20141101
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東西で「NIPPON MONO ICHI」展開「リビング&デザイン」に6社月~日、大阪「地域のちからコレクション」は9社月~日、東京「商品力向上委員会」を開催新商品をブラッシュアップへ中小機構北  陸年目の好機で支援に拍車女性起業家支援など新施策も綿引 淳一・北陸本部長北陸の魅力発信へベトナムに初の海外工場建設玉田 善明 玉田工業代表取締役中小機構 北陸作り手から使い手へつなぐ支援中小機構NIPPON MONO ICHI(ニッポン・モノ・イチ) ポータブル計量機の模型を手にする玉田社長 当社は昭和(1950)年に、私の父がガソリンスタンドに設置するポータブル計量機の販売・修理会社として創業、北陸3県で商売を始めました。年代に入って、ガソリンスタンドの設計・施工を行うようになり、それが今でも当社の主力事業です。当時、普及し始めた地下タンクの製造にも着手しました。 転機となったのは、私が3代目社長に就任して2年目の平成5年に消防法が改正され、SF二重殻タンクが認可された時です。FRPと鉄の二重構造で、漏洩検知機能を持つことで従来の3倍の㌔㍑容量の地下タンクが認可されました。付加価値がついたことで、タンク事業が成立すると確信して、東京に営業所を設け、全国市場に打って出ました。 今では国内のガソリンスタンドの約7割のシェアを獲得。石油元売りのタンクのほぼすべては当社製です。外資系元売りの斡旋を受けて、マレーシア、タイ、中国などのタンクメーカーにも技術供与しています。 ただ、国内のガソリンスタンドの数は減少傾向にあります。そこで、SF二重殻タンクの技術を活用して、耐震性貯水槽や家庭用地下収納庫の製造・販売にも乗り出しました。地下収納庫は、平成年に国の新連携事業認定を受けて開発。その過程で中小機構北陸本部の支援を受けました。 また、平成年にODA(政府開発援助)を活用した中小企業による案件化調査事業に採択されたのを機に、ベトナムの国営石油会社への技術供与を進めています。同時に、ベトナムに初の海外工場を建設中で、現地の日系企業向け製罐類の製造・供給、および自社製品のパーツ製造を行う計画です。このため、北陸本部に協力してもらい、英語とベトナム語のホームページを製作中で、年内にもオープンします。 これからも、玉田工業があって良かったと言われるような価値ある企業作りを社員と一緒にやっていきたいと思います。 各種の都道府県別幸福度調査で、福井、富山、石川の3県が上位を占めるケースが多いように、北陸は日本の中でも魅力的な地域です。とくに、持ち家比率や人口1人当たりの都市公園面積が全国平均を上回るなど住環境に優れています。 日本の古き良き伝統を堅持していて、石川県の加賀友禅や金沢箔、富山の高岡漆器や越中和紙、福井の越前焼や越前打刃物など伝統的工芸品や伝統産業が豊富。その一方で、福井県の繊維、電子部品、石川県の一般機械・建設機械、富山県の非鉄金属、医薬品などの産業を発展させてきている。日本海に面した景観をはじめ自然も豊かで、3県3様の魅力があり、いろんな意味で興味・関心が尽きない地域です。 そこに北陸新幹線が開業するわけで、いよいよ北陸の魅力を全国に発信するチャンスが訪れます。私たちは、その魅力発信のお手伝いを通じて、地元に貢献したいと思います。 石川、富山、福井の3県で構成する北陸地域では、JR北陸本線が昨年、全線開通100周年を迎えたのに続き、来年3月日には北陸新幹線が開業する。中小機構北陸本部は「まさに100年目の好機到来」(綿引淳一本部長)と位置付け、各種の中小企業・小規模事業者支援事業に拍車をかけている。 まず、中小機構が運営を始めた、中小ものづくり企業と国内外の大手企業とのマッチングサイト「J―GoodTech(ジェグテック)」の登録企業募集活動に注力。今年度末までに100社の登録を目指す。 同時に、リアルのマッチングにも積極的に取り組んでいく方針で、パートナーとなる大手企業探しに着手した。当面、「3県からそれぞれ1社ずつ発掘する」(綿引氏)のを目標に交渉中だ。 BC(企業対消費者)の販路開拓支援も推進。北陸新幹線開業直後のタイミングで、北陸の伝統的工芸品の展示販売会を首都圏で開催する準備を進めている。昨年4月と月に東京・丸の内のJPタワーで開催し、大盛況だった「北陸工芸品フェア」を引き継ぐもので、新たに「北陸・東海工芸品フェア」として、前回と同じ会場で実施する。 