20170115
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「稼ぐ力」強化に全力独自支援企画も積極展開インフォメーション被災3県のグルメ、仙台に集結「みちのく いいもん うまいもん」中小機構社参加、商談件大手ゼネコン商談会中小機構関東ロボット関連で件の商談大手メーカー商談会産学連携成果を報告若者の視点 経営に活かす中小機構中  部村松清孝・中国本部長 広島の自動車、岡山の水島工業地帯はじめ産業に占める製造業の比率が高い中国地方。折り返しを迎えた中小機構の第3期中期計画達成に成すべきことは…。昨年7月に着任した村松清孝本部長は、中小企業の「稼ぐ力」の強化が必要と考え、具体策を中国本部の独自企画を交えて明かす。 同本部は、3法認定事業者の新商品販促戦略をブラッシュアップする「虎ノ門サポート会議」の中国版を「商品力向上会議」と銘打ち、2015年に開始した。 認定事業者はバイヤーらサポートチームのアドバイスを参考に商品を改良し約2カ月後、サポートチームに再び意見を求めて完成品に仕上げていく。村松本部長は、「OEM受託体制からの脱却で立ち上げた自社ブランド商品が、バイヤーの助言で大口のOEM取引先減少分を補うまでに成長したケースがある」と実績を振り返る。 人口減少から内需に限りがある日本にあって、中小企業の海外展開は避けられない情勢。本部長は、「国内知名度を上げてから海外に進出した方が効果的」と考え、インバウンド・海外展開促進プロジェクトを展開している。 ホテルや旅館、セレクトショップなどとのビジネスマッチングで商品を置いてもらい、訪日外国人向けの販路を開拓していくプランだ。国際線の機内誌に紹介記事などを掲載して情報を拡散する取り組みも支援していく。 「第回お客様懇談会」=写真=では、地域の中核企業に業容を拡大してきた過程や、難局の打開策などを語ってもらうことで、中小企業が中核企業になるための仮説を検証する会とした。招聘企業の一社、アンデックス(広島県尾道市)は、造船不況を乗り越えるため、市場拡大が続く自動車関連に目を向け、板金業者用の塗装設備を開発、塗装・乾燥・換気システムで国内トップシェアを誇る。現在では新幹線、飛行機などの塗装設備に用途を拡大。さらに、携帯ショップ、ファストフードのFC展開、スポーツサイクルなど新分野にも積極的に進出している。本部長は「中核企業には、大きな難局を乗り越えた経験則が企業発展につながっている共通項がある」と成長の鍵を分析する。 中国本部ではこの他にも先進的な取り組みを行っている。ジェグテックの登録企業と新連携認定事業者の新たな可能性を拡大するため、「ジェグテック×新連携事業者交流会」を昨年8月に開催した。「連携実績を多数持つ東成エレクトロビームの上野保会長を講師に招き、新製品開発事例を話してもらった。中小企業同士の交流で新たな商談も生まれた」と成果を語る。 創業支援計画の認定を受けた自治体はほぼ全て訪問し、創業支援で抱える課題を吸い上げている。「支援担当者の悩みは、創業希望者の発掘と創業後のフォローアップスキルの不足。対策としてTIPSのワークショップの手法を自治体に伝えていく」という。 中国本部と中小企業大学校(広島校)が近距離にある地の利を生かしたハンズオン支援事業と研修事業との連携も進めている。経営管理者コースの受講者のうち約4割が後継者だ。「次期経営者に機構の支援ツールをよく知ってもらうことは、企業発展にも有効だろう」と大学校との相乗効果に期待している。 本部長は、「中国エリアの中小企業が中核企業に成長するよう貢献したい」と語る。職員には「楽しく仕事をしよう」と呼び掛け、コミュニケーションも怠らない。