Incubation Report vol.11
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Incubation Report Vol.1118インキュベーション事業活動入居企業の活動周囲の評価が変わり非常に助かりました。 医療ビジネスは時間が掛かるので資金はいくらあっても足りませんでした。その後、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の助成事業を活用する中で、徐々に評価されてVCが投資を検討してくれるようになりました。現在ではみらい創造機構(VC)や事業会社からも出資をしてくれるまでになり、やっと本格的開発のスタートラインに立てたところです。 現在の開発状況ですが、マウスでの予備試験で、酸素と栄養のブロックにより、腫瘍の増殖が阻害されているデータが得られた段階です。これからより大型の動物での実証実験が始まります。治験を経て承認を取得し製品を患者さんに届けるまでにはまだ数年は掛かりますが、決して諦めないことです。― この封止剤は従来の塞栓材とは何が違うのですか 塞栓材が血管内を閉塞するのに対し、封止剤は血管の外で酸素と栄養を遮断するのです。当社は高分子材料のナノ粒子化を、しかも、生分解性の材料で実現しました。 正常組織の血管はいわば桶でいう「たが」がしっかり巻かれたような状態にあるのですが、がん組織にある新生血管では「たが」が緩んでいる。 我々が開発したナノ粒子封止剤(MDX)をカテーテルで注入すると、がん部分では「たが」の隙間から血管外に一部が漏れだして膨潤します。これによりがん組織を選択的に標的してバリアを形成し、兵糧攻めにすることが出来るのです。そして、これから ― 今後の展望をお聞かせください まずはニッチながん種で実績を上げ、適応範囲を広げたいと考えています。表在がんをターゲットとして麻布大学でラットによる前臨床試験を行い、国立がん研究センター等と臨床試験に取り組む予定です。 社名に「インターナショナル」を付けているのは、日本発、東工大発の技術で世界の医療に貢献したいとの思いからです。全世界の市場は日本の15倍はあると言われています。単独では世界に向けての事業展開は出来ませんので、これから国内外の多くのパートナー企業と連携し、ビジョンの実現に向けて加速したいと考えています。代表取締役社長田中 武雄会社名メディギア・インターナショナル株式会社 代表取締役田中 武雄所在地横浜市緑区長津田町4259-3東工大横浜ベンチャープラザ E207事業概要医療用機材・システムの研究開発・製造・販売URLhttps://medigear.co.jp/2013年4月メディギア・インターナショナル株式会社設立2014年6月東京工業大学と共同研究契約を締結2016年12月NEDO SUIプログラムに採択2017年8月東京工業大学より「東工大発ベンチャー 第82号」に認定2017年9月シードラウンドの資金調達2018年9月麻布大学と共同研究契約を締結、国立がん研究センターと共同研究契約を締結2018年11月NEDO STSプログラムに採択、シリーズAラウンドの資金調達2019年2月nano tech 2019にてプロジェクト賞を受賞2019年8月特許庁知財アクセラレーションプログラム(IPAS)に採択会社情報会社略歴■入居のきっかけ  私が東工大出身でしたので、初めは大岡山キャンパスに相談に行きましたが、ラボに空きがありませんでした。産学連携本部から情報を得て、見学に来たことがきっかけでした。■入居しての変化  東工大の研究室(大学院での所属研究室)との連携ができることが最大の魅力です。様々な研究機関との連携もしやすくなりました。中小機構が全面的に支援してくれるので助かっています。特にインキュベーションマネージャー(IM)が様々な情報の提供や資金調達や販路開拓面でも伴走支援してくれます。■入居して良かったこと、将来の入居者へのメッセージ  苦しい時の相談相手として、IMが心の支えになってくれます。また、インキュベーション間の連携もよく、自社だけでは実現できないことを支援してもらえます。例えば、東大柏ベンチャープラザとの連携により、国立がん研究センター東病院外科長との共同開発や企業提携などにつながりました。ロケーションを活かして様々な研究機関や支援機関とネットワークを構築できることが魅力です。 入居前相談時に田中社長から事業計画を聞き、薬を使わずにがんを壊死させるという、その画期的なアイデアに驚いたと同時に、技術的な裏づけは何もない状態だったので、今後の支援の難しさを覚悟した記憶があります。 資金的には苦労しかなく、開発は困難を極めた7年間でしたが、やっとVCからの出資もいただけるようになり動物実験間近まで進展してきました。 事業ステージが進むに連れてインキュベーション施設でできる支援も少なくなってきていますが、卒業までしっかりと支援を継続していきます。インキュベーションの利用東工大横浜ベンチャープラザチーフインキュベーションマネージャー穐本 仁担当マネージャーからのコメント 大学のシーズ・知見を活用した新事業展開をサポート。東工大横浜ベンチャープラザは、中小機構が神奈川県、横浜市及び東京工業大学と連携して運営しているインキュベーション(起業家育成施設)です。東工大横浜ベンチャープラザBI紹介〒226-8510神奈川県横浜市緑区長津田町4259-3https://www.smrj.go.jp/incubation/yvp/(役職等は2019年8月現在のものです。)

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