Incubation Report Vol.10(電子ブック)
24/36

インキュベーション事業 2018年度活動報告23AIテクノロジーを活用し、「店舗」×「人」×「テクノロジー」の組み合わせによって生み出される価値の創出を追求するAWL株式会社のCTO 兼 AI HOKKAIDO LAB所長の土田安紘氏に、起業の経緯、会社の特徴、今後の展望についてお話を伺いました。AWL株式会社04起業、会社のおいたち ― 社名の由来と起業の経緯について教えてください 社名であるAWL(アウル)は「AI(人工知能)+OWL(フクロウ)」を足した造語です。当社のソリューションが、店舗を見守り、人間の「目と頭脳」を補完することで、人間と調和し、店舗の生産性向上、業務効率化、付加価値創出を実現するという思いが込められています。 起業の経緯については二人の創業者である代表取締役社長の北出とAI第一人者の川村教授(北海道大学・調和系工学研究室)の出会いについて語る必要がありますね。北出は、大学卒業後に、北米にてITコンサルティング、リサーチ&マーケティングを担当し、帰国後は、複数のITビジネスの立ち上げに参画しました。その後、大手企業のコンサルティング、ソリューションサービスの提供を行ってきました。 2012年ごろからアメリカでディープラーニングが注目され、日本でも2014年ごろにAIへの関心が高まるなかで、多くの取引先からさまざまな課題をAIで解決できないかという問い合わせをいただく機会が増え、北出はAIの最先端に立つ研究者を求めていました。この時に出会ったのがもう一人の創業者の川村教授です。北出からの相談を受けて川村教授を紹介したのが、北海道内を中心にドラッグストアーを多店舗展開する現・サツドラホールディングス株式会社(以下、サツドラHD)の富山社長でした。北出と川村は2016年6月にエーアイ・トウキョウ・ラボ株式会社を設立し、1年後の2017年6月にサツドラHDと資本業務提携して、サツドラグループに参画しました。その後、2019年3月に会社分割し、商号をAWL株式会社に変更してAIソリューション事業に経営資源を集中させました。なお現在、サツドラHDの富山社長はAWL(株)の代表取締役会長を務めています。― 御社の提供する小売業界向けAIサービスの特徴は どのようなものでしょうか 小売事業の世界ではEC通販サイト(eコマース、電子商取引)と実店舗におけるリアルな販売があります。EC通販はウェAIテクノロジーをもとに、小売業とそこで働く人々の未だない革新的な未来を創造するスペシャリストチームブサイトを通してアクセス数から販売実績につながるまでのプロセスがデータで管理できるようになっていて、データを活用した改善が可能ですが、実店舗ではそのような取り組みが遅れており、生産性が低い、あるいは、お客様に対する価値提案が十分にできていないというような課題があります。当社のサービスはディープラーニングを応用したAIカメラによって、お客様の性別、年齢、店舗内の行動履歴(どのルートを通って、どの商品を見て手に取って、購入したか否かなど)といった、これまで取得することができなかったお客様の行動を把握し、データとしてサーバーに伝送し、そこで機械学習によるデータ解析を行うことで改善点を明らかにすることができます。例えば、お客様の行動分析により、店舗エリア別にレイアウトや商品配置、接客体制の改善や、複数のデータと組み合わせることで効果的な施策の実施、スタッフの配置や在庫管理といった新たな価値の提案につなげるなど、経営に生かせるという点が特徴です。事業の展開と現在 ― なぜ北海道にR&D拠点として「AI HOKKAIDO LAB」を  設けたのですか サツドラHDは北海道を中心に200店舗以上のドラッグストアーを経営しております。また、POSレジのクラウド化や、地域共通ポイントカード「EZOCA」といった、ドラッグストアー経営だけにとどまらない事業活動を展開するユニークな企業です。サツドラグループ独自のネットワークとデータと、実店舗を持つ強みを活用できることから、実証実験を行わせてもらいながら、研究開発を日々進めております。また、北海道大学連携による最先端の技術開発の応用や、川村教授の研究室をはじめ北大の優秀な学生の協力を得られること、北出自身の出身地でもあったことから、北海道に進出することは、ごく自然な流れであったと振り返ります。― 設立2年で急成長しているとお聞きしました おかげさまで、創業から2期連続で黒字を達成しながら、拡大を北大ビジネス・スプリングBI入居企業活動事例

元のページ  ../index.html#24

このブックを見る