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高知県リピーター率向上を重視寄り添う支援で満足度高めるビッグデータで地方を元気に「地方創生☆RESASフォーラム」開催全国地域でセミナーも月日まで応募受付中次世代を担う起業家を募集ネットショップを1日で学ぶ中小機構 「ECフェス2015」開催人を大切にする経営学会が第2回全国大会開催 (面)都産技研が恒例のイノベスタ開催 (面)「rooms31」にRin crossingブース出展 (面)ダイエット&ビューティーフェアで8社出展支援 (面)コーディネーターの小松氏㊧とサブコーディネーターの峠篤士氏 太平洋に沿い東西に広がる高知県は〝海の国〟をイメージしがちだ。ところが森林面積割合をみると全国1位であり、実は緑に恵まれた〝山の国〟なのである。可住地割合は同位、事業所数は同位で、中小企業・小規模事業者数は約4万社と少ない。その多くは農林水産加工などを営む小規模事業者が占めている(数値は総務省など各種調査)。 この県勢のもとで、よろず支援拠点の存在を伝え、遠方にある郡部にも手を届かせるには、独自の手法と戦略が不可欠。高知県よろず支援拠点コーディネーターの小松宗二氏()は、自ら編み出した手法を「田舎型よろず支援」と称する。 「特別なことではなく、なりふり構わない猪突猛進型と言えるかもしれない。広大なエリアに中小企業が点在している中で、相談件数を一定規模まで高めるには、できることは何でもやる考え方だ。自分自身はもちろんサブコーディネーターの人脈も駆使し、電話作戦も展開して、よろず支援拠点を知ってもらうことに注力。地元メディアを活用し、必ず役に立つ相談所であることをアピールした。そのほか商工会、金融機関など支援機関との連携など、考えられるあらゆることを実施した」という。 〝本当に役に立つのか〟が相談に訪れる経営者たちの関心事だ。口先だけのアドバイスを求めに来る人はいない。多様な相談内容に対応できる専門スタッフを置き、適切な解決策まで導かなければ、相談者からの信頼は得られない。 その中で小松氏が重視するのはリピーター率の向上だ。昨年度相談者の約7割はリピーターで占められていたほど。なぜそこまでリピーターにこだわったのか。それは相談に来た経営者たちが2度、3度と足を運んでくるのは、課題解決に〝役に立つ〟と判断したから。相談の入口から出口まで一貫支援する姿勢、寄り添うような支援がリピーター率を押し上げる結果につながっている。その展開を可能にしたのは、小松氏の豊富な経験があったからともいえる。 年間にわたる県庁勤務では、商工振興をはじめ鉱工業、農政など、県内のあらゆる産業に携わってきた。さらに中小企業支援にかける情熱も人一倍強い。「ハンズオン支援を通し、企業が成長する過程で味わう満足感と達成感を経験した。私の中小企業支援の原点だ」と強調する。 ずっと寄り添うように支援することで「元気になって帰ってもらう」こと。よろず支援だからできる取り組みだという。 昨年度は、経営再建から事業譲渡へ切り替えで自己破産を回避した支援や、効果的な広報展開を指導し売上拡大につなげた実績などがある。とくに人口が減少する高知では、消費関連の製造業や卸・小売業からの相談件数が多い。「相談者の強みを見つけ出すこと、それを磨く方法を考えていく」ことから始めるのが小松流だ。「商売が成り立つ源泉が必ずある。引き出すポイントを掴めばうまくいく」という。 それでもまずは、相談に来てもらうことが先決になる。8人のサブコーディネーターたちと協力し、よろず拠点内の相談スペースで5人程度のミニセミナーを開催する。テーマは「POP」「通販」「集客」など、聞いたその日から役立つ内容を用意している。 課題でもある郡部への取り組みは、商工会議所、商工会、市などの施設内にサテライト拠点を開設。ここでも国の支援策などを解説するセミナーを開催し、よろず支援の認知度向上と相談件数を増やす取り組みを行う。 県内全域で一定レベルの相談ができる体制をつくることが、よろず支援の目的のひとつでもあるはず。支援機関との連携などを含め認知度アップを図り、来訪者を増やし、専門性の高いスタッフで対応する。そこで経営者が相談に値する〝お値打ち感〟があると感じてもらえるかどうか。 よろず支援拠点は、バランス感覚に優れたコーディネーターの力が反映される場といえよう。