品は、飲料品、加工食品、菓子デザート、食肉製品、惣菜、めん類など。100社のほかに「ふるさと名物応援宣言」として長野県塩尻市と山梨県北杜市の8社も出展した。 試飲と説明を求める来場者の波が途切れなかったのが網走ビール(北海道網走市)。オホーツク海の流氷を仕込水に使用し、天然色素を加えた鮮やかなブルーが特徴のクラフトビールを前面に出し、苦味を抑えたさっぱりした味わいを知ってもらう展開に追われていた。川﨑鉄也常務取締役は「道産の原料のみで瓶ビール5種、缶ビール3種類を生産している。出荷は関東が大半で販売量は右肩上がり。設備増強を検討している。この展示会は輸出の商談が多く、とくに中国からの引き合いが増えている」と語った。 地場産の唐辛子を雪の中にさらした後、すり潰し米糀と柚子、塩を混ぜ3年間熟成させる伝統調味料を展示したのは、かんずり(新潟県妙高市)。400年の伝承されてきた製法を用いて同社が商品化した味は、上品な旨みと辛さ、芳醇な香りが特徴。国内だけでなく海外の料理人からも支持されているという。営業統括の長谷川隆氏は「手間をかけ作り上げた自慢の商品。大手スーパーに納入しているが、さらに知名度を上げていきたい。展示会では当社商品のかんずりと他の食材とのコラボ商品を開発できるきっかけ作りも重視している。気づかなかった提案をいただけることを期待している」と話した。 FOODEX JAPANで行われたイベント企画で女性バイヤーが選ぶ「美食女子」グランプリで金賞に輝いたブリアントアソシエイツ(鳥取市)は、商品コンセプトのピンク一色のブース。大半の来場者が足を止め、中世貴婦人の衣装で着飾った説明員の話を聞いていた。担当の石前智裕さんは「ピンクは幸の色。県産のビーツを使用することでカレー、醤油、出汁、わさびなどをピンクで仕上げた。容器もお洒落にして食卓を華やかにする商品を提供している。鳥取から全国へピンク食材を広げていきたい」と意気込んだ。 中小機構中部本部は2月日、名古屋市中村区のホテルで「中小企業経営者のための経営セミナー」を開催した。今年3月末で任期が終了する高田坦史理事長が登壇し、「ゴーイングコンサーン~今こそ未来に向けたアクションを~」と題して中小企業が持続的に発展するための方策を講演。中部本部と関係の深い中小企業関係者が約人参加した。 高田理事長はまず日本経済の現状について「人口減で生産力や需要が不足し、為替の影響で価格競争力が落ち、効率の悪い生産性が原因で停滞している」と指摘。「人口減と為替はコントロールが難しいが、生産性は取り組み方で十分向上させることができる」と表明した。 そのうえで中小企業が直面している課題として人手不足、生産性の向上、事業承継の3点を挙げ対応策を列挙。人手不足は「女性、シニア、外国人材の活用に加え、若者が住みやすく働きやすい地域づくりが重要」とした。生産性向上では「IoT、AI、ロボットなどを活用する一方、海外など成長市場への進出努力が欠かせない」と語り、事業承継では「後継者の育成に早期に取り組むほか、売上・利益の拡大やSDGs(国連で採択された持続可能な開発目標)への対応で企業価値を向上させることだ」と述べた。 最後に「企業は社会の公器であり、永続させなければならない」との認識を強調。「数値化された目標(Plan)、具体的な行動(Do)、進捗の確認(Check)、適切な見直し(Action)のPDCAを繰り返し行うことでスパイラルアップを図るべきだ」と語った。 東北大学と中小機構は2月日、東京都千代田区の大手門タワー・JXビルで「BIP Meets BUSINESS 求むビジネスパートナー~東北大学シーズマッチング」を開催した。東北大学発のベンチャー企業や同大の研究者8人が、研究開発や事業内容をプレゼンテーションし、東京圏のベンチャーキャピタルや大企業・金融機関関係者らに、資金調達や事業提携、人材採用支援などを呼びかけた。 同イベントは事業化に強い意欲を持つ研究者に一貫した起業支援を実施する東北大のビジネス・インキュベーション・プログラム(BIP)の一環。昨年、仙台で初開催しており、東北大の矢島敬雅理事は「2030年までに東北大発ベンチャーを100社創出するという目標に向け、2回目は東京でマッチングの機会を設けた」とあいさつした。中小機構の堺井啓公理事は来場者に対し「事業が迅速に立ち上がるよう支援をお願いしたい」と呼びかけた。 Blue Practice(東京都港区)は太田信教授(同社取締役)らの研究成果を事業化するため、2月日付で設立されたばかり。医師の手術訓練を支えるセンサー組み込み生体質感モデルを開発し、従来のシリコーンでは不可能な「ぬめり感」を再現した。鈴木宏治代表取締役は「当初は血管の疾患関連から手がけ、軌道に乗せたい」とアピールした。 パンソリューションテクノロジーズ(仙台市青葉区)は、藩伍根研究員(同社取締役)が開発した太陽電池用シリコンウエハーの新しい品質検査技術を紹介した。従来は太陽電池セルにして品質を判断していたが、その前段階であるウエハーの状態で検査し良品のみをセル化できるため、製造コストが削減できる。松島悟CEOは「インドと中国のメーカーに販売しており、3年後に億円の売上高を目指す」と述べた。 室山真徳准教授は、ピッキングロボットに皮膚感覚を与えて不定形物の自在な操作を可能にする技術を提案。多数のセンサーを制御する専用LSIを集積化した触覚センサーで皮膚感覚を作り出し、産業用だけでなく介護分野などの自動化を実現する。2019年中に会社を設立する予定で、「価格は1セット~万円程度を想定している」と語った。 このほか、超音波による誤嚥センサーを開発した原陽介リサーチフェロー、咀しゃく機能の回復を目指した骨再生医療を手がける齋藤正寛教授、イオン交換樹脂法で健康機能成分を製造するファイトケム・プロダクツ(仙台市青葉区)の加藤牧子代表取締役、新規金属錯体を用いた炭素複合触媒・触媒電極を開発する藪浩准教授、ブロックチェーン技術を用いて安全性と実用性を両立したプラットフォーム開発に取り組む酒井正夫准教授が説明した。

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