去る月7日には、新連携、地域資源活用、農商工連携3事業の国の認定を目指している事業者の新商品をバイヤーやデザイナーなどの専門家が評価・助言する「商品力向上委員会」を開いた。地元事業者のニーズを踏まえて地域本部が独自に企画・実施する「チャレンジ事業」として、初めて実施したもので、地元金融機関から推薦を受けた社が参加し、好評を得た。 一方、創業支援に関しては、北陸本部には「これといった支援ツールがない」(同)のが実情。そこで、産業競争力強化法に基づく金沢市の創業支援事業計画認定を受けて、コンサルティング会社のジーアンドエス(金沢市)が月から来年1月にかけて5回実施するセミナー「かなざわ女性起業塾」を後援することにした。 ジーアンドエス代表取締役社長の萩原扶未子氏は、北陸本部の経営支援アドバイザーや北陸地域の女性起業家を支援する団体「女性起業家交流会㏌HOKURIKU(JKK)」の代表を務めている。その活動のサポートを通じて、「専門家の発掘を含め、私どもができることを模索していく」(綿引氏)考えだ。 これに先立ち、JKKが9月に実施した「北陸ウーマンズ・マーケット」=写真=も支援した。女性の経営者や起業希望者が地元百貨店の一角に一日限定のチャレンジショップを構えるイベントだ。 中小機構が運営するインキュベーション施設「いしかわ大学連携インキュベータ(i‐BIRD)」(石川県野々市市)を核にした北陸先端科学技術大学院大学など地元4大学との連携を強化し、大学発ベンチャーの育成にも注力する方針。地元企業や金融機関、自治体も含めた「産学官金」連携で新産業創出を目指す「北陸メッセ」構想に参加、来年2月に金沢市で開かれる同メッセ実現に向けたマッチングイベントを共催する。 来年1月から事業承継税制が使いやすくなるのに対応、9月に金沢弁護士会と「円滑な事業承継に関する協定」を締結して事業承継の支援体制も固めるなど、多方面からの期待に応えていくため、「とにかく走りながら、(施策を)考えていく」(同)方針だ。(3)第1131号平成26年11月1日(土曜日) 中小機構は月に東京と大阪で開催された2つのイベントそれぞれに「NIPPON MONO ICHI(ニッポン・モノ・イチ)」コーナーを設け、新連携、地域資源活用事業などで国の事業認定を受けた、作り手であるものづくり中小企業に対し、使い手となる消費者へつなげる支援をした。大阪で開催された「リビング&デザイン2014」(主催・リビング&デザイン実行委員会)と東京で開かれた「地域のちからコレクション2014」(主催・地域のちからコレクション実行委員会)で、両イベント合せて同コーナーに社が出展参加した。 月から日まで東京・新宿駅西口広場イベントコーナーで開催された「地域のちからコレクション」は、日本各地の事業者が地元特産品や地域開発商品の販売、PRを行い話題性の創出と情報を首都圏に発信する場。このうち中小機構が設けた「ニッポン・モノ・イチ」のコーナーには9事業者が出展。1日平均360万人の乗降客という世界最大の駅に直結した場所で、出展者は幅広い階層へ積極的にアピールしていた=写真。 青森県おいらせ町の柏崎青果は、特産の黒にんにくを出展。柏崎瑞貴専務は「甘みが特徴です。試食してもらえる手売りでの販売から、通販にまで拡大していく展開を想定しています。新宿駅は人も多く絶好の場所。機会をもらえて感謝です」と語る。顧客対応、商品の品出しなど忙しく動き回っていた。 伝統的な漆器販売を手掛ける富山県高岡市の天野漆器は、3年前に開発したアワビの殻を細工しグラスの底に漆を塗り貼り付ける螺ら鈿でんガラスを出展した。日本酒を注ぐと貝殻の赤がガラスに反射し万華鏡のように輝きが広がる美しさと楽しさがある逸品。展示品を見る人は、魅力を感じるが、高額商品とあって販売には結び付きにくい様子。天野真一常務は「4カ月かけて作り上げる逸品です。ここで販売に結び付かなくても知ってもらうことを重視して出展しました。潜在顧客の開拓という面と、多くの意見を聞くことができる場になっています」という。今後は海外向けを視野に積極展開する方針としている。 このほかの出展者は▽ケンランド(山形市)▽美松(新潟県長岡市)▽中野(三重県松阪市)▽カワバタプリント(京都市)▽加茂繊維(岡山県津山市)▽大村湾漁業協同組合(長崎県時津町)▽ユーティ化粧品(沖縄県宜野湾市) 国が認定する新連携、地域資源活用、農商工等連携事業計画により新たに開発された商品の販路開拓・拡大を支援することを目的に、中小機構が地域活性化パートナーと連携して実施するプロジェクト。