【高知県よろず支援拠点】▽所在地=高知市布師田3992の2 高知県中小企業会館5階(☎088・846・0175)▽コーディネーター=小松宗二氏▽サブコーディネーター=8人▽平成年度(6~3月)相談対応件数=1709件、来訪者数=983者、相談者満足度=%(1)第1153号平成27年10月1日(木曜日)〈毎月、日発行〉講演する石破大臣 安倍政権の目玉政策「地方創生」に向けてビッグデータの活用を―。政府が今春に提供を開始した地域経済分析システム「RESAS(リーサス)」の活用促進を目的とする「地方創生☆RESASフォーラム2015」が9月日、東京・大手町の日経ホールで開催された。昨年末に閣議決定された「まち・ひと・しごと創生総合戦略」などに沿って、今後、地方自治体が地域の特性を生かした地方版総合戦略を策定するに当たり、ビッグデータを使ったRESASを活用することで自治体が客観的に自らの強みと弱みを把握できるようにすることが目的だ。石破茂・地方創生担当大臣が基調講演し、「日本の可能性を最大限に引き出したい」としたほか、小泉進次郎・内閣府政務官がモデレーターを務めたパネルディスカッション=写真=などにより、参加した約600人の自治体関係者らにRESAS活用を訴えた。これを手始めに、9月中旬から月中旬にかけて全国地域で一般の人も対象とするRESAS普及促進セミナーを開催。地方創生に向けた具体的アクションが本格始動した。(2面に関連記事) 中小機構は月日締め切りで、革新的かつ潜在成長力の高い事業や地域の活性化に資する事業を行う、志の高い起業家を表彰する「Japan Venture Awards(JVA)2016」の受賞候補者を募集中だ。厳正な審査によって選ばれた受賞者は来年2月日に東京・虎ノ門の虎ノ門ヒルズで開催する表彰式で発表・表彰される。 同表彰制度は新事業創出や市場開拓に挑む、優れたベンチャー企業等の経営者を発掘し、ベンチャー企業経営者のロールモデルとして表彰することで、日本の社会に起業意欲や起業家育成機運を広め、日本経済の活性化につなげていくのが狙い。今年で回目を数え、経済産業大臣賞、中小企業庁長官賞、中小機構理事長賞をはじめ、JVA審査委員会特別賞、東日本大震災復興賞が予定されている。 審査基準は事業の新規性・革新性、成長性・将来性、経営者の資質、社会的な影響度など。これまでに、世界で初めてミドリムシの大量培養に成功したユーグレナの出雲充代表取締役社長ら著名起業家を多数輩出している。詳細と応募要領は公式サイト(http://j-venture.smrj.go.jp/)で。 RESASは、経済産業省が開発した地域経済を見える化する「地域経済分析システム」に加え、内閣官房「まち・ひと・しごと創生本部」が経済分野に限らずさまざまなデータを搭載して再構築。今年4月に提供を開始した。同システムで提供するデータは一部を除いて一般の人でも閲覧可能とし、自治体関係者だけでなく、幅広い意見を反映できるようにしている。 日経ビッグデータラボが主催、内閣府地方創生推進室が後援したフォーラムでは冒頭、内閣府の伊藤達也大臣補佐官が「今回のフォーラムには1500人近い応募があり、関心の高さをうかがわせた」としたうえで、「地方を創生することは日本を創生すること。だが、行政だけでは魅力ある地方は実現できない。だから全員参加の国民運動にしたい。RESASのデータに基づいて現状と課題をしっかりと把握して総合戦略の参考にしてほしい。先進的な戦略には補助金で後押しする」などと挨拶した。 この後、石破大臣が「地方から創生する我が国の未来~RESASの可能性~」と題して基調講演した。石破大臣は、日本列島改造論や田園都市構想、ふるさと創生など過去の地方振興策を挙げたうえで、「歴代政権の地方振興策は経済、人口ともに伸びていた時代。これに対し安倍政権の地方創生は人口減や超高齢化などを背景としており、これまでとは全く違う。これに失敗すると国がなくなるという危機感を持っている」と強調した。 また、昭和年から年間に500万人が地方から東京に移動し、それらの人が高齢化に拍車をかけていると同時に、首都圏直下型地震も予測される中で、「東京は負荷を負っている。この負荷を除くためにも地方創生が必要」とした。 人口減については、2013年の1億2700万人が、2100年には5200万人と半減。2500年には万人、3000年には1000人という推計を紹介し、「公共事業と企業誘致で人口が増えた時代もあったが、今はそれができない。限界集落が話題となっているが、それが限界市町村、限界地域となっていく」と発言。そうした中で、農林水産業や、歴史と伝統に裏打ちされた観光資源に恵まれた国土を持ちながら、「地方は持てる力を発揮していない」と指摘した。 