ハンズオン支援事例集(平成29年度)
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53株式会社松永製作所多能工8名で構成した。 中小機構側は、企業発掘の経緯と長期支援を考えプロジェクトマネージャーが管理者を兼務し、アドバイサーはISOシステムを熟知しており、人事・組織案件についても多くの支援実績を持つアドバイサーを選定した。第1期<経営実務支援事業①>(平成27年8月~平成28年2月(7ヶ月)) 当社は、町工場のままの体質・組織で海外展開を進め、売上げを拡大させてきたが、現状の仕組み、体制では課題が多く、成長・発展に限界があると思われた。そこで、属人的な個人技で業務を進めるやり方からチームで取組めるような組織・人事体制の見直しを行った。(支援の内容)1)意思決定の過程の透明化、決定事項の見える化。管理者の役割・部署毎の業務分担の明確化による、QCDの最終責任部署の明確化。 2)組織的意思決定と風土改革の為の課題摘出と対策。(支援の成果)・見える化の為の定例会議体の設定。突発事項は緊急会議を開催し対応。・管理者の役割・部署毎の業務分担の明確化は業務分掌規程を作成し明文化。・定期人事異動(6月)を半年延期し、今回の成果を反映させ12月に新体制、新職制を発令。(組織・管理の改革:管理スパン、人員配置、役割を考えた部長、課長、主任の任命)・組織力の向上(現場の中心となるプロジェクトメンバー全員がPDCAを廻し続けることの必要性を理解し、共有した。) 1期目の支援として人事・組織上の課題解決を優先し支援したことは、人材発掘や組織役割の明確化など、多くの成果が得られ、その後の活動の基盤づくりに役立った。また、成果を反映する為引き延ばしていた人事異動も実施され、即時に実行できる体制が出来た事も実務上役に立った。更に、終盤ではプロジェクトメンバーに活動の趣旨や進め方が現状業務と別ではなく、本来的な業務そのものである事が十分に理解され、プロジェクトメンバーの多くが部長、課長、主任へ昇格した事も相まって積極的、前向きな活動となってきた。第2期<専門家継続派遣事業①>(平成27年12月~平成29年7月(20ヶ月)) 2期目の支援は、生産規模を拡大していく中、属人的な活動をしてきた為、出来る事しかやらない風土が定着し、多くの課題が残されていたことへの改善を行った。1期目に作り上げた新職制、新組織体制の中で、定常業務と突発業務が業務分掌通りに粛々と出来るかの検証を進めると共に、生産管理上の課題解決が実施された。 2期目の支援におけるプロジェクトの推進体制は、1期目と同じくプロジェクトオーナーを社長。プロジェクトリーダーを生産統括の次長(後に部長に昇格)とし、プロジェクトメンバーは人財育成を重視する観点から、製造各課の課長、課長代理、主任の14名とした。 中小機構側の管理者は、1期目と同様であり、アドバイサーは生産体制の整備に実績のある中小企業診断士の資格を有するチーフアドバイザーを選定した。 なお、この2期目の支援は5ヶ月経過した後に一度中断をしている。その理由は、2期目開始後の中間報告会の際、溶接・縫製工程の生産・品質と外注納期に大きな問題がある事が分かったためである。本件をプロジェクトメンバー全員は分かっていたものの、これまで改善がされてこなかったこともあり、その状態が当たり前という認識であった。中小機構支援内容と支援成果プロジェクト活動の様子

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