ハンズオン支援事例集(平成29年度)
54/77

52東京パラリンピックをチャンスと捉えた組織体制整備―人事・組織、モノづくり、原価管理体制整備への複合支援― 平成26年11月に次年度のハンズオン支援企業発掘の中で、当社製品のレンタル卸をしている大手商社の社長から紹介を受け、当社を訪問。松永会長・社長と面談し、当社の経営課題や決算、中長期の経営計画などを伺った。中小機構のハンズオン支援の紹介を行ったが、その時点では、海外進出支援が最重要であり、施策活用には至らなかった。その後、時間をかけた討議の結果、活動の方向、支援内容などについてご理解を頂き、必要性が高まったことから、ハンズオン支援を開始した。 当社は、開発から製造、販売までの一貫した活動を強みに独創的な商品や価格競争により業績を伸ばし、売上は平成26年5月期で62.9億円、経常利益7.16億円と国内ではNo.1の企業となった。 一方で、従来から顧客満足度の向上や製品の高機能化・高価格化へのシフトは、少数の多能工とコストをかけた対応で進めてきたため、様々な所でゆがみや問題が顕在化していた。更に、国内トップ企業とはいえ、市場拡大に伴う競争の激化や介護保険法の改定を控えるなど外部環境の厳しい変化も免れない。また、アジアの発展途上国においてもマーケットが出来つつあり、競合各社とも海外進出を図っている。競争の激しさはますます高まっている状況でもある。 当社は、ISOも取得し、海外進出もしてきた実績があるが、事業拡大に伴う変化に、管理体制の確立が伴っておらず、町工場的発想からの脱却が出来ていなかった。その結果、PDCAが廻らず、ムダ排除や再発防止策も部分的となり、その場しのぎの対策が続いているように思われた。 今後の発展の為、背伸びした経営拡大(膨張)を一旦止め、中部本部のハンズオン支援を複合的に活用し、経営管理のあるべき姿を追及する必要性が高いと思われた。そこで、「海外生産体制を含めた身の丈に合った経営管理体制の充実を図る」をテーマとし、社内体制の整備に取組む支援を実施することで合意した。 1期目の支援は、人事・組織体制の構築の為、社長をプロジェクトオーナーとし、プロジェクトリーダーは生産統括の次長、プロジェクト事務局はISO推進事務局の担当主任とした。プロジェクトメンバーは開発、品管、製造、営業など各部の中核を担う中小機構との出会いプロジェクトマネージャーの視点と経営課題の設定プロジェクト推進体制支援メニューH25H26H27H28H29支援内容(支援テーマ等)経営実務支援事業①組織・人事体制の見直し専門家継続派遣事業①生産体制の再構築経営実務支援事業②2Sとネック工程対策05001,0001,5002,00002,0004,0006,0008,000H25/5H26/5H27/5H28/5H29/5売上高(左軸)経常利益(右軸)単位:百万円売上高と経常利益支 援 前支 援 後戦略・経営理念はあるが、その展開に戦略性はなく、売上目標のみ提示。・成長の為には売上だけでなく人材、技術、工場、管理体制などの基盤強化が重要であると気付いた。計画・中期経営計画や部門別計画はなく、売上計画のみで活動。・部門別に課題解決の為の計画を策定出来るようになり、評価もできるようになった。(PDCAが廻るようになった)管理・仕組・すべて属人的な経験による管理。・積み上げ原価管理方式で、結果オーライのどんぶり勘定。・職務を明確にし、数字による管理・仕組みの構築、改善を意識した行動になった。(管理会計の必要性を理解)組織・人材・声の大きな人に流され、個人商店の集まりのような組織。(責任と権限があいまいで個人プレーが多い)・自らの職務が明確になり、必要に応じ組織変更が出来るようになった。・部門・個人目標が設定でき、会社としての活力と改善意欲が増した。その他・指示に対する受け身の活動が多い。(課題・問題意識のない活動)・人材育成の社内仕組みがない。・支援活動の定着と自主改善。・人材育成の為、H30年から中小機構瀬戸校参加を計画。【量的変化】【質的変化】

元のページ  ../index.html#54

このブックを見る