20160715
3/4

事業を次代に継ぐ事業引継ぎ支援センターの役割■3■高知県後継者&中核人材に照準「あきらめる前に相談を」中国市場進出を後押し商談会開催 中小企業社が参加中小機構関東健康・医療ファンドに中小機構 億円を出資平成年厚生労働省毎月勤労統計調査特別調査にご協力ください経営後継者研修で承継を決意中小企業大学校東京校 事業承継セミナー「あきらめの境地の経営者にエントリーしてもらいたい」と話す山本氏㊨と同センターの吉岡裕之・統括責任者補佐【高知県事業承継・人材確保センター】▽所在地=高知市本町2―2―、畑山ビル内(☎088・855・7748)▽統括責任者=山本正孝氏▽平成年度(年4月~年3月)相談件数=107件 「高知県では人口も事業所も減少している中で、中小企業の後継者難と中核人材の不足が顕在化している。後継者と中核人材の2つの課題解決を一緒にやろうというのが当センターだ」―。高知県事業承継・人材確保センター(高知市)の山本正孝・統括責任者は、取り組むべきミッションをそう説明する。 「高知県事業引継ぎ支援センター」の顔も持つ同センターは、昨年4月、高知県の委託を受けた高知商工会議所が設置主体となって発足した。事業承継グループ、人材確保グループおよび総務・企画・広報部門の3つのグループ・部門のもとで総勢人が働いている。 昨年7月、高知市で行われた同センター・グランドオープン記念講演会には尾崎正直・高知県知事も駆けつけ、県がセンターに寄せる期待の大きさを表した。 高知県の「休廃業・解散件数÷倒産件数」の数値は4・で、全国平均の2・と比べ大幅に高い。経営者平均年齢は全国で5番目の・5歳に達し、全国平均の・2歳を1歳以上も上回る(いずれも2015年帝国データバンク調査)。 2つを突き合わせると、後継者難から経営者交代(事業承継)が遅れ、休廃業を余儀なくされる中小企業が少なくないといった高知県の実情が浮き彫りになる。併せて、中核人材が不足していることもデータから推察される。 こうした状況を踏まえ、中小企業の後継者難および人材獲得難に対応する地域拠点として同センターが立ち上がった。センターでは、東京にも2人の駐在スタッフを置き、東京から高知へのUターン、Iターンを促す活動に力を入れるなど、後継者と中核人材の〝候補生〟を広く物色しているところだ。 同センターの事業引継ぎ支援に関する実績をみると、オープンから今年6月末までのカ月間の総相談件数は140件ほど。うち、第三者、従業員、親族内のいずれかへの引継ぎが図られた案件は7件に達する。 そのうち、従業員へのバトンタッチとなった工務店のケースでは、センターの助言に基づいて税理士が事業承継計画を策定。計画に従って代表権が移譲され、今後、数年かけて株式譲渡を進めていく運びにある。計画策定時には「他県に先駆けて設けられた高知県の補助金制度が使えることをアドバイスし、制度を活用してもらった」(山本統括責任者)という。 地元金融機関のOBで、地域の企業動静に詳しい山本氏は「センターに相談に来るのは氷山の一角。『オレの代で終わりだ』とあきらめの境地に達している年配の企業経営者が水面下にたくさんいる」とみており、「あきらめの境地の方々には、何はともあれ、まず当センターにエントリーしていただきたい」と呼びかける。 山本氏がエントリーを呼びかけるのは、センターへの相談の内訳が、譲受希望(買い)の件数が譲渡希望(売り)を上回るなど〝買い意欲〟が思いのほか旺盛なためだ。同センターでは、その要因を①本業を大きくしたい②将来を見越し多角化を図りたい③地域社会になくてならないものを守るのが地元企業の務め―など、さまざまなニーズが「買い」サイドにあるからだと分析している。   こうした背景から、エントリー(売り)を促せば、売りと買いの出会いが増え、ひいてはマッチング件数の増加につながると見込んでいる。同センターでは今後、エントリー促進に向けたさまざまな普及啓蒙活動に力を入れていく。 併せて重点的に取り組むのが、センター事業に、いわゆる士業のメンバーを巻き込むための活動だ。同センターでは「センターや士業、金融機関がバラバラに動くのでは成果は上がらない。とくに地方都市では、連携体制の整備・確立が欠かせず、士業の果たす役割は大きい」(山本氏)とみて、士業への働きかけを強めていく。