ハンズオン支援事例集(平成29年度)
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60職人気質の経営から脱却し、マネージメント体制の再構築―勘・コツの熟練社員『匠』を現場改善により、数値管理できる技能集団『匠』に変貌―第3期<専門家継続派遣事業③>(平成28年1月~平成28年12月(12ヶ月)) 第3期支援は、よりいっそうの自立化を進め、自主的にPDCAを回せるようになることを意識して取組んで頂いた。また、社長には、アドバイザーに代わって社長自らが現場改善の指揮を取り、経営としてやるべきことを明確に伝えスタートした。1)独自で改善(業務・生産)活動を推進できる体制(企業体質の変革)にする 「5S」活動に取組んでもらった。「5S」活動は、当社において、今まで何度かトライして失敗した経緯から雰囲気がこじれており、社員は取組に消極的である。また当社のような個別生産のメッキ業で「5S」ができている会社は見当たらないことなど、チャレンジ要素が多い取り組みになる。 そこで、社長の意志表示とアドバイザーからの5Sの目的説明、十分な対話を行った「5Sキックオフ大会」から開始した。5S活動では、トラック4台分の廃棄があり、工場内がスッキリ整理された。第3回目の改善発表会には、パワーポイントを使ったグループも出始め、第4回目には、ほとんどのグループもパワーポイントでのプレゼンでかなりレベルアップしている。内容もQC7つ道具を使用し、レベルの高いものになっている。 支援前は、作業者の『匠』という勘・コツで管理していた作業だったが、数値管理できるようになり、見える化が図られたことで、コントロールできるようになってきた。新入社員に対しても、標準書に従った教育が出来るようになり、製品の合否判定等も勘ではなく、基準に従って行えるようになってきた。 また、「5S」活動により要るものと要らないものが明確になり、要らないものは廃棄し、探すムダがほとんど無くなった。コミュニケーションも事務所を含めて活性化してきた。数値管理・標準が進み、ムダが改善され生産性、品質が向上したことにより、新規受注も増加傾向にある。 社長と従業員のコミュニケーションが良くなり、現場の問題点がタイムリーで社長に報告されるようになるとともに、次はこれに取組むといった社長からの戦略が現場に伝わるようになった。従業員同士もお互いに声をかけるようになり、改善に協力してくれる風土が出来た。 以上のような3期間の支援を終え、当社の変化は、QCDの面でレベルが向上し新規受注も以前より好調である。売上、利益とも好調に推移している。 当社は、高い技術力を持ち従業員の方も比較的若い方が多いので成長が楽しみな企業である。今後は、より成長を確実にしていくために、経営幹部の育成が不可欠であり大きな課題だと思われる。 同時に、技術伝承を進め、さらなる技術の高度化にも取り組み、競合他社に打ち勝つ技術的な優位性を構築することも重要である。 以上の状況から、当社の今後の課題としては、現場改善の更なるレベルアップと「5S活動」の定着を期待する。5S活動(廃棄品の一部)今後の課題

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