RESASについては、「一般市民もデータを知ることができ、他の自治体との比較もできる。今後は農業をはじめ、さまざまなデータも追加していく」と機能強化を説明したうえで、「地方創生の政策アイデアコンテストの募集も始めた。自分たちの街は自分たちで作るという、市民が主権を手にする時だ。いまこそ地方の可能性を最大限に引き出し、次の世代につなげたい」と締めくくった。 パネルディスカッションのテーマは「ビッグデータで未来を変えられるか?」。パネリストはNHK報道局の阿部博史ディレクター、リクルートホールディングス・インスティテュート・オブ・テクノロジーの石山洸ヘッド・オブ・インスティテュート、尾畑酒造の尾畑留美子専務取締役、統計家の西内啓氏。この中で、RESASについて、阿部氏は「データを分析するにはしっかりした視点を持って見ないと活用できない」、尾畑氏は「面白い取り組みだが、地方のデータ分析能力に課題がある」と指摘。また石山氏は「地方創生にはビジネスチャンスがある」、西内氏は「まず成功例を出すことが重要」などと発言。モデレーターの小泉政務官は「成功事例を出すためにも、データ利用特区の創設も一案」などとした。 続いて、内閣官房まち・ひと・しごと創生本部の五十嵐智嘉子参事官、東京大学の坂田一郎教授、経産省地域産業戦略室の山田雄一調査企画官の3氏が「自治体によるRESAS活用事例」を紹介した。五十嵐参事官はRESASのメニューと動向分析や将来推計の手法、坂田教授は産業戦略、山田調査企画官は観光の分野についてそれぞれ市町村の具体例を説明した。 中小機構は9月9日、中小企業・小規模事業者を対象に、ネットショップ・Eコマース(電子商取引)運営に必要なノウハウを1日で学べるように多彩なプログラムで構成したイベント「ECフェス2015」を東京都港区の虎ノ門ヒルズで開催した。成功しているネットショップの経営者や支援者らによるトークセッション、EC関連事業者との交流ブースなどの催しが同時並行で展開され、約500人の来場者がそれぞれ抱えている課題の解決に向けたヒントを得ようと各会場を熱心に巡っていた。 同イベントは、メインホールで行われた3つのスペシャルトークセッションをはじめ、隣接するホールでの社によるミニプレゼン、の実践講座、社が出展する交流ブース、それに中小機構と「中小・地方・成長企業のためのネット利活用による販路開拓協議会(ネッパン協議会)」のコラボレーション企画として、ECに関する相談を受け付ける「ECよろず相談」も行われた。 ミニプレゼンやブース出展に参加したEC関連事業者は、アマゾンジャパン、KDDIウェブコミュニケーションズ、GMOメイクショップ、ソニーペイメント、ソウルドアウト、ヤフー、楽天、ロケーションズなどで、中小企業がネットショップ・ECに取り組むにあたり必要となるサイト構築(モール出展)から、PR、顧客管理、物流、決済など各プロセスに関するソリューションを網羅していることが特徴。 開会直後のスペシャルトークセッションでは、ヘアアクセサリーのネットショップを運営しているリトルムーンインターナショナルの創業者で取締役副社長の文美月氏が講演。歳過ぎの2児の母という立場で起業したのは、「社会参加したい」という強い思いがあったからで、ネットショップはその思いと子育ての両立を叶えてくれる手法だったと強調。事業として継続していくには「強い思い、覚悟が必要」で、踏み出せないのを家族など環境のせいにする人は「結局、〝思い〟が強くないのだと思う」と語った。 続いて、天然素材の下着を販売するQilin underwearの表真弓代表、手芸材料のMY mamaの蟹江幸子代表取締役、防音材を扱うケイエムテクノスの室水房子代表取締役、それに文氏を加えた4人の主婦のネットショップ経営者が、企業サイトのコンサルなどを手掛けるスタイルビズの村山らむね代表取締役の進行で、「私らしさをカタチに! 人気ストアを生んだ全国のママオーナーに聞く!」と題して、ママならではの苦労ややりがい、自己実現の可能性などについてトークセッションを行った=写真。 実践講座は、競争に埋もれないためのネットショップの構築やライティング、動画を活用したプロモーション、ECサイトのセキュリティ対策など、参加者がすぐに実践できる内容を実施。大半の講座が満席となり、講座終了後も質問者の列ができるなど、参加者の関心の高さがうかがえた。 次回のECフェスは来年1月日に大阪市北区のグランフロント大阪で開催予定だ。

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