20141101
4/4

人材育成の現場から中小企業大学校受講者の横顔⑪岩手エッグデリカ代表取締役田村 昌則氏()新任管理者養成コース視野拡大こそ成長の糧技術は社内、知識は社外で学ぶ株式会社岩手エッグデリカ 新任管理者養成コース(仙台校) コンパクトシティ実現探る東北地域中活協交流会 青森市を事例に横浜で開催の「バイオジャパン」インキュ施設入居社の出展を支援中小機構「5S」活動の実践を学ぶ日暮里セミナー 工場見学会を開催中小機構関東など年度中小製造業国内設備投資.%増日本公庫総研が修正計画奈良県よろず支援拠点売上拡大セミナー開催「味付たまご」の製造に関わる知識以外は、仙台校で学ぶという田村氏講師との質疑応答、受講生間の討議が知識を深める(仙台校) ▽本社=岩手県八幡平市平笠第2地割6番地8▽代表取締役=田村昌則▽事業内容=味付ゆでたまご、温泉たまごの製造販売▽創業=2002年(平成年)4月▽資本金=2200万円▽従業員=人▽URL=http://www.egg-delica.jp 新任管理者、予定者を対象として、マネジャーに求められる役割、職場の問題解決スキルについて学ぶ。 管理者としての能力アップと自己啓発を図ることを狙いとして、コーチングスキルなどを始めとする人間関係能力の向上を目指した講義と演習を交えた研修を実施。人間的に信頼されるリーダーを目指す。 東北を代表する名山のひとつ、岩手山の東側に位置する岩手県八幡平市は、豊かな自然が人々を引きつける風光明媚な地域。この澄んだ空気の下で鶏卵の加工が行われている。 日本の年間鶏卵消費量は、約400億個(2012年度「食料需給表」から算定)。それでも自給率は%(重量ベース)あり、数少ない国際競争力をもつ食材である。 この鶏卵産業を守り、安全・安心な蛋白源を提供し続けることを社是に掲げているのが八幡平市に本社を置く岩手エッグデリカだ。独自技術を用いて「味付ゆでたまご」と「温泉たまご」を北海道から沖縄まで、全都道府県へと出荷している。 「農林水産省で食糧生産に携わっていた父の影響もあり迷わずに農業高校へ進み、アルバイト先だった養鶏場に請われ卒業とともに就職した。卵が大好きだから抵抗感もなかった」と代表取締役の田村昌則氏は、卵との関わりを語る。 養鶏場経営の中心的な役割を担う一方で卵のすべてを学び歳で独立。卵加工の工場を年に立ち上げた。創業当時の生産量は1日4000個、従業員数は6人だった。現在は1日万個を生産するまでに成長し、従業員も人に増えた。売上高は億円に迫る規模に拡大した。 同社が生産する「味付ゆでたまご」は、消費期限が製造日から日間(要冷蔵)と長く、殻付き状態での味付けなど独自技術が光る。「湿度を保ちながら無菌状態で加工するのは難しいが、これで消費期間が延ばせる。殻付きで黄身まで味を染み込ませる技術は長年の経験と研究の成果」(田村氏)と語る。 卵加工には自信があるものの、管理や会社運営上の知識、コミュニケーション手法などは社内に閉じこもっていては学べない。これらが会社の成長につれ必要になる。つまり社員教育だ。 「どこへ行っても通用する人材に育てることが基本。幅広い知識を身に付けてもらいたい。転職していく社員がいても、当社に勤め学んだことが財産だったと後で思ってもらえればいい。そのためには外に出て学び視野を広げることが必要」(田村氏)と強調する。 当初は県や各種団体などのセミナーへ社員を派遣していた。これだけでは、知識は得るが実践に結びつきにくい印象があった。その後、中小企業大学校のカリキュラムを見て、社員を派遣した。「討議してくるので知識が身に付いてくる。帰ってくると目が輝いているし、異業種の人たちと寝食をともにするのも刺激になっている」(田村氏)という。 仙台校への社員派遣は、一昨年から本格化し、今年度は人が受講(下半期の受講者も含む)した。来年度は入社3年目の社員が多く「新任管理者養成コース」を中心に派遣する計画だ。