20160901
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東京の成長企業 社が集結展示商談会「中小企業市」開催都中小企業振興公社 設立周年記念開拓余地大きい越境EC高杉透・中小機構販路開拓支援チーフアドバイザーに聞く見せ方・売り方の変化敏感に月6日まで応募受付中次世代担う起業家を募集開始賃金引き上げ支援策拡充中小機構などにも相談窓口モバイル、AIの未来を展望・虎ノ門セミナー (面)女性登用により変わる企業の景況感・景気動向 (面)農商工連携事業マッチング会開催・中小機構近畿 (面)「自分ごとプロジェクト」始動・中小機構四国 (面)◆4◆ 消費者向けeコマース(電子商取引)市場は、右肩上がりの伸びが続いている。経済産業省が6月に発表した「電子商取引に関する市場調査」によると、2015年の消費者向け国内市場の規模は、・8兆円(前年比7・6%増)と高い伸びを示した(グラフ参照)。中小企業、小規模事業者の新たな販路、起業家のツールとしてeコマース活用は広がりを見せる。どのように立ち上げ、成功に結び付けるのかについて最新動向を踏まえ、高杉透・中小機構販路開拓支援チーフアドバイザーに聞いた。 eコマースの市場拡大をどのように見ていますか。 「パソコン1台で場所も時間も関係なく、思い立った時にビジネス化できるスピード感や店舗が不要なローコストなどがeコマースの魅力といえるでしょう。消費者にとっても手軽に商品を買える利便性が市場を拡大させてきました。拡大傾向は今後も続くと思います。ただ、これまでうまくいっても、それが続くとは限りません。例えば配送料金が変更されたことで、同じやり方では物流コストが利益を消す懸念があります。消費者ニーズも一定ではなく変化していきます。見せ方、売り方などは、常に流れを敏感にキャッチしていく姿勢が大切です。市場拡大に安堵感を持たず、大手ショップにはできない、ひと手間を加える工夫などが成功の秘訣といえます」 独自ドメインか、費用や制約を伴うが大手モールでの展開にするべきなのか。 「多様な展開があるので一概には言えません。ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)や口コミなど自分で集客できるなら独自ドメインでもいいと思います。ただ、脆弱なシステムだとハッキングの危険もあるので、システム選びは慎重さが必要です。モールに出店する場合は、このような心配は少なくなります」 集客手法に変化はありますか。 「ここ数年の傾向として、ネットショップなどのオンラインから実店舗のオフラインへと顧客を誘導するO2O(オンライン・トゥ・オフライン)を展開する店舗が増えています。スマートフォンの普及とSNS連携などが背景です。新たなシステムも開発され中小企業でも手軽に活用できます。実店舗で使える割引クーポンをネット上で発行するなど多様な手法があり、eコマースの新たな展開といえるでしょう。商店など販路開拓を目指す小規模事業者などに有効だと思います」 eコマースを始めるには、どの程度のITスキルがあればいいのですか。 「普通にパソコンを操作できれば十分です。画像ソフト、HTMLなどの記述言語を扱えればより良いのですが、人には向き不向きがあるので、チャレンジして限界を感じるようなら、外注すればいいだけ。ネット上での商品の見せ方は、魅力を感じるサイトを真似ることから始めていい。ただしこの時に注意すべきことは、画像転用など著作権に触れていないかを確認すること。モラルに反することも厳禁です」 越境ECの展望は。 「これから成長する市場であり、開拓余地が大きい。チャレンジするにはホームページの2カ国語対応は必須で、より海外比重を高めるのなら対象国のネイティブな人を採用するのが望ましいでしょう。海外展開で重要なのは情報です。中小機構は海外各国の市場調査を詳細に伝える「海外ビジネスナビ」(http://biznavi.smrj.go.jp/)をホームページに載せています。これらを参考に日本の商品をどんどん海外に売り込んでほしい」 たかすぎ・とおる 年からネットショップに関わり、年インテリア家具の卸会社で月商9万円を1億円に伸ばし年から2年連続で大手通販サイトのショップ・オブ・ザ・イヤー獲得。年7月ECコンサルティングのECマインド設立。代表取締役に就任。年から中小機構販路開拓支援アドバイザーを兼務。東京都出身。歳。(1)第1175号平成28年9月1日(木曜日)〈毎月、日発行〉 東京都中小企業振興公社は、7月、の2日間、東京都台東区の都立産業貿易センター台東館で「未来を担う東京の中小企業市」を開催した。今年7月に設立周年を迎えた記念事業の一環として、成長する都内の優れた中小企業100社が集結した展示商談会に加え、講演、セミナーなど先進的な内容を網羅。会期中は別会場で東京の伝統工芸士展やタイ優良企業との交流会、ビジネスマッチングなど多彩なイベントも繰り広げられた。2日間で約2000人が来場した。 中小機構は、革新的かつ潜在成長力の高い事業や地域活性化に資する事業を行う、志の高い起業家を表彰する「Japan Venture Awards(JVA)2017」の受賞候補者の募集を始めました。募集期間は月6日までです。厳正な審査で選ばれた受賞者は来年2月6日に東京・虎ノ門の虎ノ門ヒルズで開催する表彰式で発表・顕彰されます。 同表彰制度は、リスクを恐れずに新事業創出や市場開拓に挑む、優れたベンチャー企業等の経営者を発掘し、ベンチャー企業経営者のロールモデルとして表彰することで、広く社会に周知を図り、次世代を支える新事業や経営者の育成を図ることが目的です。今回で回目を数え、経済産業大臣賞、中小企業庁長官賞、中小機構理事長賞、東日本大震災復興賞、JVA審査委員会特別賞が予定されています。 