沖縄プロデュース2020(電子ブック)
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39 OKINAWA PRODUCE 2020先進事例② 2017年に開発した「シマノネ」は、ものではなく、沖縄のデザインを発進するブランドです。沖縄県立芸術大学とプロジェクトを組み、沖縄の自然や文化をモチーフにして、ぽち袋やはがきなどの紙雑貨からスタートさせました。売り上げの伸び率が一番高いのが「シマノネ」です。大手アパレルブランドとのコラボレーションで、「シマノネ」のデザインを使った雑貨を製品化し、春夏限定での全国販売が決まっています。Q 事業承継について 引き継ぎの際には、守ることと変えることの見極めが必要とされました。「琉球の自立を目指す」という創業者の経営目的に共鳴していたので、これだけは守りたいと思いました。財務的な面では変革が必要だと感じたので、まずは月1回社内ミーティングを開き、月次決算をパートも含めた社員に共有することにしました。会社の収益に関心を持ってもらうことで社員の当事者意識が高まり、収益アップに繫がりました。また、給与体系を見直して昇給の体制を整えるなど、社員のモチベーションを高めるとともに働きやすい環境づくりに努めています。Q どのような事業ですか? 「琉球の自立を目指す」ことを経営目的に、1988年に創業しました。沖縄の工芸品や食品の企画・流通がメインのセレクトショップです。最近はデザインを手がけたり、工芸業界の課題解決に向けてのプロジェクトのマネージメントも行っています。Q ブランディングの取り組みについて 2001年、テレビで「ちゅらさん」が放映されたのを機に、沖縄ブームが起こりました。当時は、ものを出せば何でも売れる状況でしたが、ブームは急激に去って、沖縄物産業界は窮地に追い込まれました。売る側もそうですが、つくり手の状況はさらに厳しかったと思います。 その頃、創業者が急逝し、私が経営を引き継ぐことになりました。この苦境を脱するには「付加価値を付けて売るしかない」と考えました。まずは、唐草模様の焼物のブランディングを行ない、「nife(ニーフェ)」のブランド名で売り出しました。それから琉球ガラスなど、徐々に素材を広げて、ブランドの数を増やしていきました。どのブランドも立ち上げから順調に売り上げを伸ばしています。Q 今後の展開は? ブランディングの経験から得たノウハウを活かして、地域や業界の課題解決に繫がっていくような活動をしていきたい。最近の活動としては、織物職人さんを対象に市場の動向をはじめ原価計算やマーケティングの考え方などをテーマに研修プログラムを実施しました。Q 中小機構へのご意見、ご要望など ブランドの立ち上げに際しては「地域資源活用」プログラムで、きめ細かなサポートをして頂きました。自社の力だけではスタートアップは難しかったと思います。 展示会への出展に際しては、成果を焦らず、機会あるごとに出展を重ねた結果、徐々に成果が出るようになり、さらなる販路の開拓に繫げることができました。中小企業支援アドバイザー:伊波 貢洗練さが足りないといわれる沖縄の工芸品の高度化に貢献してきました。「シマノネ」を通したデザインの力によるブランディングも、新たな挑戦として注目されます。ゆいまーる沖縄株式会社代表取締役社長 鈴木 修司〒901-1104 沖縄県島尻郡南風原町宮平652Tel:098-882-6990 Fax:098-882-6996http://www.utaki.co.jp/https://www.facebook.com/yuimarluokinawa.jp経営目的を守り、社内体制の変革を図りつつ、沖縄らしいデザインを発進する専門家コラムexpert column成熟期企業の視点【セッションテーマ】成熟期支援新しい感覚の沖縄の伝統工芸品が並ぶ店内。右は沖縄の自然や文化をモチーフにした「シマノネ」のコーナー

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