沖縄プロデュース2020(電子ブック)
5/48

3 OKINAWA PRODUCE 2020 沖縄は島嶼県ですから、輸出するには「空」の小口か、「海上」のFCLサービス、混載サービスしかないと思います。コンテナ混載サービスはあってしかるべきだろうと、実際にマーケティングを行って始めましたが、結論から言うと、期待したほど需要がありません。ただ、マーケット的な機運としては輸出に向いているのは事実です。 我々のサービスというのは、輸出したいお客様に「このサービスがあれば運べるよ」という課題の解決策を提案するものなので、実際に輸出までいかにスムーズに導けるか。そこに本当の課題があるのかなと思います。西里 海外展開で成功する事例をどう作り上げていくかということを考えてみたいと思います。県内の中小企業者が海外進出を夢見てはいるけれども、本当に自分の事業を成長させたいという意欲があまり高くないように感じますが、いかがでしょうか。西澤 海外展開に魅力がない、ということではなく、海外展開が最優先事項ではない、ということなのかも知れません。西里 その前に、やるべきことが山積していて、そこをクリアした上で、体力を付け、ノウハウを習得し、それから海外だということですね。西澤 輸出をして安定的に利益を上げるには、やはりそれなりの時間と労力がかかります。足元がしっかりしていなければ、なかなかできることではありせん。西里 価格競争力を求められる生活必需品では太刀打ちできないけれど、一方で、文化的な付加価値が求められる部分、デザイン・センス、あるいは沖縄の文化を融合させた商品力の可能性はいかがですか?米澤 そうですね。食料品というのは、沖縄で作っているから珍しいというものもありますが、どこでも手に入ると言えば手に入る。例えば東京では安くていいものがあるし、似たような商品もたくさんあるので、物流コストのかかる商品は価格競争に負けてしまいます。やはり差別化ができて、付加価値のあるものを、まず牽引材料として売っていくことが必要だと思います。沖縄で文化的付加価値の高い商品づくりは可能だと思いますが、それは結局はニッチの分野になります。日本の人口比率の1%としても100万人がニッチになる。それが世界となると膨大な数となり、ニッチ・グローバルという考え方でいけば、非常に魅力的です。 実はそういう営業を物流としてやったことがあるんです。沖縄固有でこれは売れるのではないか、というようなものを「輸出したらどうですか」とご提案するのですが、「まずは足元を固めてからやろう、余力が出たら人材や設備の投資にあてて、それから輸出を考えよう」というところまでで、なかなか実現には至りません。 また、今の時代ですから、いきなり海外という選択でもいいのかも知れません。クリアするのは法的な手続きだけですし、輸入ができるということは輸出もできるということです。西里 海外展開するのに有望なマーケット、有望な商品はどんなものだとお考えですか?米澤 沖縄には沖縄固有の歴史と共に育ってきた伝統工芸品があります。壺屋の陶器は欧米系の、特にヨーロッパの人が買っていきます。確かにヨーロッパは、各地に窯があって、有名な焼き物がある。ヨーロッパに焼き物を売るのであれば、一緒に沖縄の伝統とか、遺産とか、そういうコピーできないものに付加価値をつけて輸出をしていく。次の段階で向こうのリクエストに応えたものをつくり、それを輸出するという流れではないでしょうか。 紅型は、琉球王朝時代の主に王族や士族の衣装として培われた染め物です。それを反物で輸出し、原料として供給する。供給する先は、例えば、夢のような話かもしれませんがオートクチュールのテキスタイルとして使ってもらえれば、ブランドイメージはすごく上がる。付加価値を認めてもらえるところに出していくというような方法もあるのかなと。泡盛にしても同様で、大きな経済効果にはならないかもしれませんが、沖縄の認知度を高めて活かすことができます。西澤 確かに、欧米というのはブランディングを考える上では重要なところかも知れません。西里 冒頭で西澤所長からお話がありましたが、海外展開を望む企業側の熱意に対し、サポート機関として果たす役割とはどのようなものでしょうか。米澤 我々は輸出をしたいという企業に対して、運ぶということで支援をします。輸出をしたいという強い意欲のある企業、条件を満たす強い企業があっても、なかなか単独では輸出ができない。沖縄のマーケットが小さくてスケールが取れないので、商社が介在しづらいんです。 営業先で、よく人的ネットワークで繋ぐサービスについて相談を受けることがあります。「ここはこの人が行ってくれたら」とか、「ここはこの人にお願いできるんじゃないか」など、我々の手の届かない分野を求められる。  だからこそ、企業のスタートアップのブースターのような機関、機能が今後必要なのかなと思っています。西澤 中小機構がやられているキュレーター研修など、とてもいいと思います。これからは、幅広い行政の支援ツールと物流、貿易に欠かせない民間事業者が提供しているサービスをうまく組み合わせ、紹介あるいは提案ができるよう、さらなるサポートが必要だと感じます。 海外への進出を目指す強い熱意を持った経営者と、志を共にする社員の気持ちが一つになってこそ、中小機構の支援メニューが活きてくると思うのです。西里 本日は、本当にありがとうございました。沖縄の可能性が見えてきたような気がします。 本誌面をお読み頂いた事業者が本気で海外展開を志向したとき、ぜひ中小機構をお訪ねください。熱意のある良い専門家をコーディネートさせて頂きます。■海外展開で成功するには?■有望なマーケット、商品とは?■経営者の熱意とサポート機関の存在が重要なカギ

元のページ  ../index.html#5

このブックを見る