募集対象は、創業後おおむね年以内(第2創業含む)で、高い志を持ち、自立する中小企業の経営者または代表者(NPO法人、合同会社なども含む)です。 審査基準は、事業の新規性・革新性、成長性・将来性、経営者の資質、社会性・地域性などです。これまでに、世界で初めてミドリムシの大量培養に成功したユーグレナの出雲充代表取締役社長ら著名な起業家を多数輩出しています。詳細と応募要項は公式サイト(http://j-venture.smrj.go.jp/)で。 同公社の周年記念事業は、今年1月末に記念イベントとして利用企業が要望などを発信する場や、都内の中小企業の可能性をテーマにした講演などが行われた。今回の中小企業市は、これに続く第2弾。 成長分野に取り組む都内の中小企業100社の展示商談会は、「機械・金属」「医療・健康」「IT」「危機管理・防災」「環境・エネルギー」の5つのテーマに分かれ、各出展社は自慢の製品や技術を来場者にアピールした=写真。講演会、出展企業4社によるパネルディスカッション、プレゼンテーション、講演のほか、5つの併設イベントが行われるなど、今後の市場拡大が見込める分野への取り組みが分かる内容となった。 中小企業市について、同公社企画管理部企画課の保坂和彦課長は「当公社の事業に携わってきた中小企業や関係機関への感謝を表すイベントとして、毎年開催している展示会、年4回の商談会をスケールアップして実施した。中小企業の力を結集し、新たな価値創造へつないでいくことを目的としている。優れた技術を有する東京の中小企業をPRし販路開拓に貢献していきたい」と話す。 機械・金属ゾーンに出展した米山製作所(瑞穂町)は、ウオータージェット加工で製造する製品を展示し、来場者の目を引いていた。加工だけでなく水圧で切断する技術が見もので、4分の1にカットしたゴルフボールは中心部の構造がよく分かり、半分に切断したカメラレンズも多くの人が手に取り、切断法などを質問していた。「水で切るので、素材の温度を変化させることがない。硬さ柔らかさに関係なく加工できるのが特徴だ。この技術を知らない人が多く、大いにアピールできた」と米山俊臣代表取締役は手応えを語る。 ステンレス製のテーブルや容器など既製品にはない単品製作専門の板金加工を手掛ける今野製作所(足立区)は、手作りの製品を並べ、オンリーワンの技術を誇示していた。とくに独自開発の下肢障碍者向け「着脱式手動運転補助装置」には説明を求める人が絶えなかった。これに加え、自社作業で必要になり開発したという「爪つきジャッキ」も注目を集めた。「受注中心から量産品を増やしていく方針だ。海外にも販路を広げていく」と同社企画部の高倉悟主査は営業で攻勢をかけるという。 最終日午後には、別会場で発注企業社、受注企業社が参加する商談会が行われ、160件の商談が繰り広げられ、会場は熱気に満ちていた。商談時間は1回分だが、発注側のニーズに対して受注側が具体的な提案を行う事前マッチング方式としたことで、「短時間だが成約率は高い」と同公社の担当者は胸を張る。 経済産業省は、厚生労働省と検討してきた最低賃金引き上げに伴う支援策について、厚労省の助成措置を公表した。それによると、「キャリアアップ助成金」の支給要件の緩和や手続き簡素化、3%以上の賃金改定を行った場合の助成額加算のほか、「業務改善助成金」を支給する。これら支援策に関する相談窓口として、これまでの商工会議所などに加え、中小機構の全国カ所の地域本部なども追加した。 7月末に厚労省の中央最低賃金審議会で平成年度の地域別最低賃金額を全国加重平均で前年比円増、率にして3%の引き上げが答申された。これに伴い、都道府県ごとに設置されている地方最低賃金審議会で地域別最低賃金引き上げが審議され、8月日までに全国平均の引き上げ額が前年度比円増の823円(時給)と、初めて800円台となることが決まった。今回の支援策拡充は、最低賃金引き上げに向けた環境整備の一環。 キャリアアップ助成金は、有期契約労働者や短時間労働者、派遣労働者などのいわゆる非正規労働者のキャリアアップを促進するため、正社員化、人材育成、処遇改善を行った事業主に対する助成制度。支給要件の緩和と申請手続きの簡素化では、キャリアアップ計画書の提出期限はこれまで実施1カ月前までだったが、これを実施日までに変更。また、従来は改定前の賃金規定などを3カ月以上運用していることが支給条件だったが、これを過去3カ月の賃金実態からみて2%以上増額していることが確認できれば支給対象となる。 さらに、中小企業が基本給の賃金規定などを3%以上増額し、昇給した場合、助成額を増額する。例えば、すべての賃金規定を改定し昇給したときには、現行の助成額に1人当たり1万4250円を加算する。加算措置の対象は、8月日以降に昇給した事業主。 一方、業務改善助成金は、中小企業の生産性向上を支援し、事業場内の賃金引き上げを図るための制度。支給の要件は、事業場内で最も低い時間給800円未満の労働者の賃金を円以上引き上げる計画を作成するほか、生産性向上のための設備・器具を導入することなど。支給額は、常時使用する労働者数が人以上の企業の場合、業務改善に要した経費の2分の1、人以下は4分の3で、いずれも上限は100万円。 これらの支援策を周知させるため、昨年7月に全国の商工会議所、商工会、中小企業団体中央会、経済産業省の各地方経済産業局に設けた相談窓口について、新たに中小機構の地域本部、全国のよろず支援拠点、全国商店街振興組合連合会にも設置した。加えて、全国の日本政策金融公庫、沖縄振興開発金融公庫、商工中金、信用保証協会に「賃金水準上昇対策特別相談窓口」を設けた。

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