(4)第1184号平成29年1月15日(日曜日)■中企庁と中小機構、「経営力強化フォーラム」全国5都市で開催 中小企業庁と中小機構は1月下旬から2月初めにかけて、全国5都市で「中小企業・小規模事業者経営力強化フォーラム」を開催する。収益改善や業務効率化などに役立つほか、消費税軽減税率制度導入などで変わる経営環境についても学ぶ。参加費は無料。 開催都市と日程、場所は次の通り(時間は仙台会場が午後3時分~5時分、それ以外は午後3時~5時分)。 ▽名古屋=1月日(TKPガーデンシティ名古屋新幹線口) ▽仙台=1月日(TKPガーデンシティ仙台) ▽大阪=1月日(TKP新大阪カンファレンスセンター) ▽東京=1月日(TKPガーデンシティ渋谷) ▽福岡=2月3日(TKPガーデンシティPREMIUM博多駅前) 問い合わせ=同フォーラム事務局(☎03・6418・7597) 詳細はホームページ(http://keieiryoku.smrj.go.jp/)から。■「彩の国ビジネスアリーナ」、2月1、2日に開催 埼玉県産業振興公社などが主催する「彩の国ビジネスアリーナ」が2月1、2の両日、さいたま市のさいたまスーパーアリーナで開催される。「未来を創る技術・製品・サービスの彩典」をスローガンに、中小企業の受注確保、販路開拓、技術力向上などを目的とした展示商談会。講演会や産学連携フェア、ベンチャー企業との出合いの場なども同時開催される。 詳細はホームページ(http://bizmatch-j.or.jp)から。■大田区の技術展「おおた工業フェア」、2月2、3日に開催 東京都大田区産業振興協会などが主催する第回高度技術・技能展「おおた工業フェア」が2月3、4の両日、同区の産業プラザPiOで開催される。同区の優れた技術や技能をアピールし、新たな技術や発注先との出合いの場。専門家による講演やセミナー、ガイドツアーなどのイベントも行う。 詳細はホームページ(http://www.pio-ota.jp/k-fair/21/)から。 中小機構関東本部は昨年月日、大手ロボットメーカー・ジェグテック商談会と同時に、「大手ゼネコンジェグテック商談会」も開催した。ジェグテックに登録している中小企業間の受発注、調達・販売、技術連携などの商談の場となる「中小企業商談会」も併催。ゼネコンジェグテック商談会と合わせた2件の商談会に、計社の中小企業が参加し、件の商談を展開した。 商談会に参加した大手ゼネコンは、大成建設と西松建設の2社。西松建設が希望した商談分野は、砂状改質土壌改良剤、有孔管・膜、屋内三次元測位技術、銀ナノ粒子の4項目。大成建設は、泥水シールド技術、空気環境対策などの技術系から各種システム、材料の調達まで広範な項目に及んだ。 新東北化学工業(仙台市青葉区)が展開している天然ゼオライトを素材に使った呼吸性建材は、貴重な美術品や資料などを劣化させる空気中の微量なアンモニアなどのガスを吸着するという。松本浩代表取締役は、「当社がゼオライト建材以外にシート状の吸着材を開発していることなども説明し、新製品の共同開発まで提案できた」と話し、好感触を得た商談会を振り返った。 IJR(川崎市高津区)の戎章夫代表取締役は、揮発性有機化合物(VOC)をPPB単位(1PPBは億分の1)で処理したいとする大成建設に、独自開発した触媒によるVOC分解技術を提案した。IJRの触媒は、材料に二酸化チタンを用いた1粒約0・1㌘の素材。ナノサイズの微粒子を集めて隙間ができるように固めてある。環境改善の対象となる空間に適量を置くだけでVOCを水と二酸化炭素に分解するという。戎社長は、「触媒の構造とVOC分解のメカニズムは理解してもらった感触はある」と手応えを語った。 中小機構関東本部は昨年月日、東京・虎ノ門の同機構本部で「大手ロボットメーカー・ジェグテック商談会」を開催した。参加した大手企業は川崎重工業。