「帰ってきてから読むレポートが楽しみ」だと田村氏は頬を緩ます。 「味付ゆでたまご」と「温泉たまご」の需要はまだ拡大が見込まれる。社有地には工場増設の余地があり、当分の期間は増産する計画。同時に6次産業への展開にも力を入れていく方針だ。年、隣接地にサラダファームを設置。花の栽培やイチゴ生産のほか小動物を飼育して観光地的な展開も始め、年に分社化した。 会社の成長に伴い社員採用も増え、新卒者の採用も始めた。今後ますます教育体制を拡充する必要が出ているという。(4)第1131号平成26年11月1日(土曜日) 奈良県地域産業振興センター主催の「奈良県よろず支援拠点 第1回売上拡大セミナー」が9月日、奈良市のホテル日航奈良で開かれた=写真。近畿経済産業局と中小機構近畿本部が共催し、講演とセミナーのほか、経営相談会も開かれ、約120人が参加した。 まず、チョコレート製造・販売のDariK(ダリケー、京都市中京区)の吉野慶一代表取締役が「売れる商品づくり~素材選びから商品化、販売戦略まで~」と題して講演した。吉野氏はインドネシア産カカオ豆を3年前から輸入し、国内でチョコレート製造を始めた経緯を説明した。同国は世界2位のカカオ豆生産国だが、これまで現地で発酵されていなかったため輸入量はわずかだった。だが、現地発酵することで酸味がまろやかになり、香り成分も醸成される。 DariKが他の洋菓子店やチョコレート店と最も異なるのは、クーベルチュールと呼ばれる製菓用のチョコレートを使用せず、カカオ豆から手がけることで、その風味を活かし切る独自製法にある。 途上国の商品を生産者から直接、適正価格で輸入して先進国で販売する「フェアトレード」をビジネスモデルとし、カカオ豆栽培からチョコレート製造までを一貫して管理し、競争力を確保。その理念は、現地の生産農家の所得向上、同社の良質な原料確保、消費者はおいしいチョコレートが食べられる「トリプルWin」だと強調した。 続くセミナーでは、プリント生地加工の高橋練染(京都市右京区)の高橋聖介代表取締役が「ブランド化・売上拡大を目指して」のテーマで、同社の新事業などについて講演した。同社は国の地域資源活用事業計画の認定を受け、京都西陣のデザインを現代に合わせて復刻した新ブランド「seisuke」や、生地の仕上げ工程で使っていた抗菌・防臭液を「KOKORO CARE」ブランドで販売するなどの新事業について説明した。 これに続き、中小機構近畿の多田知史統括プロジェクトマネージャーが高橋氏に質問する形でディスカッションし、新ブランド立ち上げの経緯や販路開拓、新事業立ち上げのポイントなどについて話し合った。 最後に、奈良県よろず支援拠点から、同拠点事業の説明があり、参加者に対して相談利用を案内した。 セミナー終了後の相談会では、熱気あふれるやり取りが繰り広げられ、活況を呈した。 日本政策金融公庫総合研究所(日本公庫総研)は月日、中小製造業の2014年度設備投資動向調査(修正計画、9月調査)を公表した。それによると、国内設備投資額は前年度比9・0%増の2兆6770億円と、4月調査の当初計画の同5・2%減から大幅な引き上げとなった。とくに投資額は年のリーマン・ショック後で最高となる見通しだ。 修正計画では、年度上期が前年同期比9・4%増、下期が同8・6%増で、とくに下期は当初計画の・1%減から大幅に回復する。 業種別では、全業種中業種が前年度実績比で増加。なかでも、非鉄金属、業務用機械、繊維・繊維製品、化学、汎用機械が大きく増えた。内容別では、「機械・装置」が前年度比・2%増、「建物・構築物」が同3・0%増となった半面、「土地」は同・3%減だった。 投資目的別では、「更新・維持・補修」の構成比が・0%と最も高くなったものの、前年度実績の・7%より3・7㌽低下した一方で、「能力拡充」投資が・3%と、4・1㌽向上した。 