ハンズオン支援事例集(平成29年度)
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59株式会社生駒 支援に当たって、企業側のプロジェクトメンバーは、社員から出された問題点を5つに分け全員がどこかのチームに参加することにした。5つのチームのリーダを中心にプロジェクトを進めていった。 機構側は、社長と従業員の溝を埋めることを想定し、ある程度長期的な支援になることを前提としながら、現場改善経験豊富なアドバイザーを選定し、プロジェクトをスタートした。第1期<専門家継続派遣事業①>(平成26年12月~平成27年4月(5ヶ月)) 経営全般における経営課題の洗い出しを行い、その取り組みの中で、特にQCD管理力の向上と組織の活性化について重点的に推進する。 改善テーマは身近なテーマに設定した。1)合否判定の方法〈合否判定基準:品質〉2)生産性向上〈メッキの標準化:納期〉3)研磨の標準化〈研磨方法:技術〉4)メッキの標準化〈メッキ液粗成の標準(電極の位置):技術〉5)加工着手順序〈生産指示をスッキリ!:納期〉 大きな課題として組織体質の硬直化があり、それは、かなり根深い問題であることが判明した。 熟練社員の技能で匠を標榜しているが、技術レベルは決して高くなく、国内市場の縮小や競合他社により市場を奪われる可能性がある。しかし当社の社員にはその危機感が薄く、また自社の「技能(個人に付いた知)」を「技術(組織に付いた知)」に昇華させる方法も理解されておらず、『匠』を標榜するものの実態が伴っていない。 『匠』とはどうなることか、『匠』になるためにはどうするべきかを、改善活動を通じ社員に浸透させ、『匠』への道を歩みだした。 全社をあげての改善活動は初めてのことであり、手探り状態ながらも、社員ヒアリングから得られた5つの問題点に対して、解決策を検討していった。アドバイザーは、自立の精神を育てようと、やらされ感が出ないように自分たちで考えられるように根気強い支援を行った。 支援の締めくくりに5つのチームの改善発表会を開催した。社員にとってこうした改善発表会は初めてのことであり、この時点では、パソコンを扱える人はほとんどいない状態であった。改善内容を社員が評価し、優秀と思った改善を行ったチームに一人一票を投じる方式にし、トップのチームを表彰した。 ここで、月々の売上を目標値・前年同月比等でグラフ化して公表した。これにより、従業員が経営数値を意識するようになり、仕事につながるQCDの情報が共有できる状態になった。第2期<専門家継続派遣事業②>(平成27年6月~平成27年11月(6ヶ月)) 第1期の支援を終え、組織の活性化に一定の成果をみたが、改善についてはアドバイザーがリードした感が高く、自主的に改善テーマを見つけ自発的にPDCAを回す事を目標にした2期目の支援が開始された。1)永続的発展を願う変化へのチャレンジ2)小集団活動による現場改善のPDCAの定着3)自立改善できる組織への変革 第2期の支援においては、第1期に引き続き、全従業員による改革・改善運動のPDCAを回すことにより、同運動を自立的に実行できる様に定着させ、また同運動を通じ、社内コミュニケーションの更なる活性化、社員のモチベーション向上による組織の活性化、企業の永続的発展に向けた体質改善のための支援を行なった。 第2期支援の終わりに、第2回目の改善発表会を開催した。第1期支援時に比べレベルが高まり、ずいぶん成長してきたのがわかった。改善チームの中には、数値で管理できる状態のグループも表れてきており、PDCAサイクルをまわして改善しようという意欲を強く感じるようになってきた。また、アドバイザーがリードしなくても、自発的にコツコツと改善する姿があちこちで見られるようになってきており、自立性が高まってきたことも感じた。 社長と従業員の溝は徐々に埋まりつつあり、コミュニケーションも活性化してきたが、まだ社長が実務をやらざる得ない状況であり、従業員にまかせきれない状態にあった。プロジェクト推進体制支援内容と支援成果

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