産業用ロボットの製造や、さまざまな産業分野へのロボット導入に向けて研究開発を進めている同社とのビジネスマッチングには、中小企業社が参加し、件の商談を展開した=写真。 昨年6月の「日本再興戦略2016」では、2020年までに日本のロボット市場規模を製造分野で1兆2000億円(年5901億円)、非製造分野で1兆2000億円(同5037億円)に引き上げる目標が掲げられた。製造現場だけでなく、医療・介護、インフラ、災害対応、サービス、建設、農業などさまざまな分野で活用が期待されている。 川崎重工は、①産業用ロボットにおけるシステムインテグレーション(設計、開発など)分野での連携②産業用ロボットの周辺機器、設備などの調達、取引、共同開発③新分野での活用における事業連携、共同開発④医療、介護、インフラへの導入に向けた用途提案、共同開発―の4分野で商談を希望した。 商談会で同社は、オートメーションシステムから産業用コンポーネント販売まで幅広く総合エンジニアリングを展開しているサンリツ(栃木県那須塩原市)に、栃木県内で川崎重工が受注するシステムインテグレーション業務の請負とロボット導入システム構築案件の2件を提案した。飯笹浩之・サンリツ代表取締役は、システムインテグレーター認定と事業案を同時に受け、「有意義な商談になった」と好感していた。システム構築には「川崎重工のロボットの性能や特性を理解するなど十分な準備が必要」と述べ、次回以降の面談で情報交換を重ねる。 今回は商談会に合わせ、AI(人工知能)とIoT(モノのインターネット)との連動による産業用ロボットの新たな可能性や新分野への展開、中小企業での活用に関する「産業ロボットの活用による新分野展開、ロボット活用の可能性について」と題したセミナーも開催した。 新たな分野でのチャンスをつかもうと、医療、建設、航空関係の中小企業経営者ら約140人が、講師を務めた真田知典・川崎重工業ロボットビジネスセンター営業企画部副部長の説明に聞き入った。 真田氏は、日本の人口減少に伴う労働力不足を補うツールとして産業用ロボットは有効としたうえで、中小企業にはシステムインテグレーターとしての参入余地があることを示唆した。 ロボットの設計・製造事業にはメーカーとしてのメンテナンス責任が伴うため、全国に広がる導入企業の近くに地域拠点を構える企業体力が必要である。ロボットのシステムインテグレーション事業は、エンジニアリングやソリューション事業の延長上として可能性がある。真田氏はこうした実情を踏まえ、メーカーである大手企業と、ソリューション技術などを持つ中小企業との連携によって、市場シェアの獲得を進める考え。 システムインテグレーターは、ロボット導入を検討することが難しい事業者も多い中で、労働環境改善や作業自動化に向けたロボットシステムの構想・設計・導入プラン構築を担う新たな事業領域。 真田氏は、「老朽化が進んだインフラの目視点検や補修、人間には作業が困難な災害対応、医療分野などへのロボット導入余地は大きい」などと述べ、中小企業に対してロボット関連産業への参入を促した。 商談会、セミナーに加え、中小企業の秘密保持契約など知財関係手続きに関する悩みに応じる「弁理士相談会」も併催。約社が訪れ、大手企業と連携する際の注意事項などを確認していた。 中小機構中部本部は昨年月日、金城学院大学、名古屋文理大学、愛知県立芸術大学との共催で実施してきた「コミュニケーションデザイン支援事業」の最終報告会を名古屋市中村区の名古屋国際センターで開催した。同事業は中小企業のマーケティング課題の解決と学生へ学びの場を提供することを目的として、全日本シーエム放送連盟の後援を得て実施した。最終報告会では学生が約半年にわたって取り組んだ成果が発表され、関係者約人が参加した。 