20160715
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高知アイス(高知県いの町)冬の需要求め東南アジアへ「打たん太鼓は鳴らん」の心で中小機構外国投資庁と覚書締結ジェグテックを活用ベトナム企業とのマッチング推進全国カ所に相談窓口英国のEU離脱中小機構中小企業の北米進出支援米企業向け「ジェグテック」サービス提供へ中小機構2期連続でマイナス幅拡大・中小企業景況調査 (面)デジタル革命で世界経済成長・年版通商白書 (面)中国市場進出を後押し・ジェグテック商談会 (面)東大和市創業塾、ビジネストで開講 (面)【企業概要】▽代表取締役=浜町文也氏▽所在地=高知県吾川郡いの町下八川乙683▽電話=088・850・5288▽設立=2002(平成)年月(創業=1988年)▽資本金=300万円▽従業員=人(含パート)▽主要業務=アイスクリーム製造・卸▽URL=http://www.kochi-ice.com/ 高知県黒潮町で漁師の息子として生まれ育つ。小学校4年から近くの川で鰻を、冬は稚魚を捕獲して売る。自然の中で鍛えた体は、いつしか相撲で敵なしになっていたという。中学卒業時には高校相撲部からの誘いを断り漁師の道へと進んだ。 「生まれてから漁師以外を考えたことがなかった。早く親を楽にさせたいという気持ちも強くあった」と高知アイスの浜町文也代表取締役()は語る。ただ、鰹一本釣船に乗り遠洋へ出ればカ月は帰れない。結婚を機に陸に上がり多角的な事業を展開する企業に就職する。 サラリーマン3年目に会社が食品事業を始めることになり浜町氏が担当となる。扱うのは乳脂肪分が少なく、あっさりとした後味の良さが特徴の「アイスクリン」の販売。アイスクリーム風のシャーベットといえる氷菓子で「県民なら誰もが知っている高知のソウルフード」だが、新事業は黒字にならず3年で撤退が決まる。 「このまま終わらせたくなかった」と会社を辞め独立。販売地盤がない浜町氏にとって仕入れたアイスクリンは、関東、関西へ出向き催事で売るしかなかった。起業当初はコストを抑えるため車内で宿泊する苦労もあったが、持ち前の明るさと負けん気で事業を軌道に乗せ、辛い時期を切り抜ける。アイスクリームの製造も学んだ。 平成に入りブームとなった四万十川の水と高知の果物を使ったシャーベットを商品化。1995年には自社工場を設置し、社名を現在の高知アイスに変更した。 地元の果物を中心とした商品を開発する実績が評価され、年に農商工連携選に選定された。その後、中小機構の支援などもありドリンク分野にも進出。切れのよい甘さで、さっぱりとした「ゆずドリンク」は人気商品の一つ。現在、品目まで商品を増やし、大手EC(電子商取引)モールへも出店するなどネット販売にも力を入れている。 順調な事業拡大の一方、自社工場の稼働率の平準化が経営課題となる。氷菓子の販売は7、8月の2カ月がピークで、秋から冬にかけ工場の稼働が落ちてしまう。この課題解消策として、南の国で売ることを考えたが、海外はあまりにも敷居が高い。この時に海外展開を後押したのが「打たん太鼓は鳴らん」との母親の口癖だった。 だが、海外といっても、どこから手をつければいいのか当初は何も分からず、目についた大手Webサイト運営会社が企画する上海での海外商談会に参加した。ただ、日本企業2社、海外1社という状況で話にならず、「海外は前途多難だと思った」という。それでも次に開かれた香港での商談会に臨み、さらに高知県事務所があるシンガポールでの日本食品の展示会で好感触をつかみ、そこから海外販路が広がる。 9年前からシンガポール、マレーシア、香港へ。6年前にはハワイへ。昨年、イスラム法に則った基準をクリアしてハラル認証を取得し、ドバイで販売。今年はインドネシアへも進出する予定だ。将来は北米へも販売網を拡大させていきたいとしている。 現在の売上高は約4億円、うち海外販売は4000万円。「売上高億円、海外1億円を目標にしている。無理な数字ではない」と言い切る。売上高が伸びることで従業員の雇用を守り、果物生産者の所得を増やすことにつながる。それが、生まれ育った高知県への恩返しにもなる、というのが浜町氏の考え方。 「多くの人に支えられ、ようやくここまで来ることができた。自分だけ儲ける発想はない。『働く=はた(を)楽』ということですから」と母親からの教えを忘れない。売上高億円の次の目標は「息子に事業を継承して、違うことをする」のだという。打つべき太鼓は、まだ数えきれないほどあるようだ。「海外売上高で1億円が当面の目標」と語る浜町氏(1)第1172号平成28年7月15日(金曜日)〈毎月、日発行〉 中小機構は、ベトナム計画投資省傘下の外国投資庁(FIA)との間で、日本の中小企業とベトナム企業とのビジネスマッチングを推進することで合意し6月日、ハノイのFIAで覚書を締結した。今後、両者間で中小企業政策やマッチングなどに関する情報交換を進める。当面、中小機構が運営するマッチングサイト「J―GoodTech(ジェグテック)」を同国内で本格的に展開するため、FIAがベトナム企業のジェグテック登録について積極的に推薦する。昨年末に誕生したASEAN経済共同体(AEC)やTPP(環太平洋パートナーシップ協定)大筋合意などにより、日本の中小企業のグローバルマーケットへの販路拡大が重要課題となる中で、経済成長を続けるベトナム企業との取引拡大が期待される。覚書調印で握手する中小機構の渡部理事(前列㊨)とFIAのホアン長官(同㊧) 中小機構は、「英国のEU離脱に関する相談窓口」を本部や地域本部の全国カ所に設置しました。 