沖縄プロデュース2020(電子ブック)
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OKINAWA PRODUCE 2020 32海外展開支援事業者①グッドデザイン賞を受賞した琉球銀行牧港支店の屋根には、薄くて軽い繊維コンクリート(HPC)が使われた。右は豊見城市役所の外観とHPCを使用した壁面のアップされ、グッドデザイン賞など数々の賞も受賞することができました。Q 活用した支援メニューとその効果は? HPCの製造技術は世界的にみても当社独自のものです。そこで我々は、世界を相手に優位性・持続性ある事業展開をするべく、HPCの技術を権利化したライセンスビジネスを計画しました。海外に向けてのライセンスビジネスに取り組む中で、インド・ゴア州のお客様から現地でHPCを製造したいとのご相談を受けました。海外企業との商談には不安が大きかったため、中小機構に相談し、秘密保持契約や日印双方での適正評価手続きなどで専門家の支援を頂きました。おかげでお客様と信頼関係を築くことができ、本契約に向けてスムーズに商談が進んでいます。 インド渡航の際には訪問先の選定やアポ入れだけでなく、現地にも同行くださり、様々な機関を訪ねました。中でも在インド日本国大使館では大きな収穫がありました。国土交通省とインド住宅都市省は「都市開発に関する日印交流会議」を定期開催しているのですが、2020年のインド会議でのプレゼンテーションの打診を受けたことは快挙です。Q 建材の特徴と事業の経緯について 一般的な鉄筋コンクリートは、内部を鉄筋で補強することで強度を高めており、厚いコンクリートが鉄筋の錆びを防いでいます。我々が開発した「HPC(ハイブリッド・プレストレスト・コンクリート)」は、鉄筋の代わりに錆びることのないカーボンワイヤーを使用した炭素繊維コンクリートパネル。強度を保ちながら、わずか38ミリという薄さと軽さを実現した画期的な建材です。 製法は補強材のカーボンワイヤーを引っ張りながらコンクリートを流し固めて、その後ワイヤーの緊張を解くというもの。ワイヤーの元に戻ろうとする力がコンクリートを圧縮・強化します。これにポリプロピレンを加え弾力性も兼ねた製品に仕上げました。 製品化してすぐに東京・南青山のブティック「ステラ・マッカートニー」の内装材に採用されたため、模倣を防ぐ目的で特許申請しました。創業前から研究に着手していたこともあり、申請から8か月というスピードで特許を取得。国内外のコンペに積極的に参加して採用実績を増やしており、琉球銀行の牧港支店では屋根にHPCが採用Q 今後の展開は? インドでは低所得者層の住宅不足が社会問題になっています。「海水でも製造可能な低コスト性」「短時間で簡単に組み立てられるパネルキット式」「リユーザブル」といったHPCの特徴を活かした低コスト住宅なら、住宅問題の解決に貢献できるはずです。まずはインドでの事業展開を成功させ、より多くの国々でSDGsに寄与することができればと思います。Q 中小機構へのご意見、ご要望など 中小機構の支援を受けたことで商談先や現地の行政機関などの信頼を得ることができただけでなく、思いがけないチャンスにも恵まれました。沖縄には多くの機関や企業が進出しています。公的な支援も厚く、企業は恵まれた環境にあると感じました。 成長段階の我々が沖縄県内における中小企業の国際化の成功事例となれるよう、今後も沖縄発の海外展開に力を入れていきます。世界初の薄型軽量コンクリートを開発し、インドの住宅問題解決に挑む株式会社 HPC沖縄代表取締役 阿波根 昌樹〒901-1207沖縄県南城市大里字古堅1246Tel:098-897-3211http://hybridpc-okinawa.com/国際化支援アドバイザー:小渡 晋治沖縄に留まらず日本発の新しい建築技術として世界に打ち出せる商材だと思います。インドなど巨大な市場に上手く浸透することを期待します。専門家コラムexpert column【事業概要】国際化支援アドバイス(伴走型)の活用によるインド市場展開の可能性

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