沖縄プロデュース2020(電子ブック)
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OKINAWA PRODUCE 2020 2西里 沖縄のアジア向け海外展開のポテンシャルは非常に高いと言われていますが、なかなか踏み出せていないという現状があります、どのようにお考えですか。西澤 海外展開が成功している企業を見ますと、まず、社長さんが熱意を持ち、海外展開のプロジェクトにコミットしているということですね。2点目が海外展開を担当するしっかりとした人材がいるということ、3点目は、海外展開が、その企業にとって本当に必要な取り組みであるかどうか、ということです。西里 一方、輸出手続きには当然、物流が伴いますが、沖縄から物流展開をするにあたって法規制の緩和等取り組みやすい状況なのか。それともハードルが高いのでしょうか。米澤 条件は日本全国共通ですから、特に沖縄だけハードルが高いということはありません。企業がきちんと取り組んでいれば、クリアしなければならない法律や手続きが把握できますが、そもそもそのレベルに至っていないというケースが大多数ではないでしょうか。「売れているから、声をかけられたから、輸出してみようかな」という軽い考えで取り組むと、かなり高いハードルになります。 結局、経営力の問題や社長の熱意、そして何のために輸出をするのか、そういったベーシックなところがクリアできていないといけない。それができれば人材は必然的に育ち、社内体制が整うのだと思います。西里 他の都道府県の中小企業と比較して、何か違いがありますでしょうか。西澤 まず産業構造の違いというのが一つあるのかと。例えば、沖縄は観光が主たる産業ですが、九州で輸出されている企業は農水産食品を取り扱っています。沖縄は台風等の影響もあって農林水産物の生産量が安定しない。やはり安定供給というのは、すごく大事なポイントではないかと思います。西里 沖縄の場合、比較的零細企業が多いので量を確保するのもなかなか難しいところがあります。西澤 全国の中小企業者のビジネスモデルの海外展開の戦略を見ると、海外に持っていくことによって、JAPANというブランドイメージや日本の高品質というところで、差別化できている事例もあるので、沖縄県産品にこだわらなくても、特徴のある技術やサービスなど、どういうところに着目するか、ということで差が出ることがあるかもしれません。 産品に優位性があるかどうかは分かりませんが、ただ沖縄は島嶼地域で、台風が多く、塩害があるなど、沖縄の自然環境に対応するための技術やサービスというものがありますので、海外の同じような課題を抱えている地域であれば、それらの技術・サービスは強みになると思います。西里 モノや産品というよりも、技術・サービスなどに優位性がある、ということですね。 一方、物流、輸送という観点から、他の都道府県に比べて沖縄の優位性というものはあるのでしょうか。米澤 端的に言うと、沖縄はローカルポートですから、沖縄だから優位だということはありません。昔は不利な面もありましたが、今は、海上だけに関して言うと、コンテナの貸切りで、ほぼ世界中どこへでも送れます。我々が提供している混載サービスでも、軽く130都市以上は輸送することが可能です。博多などに比べても遜色はないくらいです。台湾の高雄まで運べば、世界中のどこへでも持っていけるということですから、優位性というよりも不利は全くないと言えます。■海外展開における 熱意と人材■沖縄の優位性について県内企業の海外展開支援を行う独立行政法人日本貿易振興機構(JETRO)沖縄貿易情報センター所長である西澤氏と、1950年の創業以来、沖縄の物流を担ってきた株式会社OTKの国際営業部長である米澤氏のお二人に、県内中小企業者が海外進出を果たすために必要なポイントなどについて、貴重なご意見を頂きました。中小機構沖縄事務所中小機構沖縄事務所シニア新事業支援マネージャーシニア新事業支援マネージャー西里 喜明西里 喜明 氏氏株式会社OTK株式会社OTK執行役員・国際営業部長執行役員・国際営業部長米澤 敬司米澤 敬司 氏氏日本貿易振興機構(JETRO)日本貿易振興機構(JETRO)沖縄貿易情報センター沖縄貿易情報センター所 長所 長西澤 裕介西澤 裕介 氏氏Special Interview特記集事11

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