☎0166-65-1200☎022-392-8811☎0256-38-0770☎042-565-1192☎0561-48-3401☎0790-22-5931☎082-278-4955☎0949-28-1144☎0966-23-6800厚生労働省大臣官房統計情報部雇用・賃金福祉統計課 厚生労働省は、平成年7月日現在で常用労働者を1~4人雇用している小規模事業所の賃金、労働時間及び雇用実態について、全国及び都道府県別に明らかにすることを目的に「毎月勤労統計調査特別調査」を実施します。 調査対象となるのは、農業、林業、漁業、家事サービス業、外国公務及び一般公務を除く事業所です。調査結果は、小規模事業所の実態を示す資料として最低賃金の改定審議などに使用します。 調査対象となる事業所には、8月から9月にかけて統計調査員が訪問し、調査事項についてお聞きした内容で調査票を作成します。調査対象に選ばれた事業所の皆さまには、調査へのご理解とご回答をお願い致します。○調査目的 常用労働者が1人以上4人以下の事業所の雇用、給与及び労働時間の実態を明らかにして、毎月実施している常用労働者5人以上の事業所に関する「全国調査」及び「地方調査」を補完するとともに、各種の労働施策を円滑に推進していくための基礎資料とします。○根拠法令 統計法(平成年法律第号)。国の重要な統計調査である基幹統計調査として、年に1回実施しています。○抽出方法 経済センサス調査区を基に作成した毎勤特別基本調査区を母集団として、層化抽出により2500調査区を抽出します。○調査事項 ①事業所名②主要な生産品の名称または事業内容③調査期間④企業規模⑤常用労働者数⑥常用労働者ごとの以下の事項(▽氏名及び性▽通勤・住込みの別及び家族労働者であるかどうかの別▽年齢及び勤続年数▽出勤日数及び通常日1日の実労働時間数▽決まって支給する現金給与額▽特別に支払われた現金給与額) ○調査時期 平成年7月日現在(給与締切日の定めがある場合には、7月の最終給与締切日現在)の状況について、平成年8月及び9月に調査します。特別に支払われた現金給与額については、調査を実施する年の前年の8月1日から、調査を実施する年の7月日までの期間を対象とします。○調査結果 平成年月上旬に公表する予定です。○調査対象 日本標準産業分類に基づく大産業〔「鉱業・採石業・砂利採取業」「建設業」「製造業」「電気・ガス・熱供給・水道業」「情報通信業」「運輸業・郵便業」「卸売業・小売業」「金融業・保険業」「不動産業・物品賃貸業」「学術研究・専門・技術サービス業」、「宿泊業・飲食サービス業」「生活関連サービス業・娯楽業」(その他の生活関連サービス業のうち家事サービス業を除く)「教育・学習支援業」「医療・福祉」「複合サービス事業」「サービス業(他に分類されないもの)」(外国公務を除く)に属する、1人以上4人以下の常用労働者を雇用する事業所です。 ただし、船員法(昭和年法律第100号)に規定する「船員」は、除外します。 調査区域に所在する事業所のうち、調査対象産業に属し、平成年7月末現在(給与締切日の定めのある場合は7月の最終給与締切日)の常用労働者数が、1~4人であるすべての事業所を調査します。 ※統計調査員は、知事が任命した公務員であり、統計調査員証を必ず携帯しています。調査事項を外部に漏らすこと及び統計以外の目的に用いることは、統計法で固く禁じられています。ご多忙のこととは存じますが、調査の重要性をご理解いただき、ご協力を賜りますようお願い致します。問い合わせ先 厚生労働省大臣官房統計情報部雇用・賃金福祉統計課毎勤第一係、電話(5253)1111(内線7605)(3)第1172号平成28年7月15日(金曜日) 中小機構が運営する中小企業大学校東京校(東京都東大和市)は6月日、同校で事業承継セミナーを開催した。セミナーでは、宝建材(埼玉県川口市)の菅谷幸行取締役が「事業承継の現実について」のテーマで、自身が家業を継ぐ決意を固めるまでの軌跡を語った=写真。併せて、事業承継に詳しいコンサルタントが「これならうまくいく!事業承継の勘どころ」と題して講演した。中小企業の経営者、後継者ら約人が参加し、講師の話に耳を傾けた。 菅谷取締役は、父親が創業した住宅・建築資材卸の宝建材について「共働きのため、学校行事にも来なくて喧嘩が絶えない両親を見て『会社なんかなくなってしまえ』と子供心に思った」と振り返る。ところが「高校2年の時、ある事件が起こって母親からSOSを発せられたのを機に、家業を継ぐ気が、0%からいきなり100%になった」と説明。 