6月日に行われた英国のEU(欧州連合)残留・離脱を問う国民投票の結果に伴い、円高が進行するなど、今後、関連する中小企業や小規模事業者への影響も懸念されています。このため、海外事業展開に影響を受ける中小企業などを対象に、英国などへの輸出入、進出、拠点移転などに関する相談に応じます。 相談窓口は次の通りです。 ▽北海道本部経営支援部経営支援課(☎011・210・7471) ▽東北本部経営支援部経営支援課(☎022・716・1751) ▽関東本部販路開拓部国際化支援課(☎03・3433・1087) ▽中部本部経営支援部経営支援課(☎052・220・0516) ▽北陸本部経営支援部経営支援課(☎076・223・5546) ▽近畿本部販路開拓部国際化支援課(☎06・6264・8624) ▽中国本部経営支援部国際化支援課(☎082・502・6555) ▽四国本部経営支援部経営支援課(☎087・811・1752) ▽九州本部地域経済活性化推進部国際化支援課(☎092・263・1535) ▽沖縄事務所(☎098・859・7566) ▽本部販路支援部販路支援課(☎03・5470・1522) 中小機構は2010年、同省傘下の企業開発庁と覚書更新を行っている。一方で、今年1月にFIAに対してジェグテックを紹介したところ、FIAから覚書締結の要請があった。その後、企業開発庁とは中小企業政策、支援全般に関する情報交換、FIAとはビジネスマッチングに関する情報交換、協力という連携内容が整理され、今回の覚書締結に至った。 覚書調印式には、中小機構から渡部寿彦理事、ベトナム側からはFIAのドゥ・ニャット・ホアン長官らが出席した。席上、渡部理事は「今回の覚書締結により、日本企業とベトナム企業の連携が促進され、両国企業の発展基盤をつくることができたと確信している。それぞれの得意分野を出し合いながら連携することは非常に重要」としたうえで、「両国企業の海外展開を促進するには、双方の企業が出会うウェブマッチングシステムの構築が重要。ジェグテックには現在、ベトナム企業約250社が登録され、日本の3400社の登録中小企業のうち、ベトナム進出に意欲を持っているのは150社以上ある。今後、さらに両国の企業登録を増やし、マッチングを活性化していきたい」と挨拶した。 また、ホアン長官は「両国の企業にとってジェグテックは極めて有意義なシステム。もっと多くの企業が登録できるよう連携する。このため、両機関に専任担当者を置き、月単位でお互いの活動をレビューすることが必要だ」などと語った。 渡部理事らのベトナム訪問団は6月~日にかけてFIAでの覚書調印のほか、計画投資省企業開発庁、ベトナム商工省、ベトナム商工会議所、外国投資庁北部投資促進センターの現地機関なども訪問。この中で企業開発庁は、今年月にベトナムの中小企業を万社から2020年までに100万社に増やす中小企業支援法を国会提出予定であり、ジェグテックに対して年内に社のベトナム企業を推薦することで合意。また、北部投資促進センターは、ジェグテックに対して追加で200社のベトナム企業を推薦することを確約。さらに、中小機構側から月末に東京・有明の東京ビッグサイトで開催する「新価値創造展2016」での両国企業のマッチングを提案したところ、同センターが参加企業を募って実施することが確定した。 中小機構は、中小企業の販路拡大を支援するマッチングサイト「J―GoodTech(ジェグテック)」の海外での運用を加速する。これまでインドネシア、タイなどアジアの企業向けに展開してきたが、米国企業に向けてもサービス提供の準備を開始した。このほど中小機構国際交流センター幹部らが訪米し、商務省や州政府幹部らと意見交換を通し、具体化に向けた調整を行うことを確認した。今後、米国側の状況などを踏まえた企画案を中小機構が提案し、実現に近づけていく。中小企業による米国市場への単独進出への道が、ジェグテック活用で開かれることになる。 米国企業向けのジェグテック展開は、TPP(環太平洋パートナーシップ協定)の合意を踏まえたもの。 これを受け中小機構は、国際交流センターの岡望業務統括役らを米国へ派遣し、商務省の高官と意見交換したほか、6州の関係者と個別に面談した=写真。「法的責任に対する問題やセキュリティー面など、調整の必要性を把握した。それぞれ前向きな反応を得た」(岡業務統括役)としている。 ジェグテックは海外向け展開の本格化に対応するため、今後、新システムを更改する予定。これを待ち、商務省や各州に対して具体的な実行案を提案していく。さらに、他の州へも広げていく考えだ。 中小機構が実施したジェグテック登録企業へのアンケートでは、取引を希望する国として米国が1位となっている。ただ、一般的な中小企業にとって、単独で米国へ販路拡大を求めるには接点がなく、距離と時差、言葉の壁など、アジア諸国よりは難しいのが現状だった。これらのバリアーをジェグテック活用によって取り除くことができ、中小企業の米国単独進出の可能性が大きく広がる。 また、ジェグテック掲載企業の情報を見にくる国別のアクセス数は、米国からが最も多いことから、日米双方でマッチングサイト活用への期待値が高いことが分かる。このことから、中小機構は米国での運用を強化して、米国企業のニーズと日本の中小企業のシーズをマッチングさせていく方針だ。 ジェグテックは、2014年月から大企業と中小企業をWeb上でマッチングさせる利便性の高いシステムとして稼働した。国内登録企業数は中小企業3400社、大手企業300社、海外登録企業は1500社に達する国内初の国際的なマッチングサイト。

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