Incubation Report Vol.10(電子ブック)
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インキュベーション事業 2018年度活動報告 卒業企業に聞く!31インターネットが普及したのに、生活者が必要とする病院検索サイトがない。世の中にないなら自分が作ってみようと起業したカルー株式会社 代表取締役の具志 林太郎 氏に、起業の経緯、事業内容、今後の展望についてお話を伺いました。 起業、会社のおいたち ― 学生時代から起業を考えていたのですか 慶應義塾大学の湘南藤沢キャンパス(SFC)には学生時代に起業する方もいますが、私の場合は当時は起業など全く考えていませんでした。卒業後は外資系金融機関に入社し、生まれ育った神奈川県を離れて東京都で生活していましたが、結婚して1歳の子供に病院を探そうとした際にとても苦労したのです。そのころインターネットで検索しても病院情報はほとんどありませんでした。住まいを替えたら内科、外科、小児科・・・と一揃いの病院の心当たりが必要になります。そこで、病院についても「食べログ」のような口コミサイトがあったら役立つのではと考えたことが起業のきっかけになりました。 ただ、実際に起業したのは、外資系金融機関に5年間勤めて区切りをつけ退職してからです。とくに最後の1年間は、起業して成功しているSFC出身の先輩たちのような生き方をするのか、それとも金融機関で働き続けるのかをしっかり考えたうえで決断しました。妻はカルー株式会社クリニック経営をサポートするプラットフォーム構築を目指す慶應藤沢IV卒業企業不安があったでしょうが、反対はされませんでした。SFCで同じサークル(NPO法人でのボランティア)の後輩だった松原(現CTO)と今村(現デザイナー)の3人で2010年3月に会社を立ち上げました。 事業の展開と現在 ― 起業後のご苦労について教えてください 我々が目指したビジネスは受託開発ではなく、サービスを提供することにより収益を上げるモデルでしたから、利用者がいなければ売上げにはつながりません。 まず、病院検索サイト完成まで半年かかりました。ここまでは覚悟していましたが、サイト完成後もアクセス数ゼロが続き、毎月の売上高が0円だったので最初は焦りました。よく考えてみると世の中に存在しないサイトを大海原にオープンしたようなものですから、アクセスがなくて当たり前ですね。そこでポスティングを実行してみたのですが、それでもアクセス数はゼロで全く効果がありませんでした。その後、徐々にアクセス数が増えて黒字化に転換することが出来ました。ちなみに、当初はクリニックや患者からはお金をいただかず広告収入で運営を始めました。 営業マンがいない5,6名の体制が4年間続きましたが、営業を採用するようになってから事業は拡大基調になり、事業の拡大に伴ってエンジニアを採用し、さらにアルバイトのスタッフがつくというサイクルが回るようになりました。現在では従業員は26名、アルバイトが16名の企業に成長することが出来ました。その内訳は、営業が16名、デザイナーが3名、残りはエンジニアです。現在は病院口コミ検索サイト「Caloo」と動物病院口コミサイト「Calooペット」を運営しています。― 採用や組織運営で気を付けていることはありますか 世の中のベンチャー企業でありがちなのは、資金調達を行って優秀な経営層クラスを採用するというパターンですが、当社は資金調達しておらず株式公開のプレッシャーがありませんので、事務長代行サービスカルー株式会社が提供する「事務長代行サービス」は、事務長のいないクリニックに対し、増患(患者数を増やす)対策、レセプト(明細書)分析、マーケティング、スタッフ管理などの経営業務を代行し、院長の経営課題をサポートしています。サービス紹介代表取締役具志 林太郎

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