Incubation Report Vol.10(電子ブック)
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インキュベーション事業 2018年度活動報告19化粧品、電池、バイオ、そしてロケットまで、あらゆる産業に素材からアプローチし、これまでの「不可能」を「可能」にすることを目指す株式会社ケミカルゲート。代表取締役の山田展也氏に、起業の経緯、事業内容、今後の展望についてお話を伺いました。株式会社ケミカルゲート02起業、会社のおいたち ― 起業したきっかけを教えてください 最初は代表取締役・工学博士の私とその他のメンバー2名が、2014年の秋に「NEDO・研究開発型ベンチャー支援事業」の起業家候補(SUI)に採択されたことがきっかけでした。この3名が創業メンバーとなり2015年3月3日に株式会社ケミカルゲートを設立しました。その時にNEDOのメンターを務めていたのが、取締役会長・工学博士の曽我弘と顧問・工学博士の安友雄一です。この事業は1億円の出資を受けて、2年間で目標を達成するというものでしたが、2016年10月に終了する段階で目標を達成することができず、他のメンバーは退社することになりました。残った私は「このまま微粒子製造プラットフォームでアプリケーションに革新をもたらすハイテク・スタートアップ終わらせたくない」という思いで、曽我と安友に相談し、2人に経営に参画してもらうことになりました。新生ケミカルゲートのスタートです。事業の展開と現在 ― 微粒子製造プラットフォームで何を実現しようとしているのですか 我々はスタートアップで、潤沢に資金があるわけではありません。そこで有望で社会的意義が大きい市場を2つ定めました。1つが歯科材料分野です。近年の医学により高齢者にとっての奥歯の重要性が明らかになってきました。奥歯がなくなると転倒リスクが高まり、噛む力が弱まることで脳への刺激が減るため認知症リスクが高まるというものです。すでに奥歯の歯科材料は存在しますが、1本10万円以上で保険が効かない自由診療になるために誰もが受けられる環境とはいえないのが現状です。そのため我々は、頑丈な奥歯を現状の価格帯より安くする微粒子とその製法を開発中です。大手企業と共同研究契約を締結し、強度の信頼性を高める段階まで進めています。原料はすでに薬事承認を受けている化学組成ですので、新たな薬事承認は必要ありません。「死の谷」を早期に脱出できる分野を選定しました。 もう一つは、熱膨張制御の分野です。一般の材料は温度が上がると膨張しますが、半導体・電子部品・自動車・通信機器など多くの産業において、熱膨張制御はスペックや性能にかかわる重要な課題となっています。この課題を解決するのが、温度が上がると収縮する負熱膨張特性を持つ材料です。名古屋大学大学院工学研究科の竹中康司教授が発明し、当社の技術によって更なる微粒子化・量産性の向上に成功しました。2019年1月に出展した「nano-tech2019」以降、さまざまな分野の企業からサンプルの引き合いをいただいています。― これまでのご苦労を聞かせてください 一番は資金調達です。我々はスモール・ベンチャーになるつもりはありません。リスクを取ってでもJカーブで大きく成長するハイテク・革新的微粒子我々のコア技術は、原料を含むミストを噴霧させることで標的となる化合物の化学組成を維持したまま微粒子に転換させる「微粒子製造プラットフォーム」です。化学組成や粒径を制御し、一定かつ均一に製造することができるため、さまざまなアプリケーションに革新をもたらすことができます。製品紹介名古屋医工連携インキュベータ(NALIC)BI入居企業活動事例

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