展示商談会や販売会などを開くことで、認定事業者と市場をつなぐ取り組みを行う。 「住まいと暮らしのリノベーション」をテーマにした「リビング&デザイン」は、月から日まで大阪市の大阪国際会議場で開かれ、122社(海外社)が出展。住空間を創り上げる多彩な提案や商材を展示。住宅関連メーカー、資材商社、デザイナーなど約7000人の専門家らが来場した。 中小機構は、地域資源活用・農商工等連携事業計画によって新たに開発された商品の販路開拓・拡大を推進するため、「ニッポン・モノ・イチ」コーナーを設置し、住空間に関連した特徴ある商品をもつ6社の展示を支援した=写真。 住宅関連メーカーなどのバイヤーから注目を集めていたのは、静岡県浜松市のホト・アグリ。同社は有機野菜の栽培で、害虫が温室内に入らないよう虫が嫌うLEDを研究し実用化した。山田万祐子代表取締役は「不快害虫の誘引や侵入を防ぎ快適な生活ができる照明を提案しています。マンションなど集合住宅関連からの引き合いが多く、うれしい悲鳴をあげている最中。今後の展開など中小機構からアドバイスをもらい積極展開したい」と話す。 老舗の畳店を営む長野県松本市のグッドグラスも来場者への説明に追われていた。熊本のイグサ農家と連携し、本来は捨ててしまう1㍍以下のイグサを利用して幅㌢㍍以下で3サイズ5色の置き畳を製作。ライフスタイルに応じて自由に並べ方が楽しめる畳を提案している。百瀬和幸代表取締役は「カッターで簡単に切ることができ、カラーバリエーションと合わせ組み合わせは無限大です。今回の出展はデザイナーへのアピールとともに建材ルートなど販路開拓を目指しています」という。 琉球ガラスのイメージ一新を狙った商品を出展したのは、沖縄県名護市にある琉球ガラス工房のグラスアート藍。「実用的で沖縄のイメージをデザインした皿やグラスを製造販売しています。上質な琉球モダンの良さを知ってもらいたい」と設立者でガラスアーティストの寿紗代代表取締役は、アピールポイントを語ってくれた。 「今回は、技術力とこだわりを持つ6社が集まりました。さらにデザイナーが共感するセンスもあります。来場者の訪問数が多く、確実な手ごたえを感じています」と中小機構経営支援部の山本聖プロジェクトマネージャーは総括する。今回は、この6社以外にも中小機構がこれまで支援してきた中小企業数社が独自で出展しており、中小機構の取り組み成果が見える展示会となった。 そのほかの出展者は次の3社。▽北陸リビング社(石川県能美市)▽ソシアル(奈良県御所市)▽百色(長野県塩尻市) 中小機構北陸本部は月7日、ものづくり中小企業の新商品をバイヤーら専門家が評価し、売れる商品作りをアドバイスする「商品力向上委員会」を同本部のある金沢パークビル(金沢市)で開催した。国の新連携、地域資源活用、農商工連携の3法認定事業の認定を目指す中小企業を対象とする支援策で、同本部としての初の試みだ。 商品力向上委員会には、石川県7社、福井県4社、富山県1社の計社(出品数延べ品)が参加。委員側はデザイナー、料理研究家、商品開発や小売関係の経験者、地元百貨店のバイヤーら8人で構成した。 1社当たりの持ち時間分で、中小企業各社の担当者が委員の前でプレゼンテーションし、委員からの質問に答えた=写真。 委員らはそれぞれの知識・経験に基づいて、さまざまなアドバイスを行い、売れる商品にブラッシュアップするための具体策を議論した。 委員からは、辛口ながらも建設的な意見が数々出され、ほとんどの企業が制限時間をオーバーするなど、内容の濃い意見交換会となった。 石川県から参加した企業は「今まで自分で考えていた発想とは逆のアドバイスをもらったが、商品コンセプトの内容としては面白く、勉強になった」「改めてパッケージの重要性に気づくとともに、価格とパッケージなどとのバランスが大切であることが分かった」と、納得した様子。福井県から参加した企業も「もう少し時間があるとなお良かったが、商品を販売してゆく上での方向性や戦略が見えたことが印象に残った」などと感想を述べた。 来年3月の北陸新幹線開業をにらみ、北陸地域では土産品などの新商品を開発している企業が多い。中小機構北陸では、首都圏からの観光客向け商品のレベルを向上させることも視野に入れ、商品力向上委員会を今年度内にあと2回開催する予定だ。

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