また、父親に言われて東京校の経営後継者研修を受講し、その際、「自社の沿革、経営理念分析のカリキュラムで宝建材を分析対象にしたのが大きな転機となった。創業者の苦労が初めて分かり、会社の価値を次世代に残すのが使命だと思うようになった」と、事業承継の決意を固めるまでの道筋を話した。 一方、「事業承継の勘どころ」を解説した坂本篤彦・ビジネス・コア・コンサルティング代表は「後継者への承継を促すキー・ファクターは、事業そのものの魅力づくりと、後継者の能力磨き―の2つ。事業の魅力を増すにはビジョンとミッションを明確にすることが欠かせない」としたうえで、「次代への布石としては第2創業が有力であり、既存製品による新市場の開拓か、既存市場への新製品の売り込みが中小企業における第2創業の大原則だ」と力説した。 中小機構は6月日、健康・医療事業分野投資促進事業(中小企業成長支援ファンド)で、そーせいコーポレートベンチャーキャピタル(東京都千代田区)を無限責任組合員とする投資事業有限責任組合に中小機構からの出資分として億円を出資することで合意し、組合契約を締結した。 同事業の公募に対して応募があったもので、総額億円のファンド規模となる。 出資するのは、「Sosei RMF1投資事業有限責任組合」。同ファンドは、政府が育成に力を入れるなど次世代産業として有望視されている再生医療分野を発展させるため、有望企業に投資し、ハンズオン支援を通じて投資先企業を育成し、企業価値の向上を目指す。 そーせいコーポレートベンチャーキャピタルは、バイオ医薬品企業であるそーせいグループの子会社として平成年5月に設立。そーせいグループの創薬分野における研究開発や事業活動の経験とノウハウを生かして投資するベンチャーキャピタル。 中小機構関東本部は6月日、東京・虎ノ門の本部会議室で、中国での取引ルートを持ち、同国の一般消費者向けに新たな商材を探している大手商社のニーズと、同国への販路を開拓したい中小企業のシーズをマッチングさせる「中国輸出・販路開拓ジェグテック商談会」を開催した=写真。多くの中小企業が人口億の市場への商機を探りながらも、日本と異なる商習慣や代金回収リスク懸念などから販路開拓を躊躇している状況に対応、大手商社との連携で打開することが目的。中国市場に絞った初の商談会には、社の中小企業が参加した。 今回参加した大手商社は、主力事業のエレクトロニクスとは別に、一般消費者向けの物販案件を新たに模索している加賀電子。昨年設置した「新規開発部」の活動の一環だ。 インバウンドの急増を受け、同社は訪日観光客向け免税システムや多言語翻訳機などのエレクトロニクス関連商品を地方自治体や観光協会に提案している。訪ねた各地で、優れた地方特産品に触れる機会が多いという。新規開発部の担当者は、「日本ならではの特産品を輸出商材にできれば、純正の日本製品を高く評価する中国市場の傾向と商流に合う」と考え、見合った商材を供給できる中小企業と連携している。 中小機構関東は、同社が中国のEC(電子商取引)サイトや百貨店、スーパーで販売できる日本製商材を幅広く希望していることをあらかじめ中小企業側に伝え、会場に集まった各社は商品特性などを熱心にアピールした。 堀内ウッドクラフト(神奈川県大井町)は、間伐材を使用して文房具や子供用玩具などを手作りしている。堀内良一代表は、「大手企業の製品の大半が海外生産である今では、中国市場が評価する『純粋な日本製』は、私のような個人事業主が手作りする環境配慮木製品などわずかなのかもしれない。中国という大きな商圏に実店舗を持つバイヤーの評価は、自らのマーケティングにもなる」と、商談会が中国進出の可能性を探る機会になったことを好感していた。 ジャパンスター(大阪府東大阪市)は、保湿力を特長とするシャワーヘッドの中国展開を望んでいる。池田博毅代表取締役は「自ら現場で活動し、販路を拡大するという日本で成功した手法は中国でも通用すると思うが、現地に精通したパートナー企業は必要」と考え、リスクマネジメントの側面からも大手商社とのタイアップに期待を寄せる。 中小機構関東は商談会に合わせ、「国際化支援相談会」「経営相談会」も併催した。海外展開や大手企業との連携実績が少ない中小企業に対して専門家がアドバイスする取り組みで、今回が5回目。海外拠点の整備や市場調査、公的支援、株式公開など多岐にわたるテーマで相談を受け付け、各社の事業を支援している。

元のページ  ../index.html#3

このブックを見る