着物やウエディングドレスなどのレンタル事業を展開する二幸(愛知県犬山市)を担当した金城学院大学の学生は、多くの観光資源を有する犬山市全体を撮影スタジオとして活用するという女子大生ならではの視点からとらえ直し、写真アプリのインスタグラムなどで話題にしてもらうことにより、同社の着物レンタルを増やすプロモーション企画を提案した=写真。 また、名古屋市内の店舗で取り扱うパーティードレスのレンタル増加に向けては、男性が女性にドレスレンタルをプレゼントするという企画を提案し、同日から商品の販売を開始したことを報告。 名古屋文理大学の学生は、農業用衣料やユニホーム製造を行う丸福繊維(愛知県西尾市)の自社製品「ヤケーヌ」のプロモーションアイデアを発表した。日焼け防止マスクとして優れた特徴を持つ同製品はこれまで、夏場の農作業やガーデニング向けに販売されているが、野外フェスやスポーツ観戦に行く女性、ウインタースポーツなど新たな活用シーンを提案し、それを表現するオリジナルのキャラクターやウェブサイトのコンテンツなどを提案した。 外壁用タイルなどを製造する日東製陶所(岐阜県多治見市)を担当した愛知県立芸術大学の学生は、需要が減少しつつあるタイルの新たな可能性を模索し、光を透過するタイルやモザイクタイルによるアートを気軽に楽しめるキットなどを実際に制作して発表した。また、雨風に強く、美しいタイルの良さに触れる機会が減ったとして、タイルを使ったギフトを考案したほか、日本一の生産量を誇る多治見市をタイルで活性化するプロモーション企画なども提案した。 報告を受けた3社とも、「会社の会議では出ない若者ならではの斬新で柔軟な発想を得られた。これからの事業活動につなげたい」などと支援事業を振り返った。 中小機構は昨年月日から日まで、仙台市青葉区の藤崎百貨店本店で、東日本大震災で被災した中小企業などの販路開拓支援を目的とした物産展「みちのく いいもん うまいもん」を開催した。岩手、宮城、福島のみちのく3県が誇る絶品グルメや工芸品を集めた復興支援イベントは今年度3回目。社が出展した自慢の逸品約430点を集めた会場は、多くの来場者で活況を呈した=写真。 ブルーベリー農園を経営する門前おくでら(岩手県遠野市)は、同園産の完熟ブルーベリーのみを使用した「そのままブルーベリー」濃縮ジャムタイプを出展した。奥寺恵里子氏は「砂糖や食品添加物を一切使用しないで加工した。商品の良さをお客さまに伝えたい」と、商品特性を説明。初出展のため「売り方で分からない部分はアドバイザーの指導を参考にした」と話す。 だんごいち福(仙台市)は、宮城県産のササニシキのみを使用した「仙臺七福だんご」を出展した。岩間隆司氏は、「来場者にこだわりのタレやあんを塗付するところを見せられる」と、実演販売を行った。鈴畜中央ミート(福島県郡山市)は、「味噌引き和紙つつみ製法」で仕上げた福島県産豚の味噌漬け「極熟香味和紙包み大沼亭シリーズ」を出展。大沼由弘代表取締役専務は「パッケージなども改良できた」と、支援の成果を話した。 会津桐たんす(福島県三島町)は、多摩美術大学の学生が桐箪笥の引出をモチーフにデザインしたという「押出式茶筒『茶綾』」を展示。佐瀬文夫氏は「国立博物館の文化財などを収納する箪笥や箱も製作している」と説明し、桐や商品の良さを伝えていくことに意欲的だ。 同展は、岩手県、いわて産業振興センター、宮城県、福島県などが共催し、中小企業庁、東北経済産業局、近畿経済産業局などが後援した。今年度は京都(大丸京都店)、東京(西武百貨店池袋本店)と相次いで開催し、3カ所目となるこの仙台会場で閉幕となった。また、1月9日から4月2日までの約3カ月間、ザ・ガーデン自由が丘池袋店(西武百貨店池袋本店)で同展の出展企業を含む3県約社のテストマーケティングを実施し、各社の商品開発も支援している。

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