この調査は、全国の従業員人以上300人未満の中小製造業1万1532社に対し調査票を送付して行い、有効回答数は8885社(有効回答率・0%)だった。 中小機構関東本部、東京都荒川区、城北信用金庫(本店・東京都荒川区)の主催による「中小企業のための工場見学会」が月日、荒川区内を中心とする中小企業経営者ら人が参加して行われた。 中小機構関東と荒川区は連携して平成年度から中小企業向けの「日暮里経営セミナー」を年4回開催している。同セミナーと連動して年度からは工場見学会を実施しており、今回が4回目となる。 先進的な取り組みを行っている企業の生産現場を視察することで〝気付き〟を提供し、訪問先企業の経営理念や事業活動などを聞き、意見交換することで自社の経営基盤の強化に生かすのが目的だ。 今回の工場見学会のテーマは「5S実践企業から〝気付き〟を得る!」で、訪問先は前川試験機製作所(東京都港区)の大森事業所(同大田区)。同社は年から中小機構の支援を受けて「5S」(整理、整頓、清掃、清潔、躾)活動を展開している。 工場見学会では冒頭、前川試験機製作所の前川徳太郎代表取締役が会社の概要や5S活動などについて講演した=写真㊤。 前川代表取締役は事業内容について、コンクリートや鉄鋼など各種の材料試験機を製造し、「とくにコンクリート耐圧試験機では全国シェア7割を持つ」などと説明。前川氏自身は5代目として平成年に代表取締役に就任したが、従業員(人)が「町工場として会社を良くする意欲に欠けており、従業員教育が必要と感じた」と述べた。 そんな中、中小機構のビジネス塾に参加して刺激になり、原価管理や加工改善、CS(顧客満足度)とともに、5S活動を始めたという。 5S活動では「まず成果が出るものから始める」ため、工場内を対象に実施。現在は3年目に入っているが、「活動はまだ途上で、今後は全社に拡大したい」と締めくくり、工場見学に移った=写真㊦。 見学の後は、中小機構関東の高波信行・経営支援チーフアドバイザーの進行により、前川代表取締役ら同社の5S活動推進担当者と参加者による意見交換が行われた。ここでは「工場が整理・整頓されていることに驚いた」「勉強することばかりだった」「道具類の管理はどうやって徹底したのか」などの感想や質問が述べられ、これに対して前川代表取締役は「5Sは自発的にテーマアップしている。自主性が大事で、それがモチベーション向上にもつながる」などと応えた。 最後に、荒川区と城北信用金庫の担当者から感想と前川試験機製作所への謝意を述べて工場見学会を終了した。 中小機構東北本部と中心市街地活性化協議会(中活協)支援センターは月2、3の2日間、青森市で「平成年度東北地域中心市街地活性化協議会等交流会」を開催した。東北地域の中活協関係者を対象に、各地域の課題・情報を共有し、解決に向けた議論・意見交換を行うことが目的。今回は全体テーマを「コンパクトシティの実現に向けて」とし、青森市の協力を得て、市内見学、講演、パネルディスカッションを通じ、参加者約人が意見交換や情報共有を行った。 初日はまず、青森市の中活で中心的な役割を担う青森市役所経済部の佐々木淳一部長、青森市中活協の加藤博タウンマネージャー(TM)、青森商工会議所の西秀記副会頭が、青森市の中活の取り組みと特徴についてそれぞれ説明。同市では中心市街地をインナー、ミッド、アウターに区分けし、コンパクトシティ実現のため、それぞれの地区の特性に応じた都市整備を行っていることなどが紹介された。 その後、参加者を3班に分けて市内見学した。交流会会場にもなっている再開発ビル「新町キューブ」、経済産業省の補助金を活用して整備され市民の憩いの場となっている「青森まちなか温泉」、市の補助金を活用して整備された木の温もりを楽しめる子供の遊び場「もくもく~木育広場~」、市が中心市街地での開業を目指す商業ベンチャー育成事業として整備した「パサージュ広場」を見学した。 パサージュ広場は中央の広場を囲むように飲食店を中心に9つの小さな店舗が軒を連ねている。ここでは頻繁にイベントを開催し、中心市街地の賑わいの創出に一役買っている。この広場から巣立ち、中心市街地に店を構えた者も出ており、参加者の関心を集めていた。 2日目は、初めに東北経済産業局が改正中活法の概要と経産省のまちづくり施策を紹介。その後、地域連携活動に積極的に取り組んでいる青森公立大学の香取薫学長、青森中央学院大学の高山貢教授、青森大学の井上隆教授をパネリストとして招き、青森市中活協の加藤TMがコーディネーターとなって「郊外立地の大学からの学生参画を促す街づくり」をテーマにパネルディスカッションを行った=写真。 いずれの大学も青森市郊外にあり、学生はあまり中心市街地に来ないという。若者を商店街に呼び込む取り組みとして、大学のゼミが商店街と連携して行っている商品開発、サークル活動などの発表の場の提供や情報発信の事例などが紹介された。パネルディスカッションによって商店街に来たくなるような魅力づくり、情報発信が重要などの点について参加者間で共有し、2日間の交流会を終えた。 中小機構は、月~日に横浜市のパシフィコ横浜で開かれたバイオテクノロジー関連の展示商談会「BioJapan(バイオジャパン)2014」(主催・BioJapan組織委員会)で、中小機構が運営するインキュベーション施設の入居企業など社の出展を支援した。会場内に設けた中小機構ブース=写真=に参加各社がそれぞれ展示コーナーを展開するとともに、ブレゼンテーションコーナーで自社技術・商品を来場者にアピールした。 同展示商談会はアジア最大級のバイオパートナリング(提携相手探し)イベントと位置づけられており、カ国から約540社が出展し、パートナリングにはカ国約700社が参加。3日間で延べ約1万3000人が来場した。 中小機構ブースに出展した企業は、中小機構が運営するインキュベーション施設に入居しているベンチャー企業などで、バイオ市場に進出を目指す会社。 中小機構は全国カ所でインキュベーション施設を運営する国内最大級のインキュベーション事業者で、入居企業は全部で550社以上にのぼる。そのうちバイオ系企業は~%を占める。 中小機構ブースに設けられたプレゼンコーナーでのブレゼンは1日回ずつ3日間を通して行われた。出展企業のうち2社が2回プレゼンしたほか、中小機構ブース以外の企業も7社加わり、1回当たり分ずつのプレゼンをトータル回実施した。 中小機構ブースの出展企業や中小機構のインキュベーション事業を紹介する専用のパンフレットも作成、会場で配布した。 出展企業のうち、神戸健康産業開発センター(神戸市)に入居しているシーエステックはレーザー加工機を用いたフィルムの精密加工技術を来場者にアピール。同社の友田俊輔東京営業所課長は展示ブースで、「現在は電子部品関係の顧客が多いが、従来は不可能だった微細な加工ができるのでバイオシートなどメディカル関係で何か仕事がないかと考えた」と出展の狙いを語った。 クリエイション・コア京都御車(京都市)に入居するCONNEX SYSTEMSは、リチウムイオン電池と鉛電池を独自技術の「仮想セル方式」でハイブリッド化したバインド電池を展示。同社ビジネス開発部門の渡辺良夫エグゼクティブマネジャーは「鉛電池のUPS(無停電電源装置)だとサイクル性能が短いので1~2年しか持たない。この製品はサイクルが長く、充電も早いし放電も安定しているので、(製薬会社などの)ラボ設備に最適」などと強調した。 千葉大亥鼻イノベーションプラザ(千葉市)の入居企業であるハニック・ホワイトラボは歯のコーティング剤などオーラルケア商品を陳列。和田幸子研究開発部部長は「今まで、歯の化粧品として商品展開してきたが、虫歯菌を抑制する効果があることがわかったので、産学連携で研究を進めている」と出展の目的を説明、研究成果とともに商品化への期待を示した。

元のページ  ../index.html#4

このブックを見る