ハンズオン支援事例集(平成29年度)
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43株式会社共進 企業の状況を調査してみると、生産管理が上手く機能していない背景には多くの問題があることが分かった。 その一つが工程内不良の問題であり、その廃却額は年間売上額の1.7%になっていた。現場では、作業標準書が整備されていない部署もあり、加工条件の変更も作業者が容易に行えるような状況であった。 このように甘い管理下で作業していた結果、工程内不良が突発的に発生し、生産全体に大きな影響をおよぼしていた。 また、生産管理面では内示と確定の差が大きく、生産の指示情報の精度に問題があった。必要でない在庫も増加し、生産計画も常に追加・変更を余儀なくされ、計画的な生産が出来ず、製造部への信頼が低下し、連携の悪さが見られた。 このような状況から、生産管理の再構築だけでなく、生産現場の体質改善も必要であると考え、支援テーマが『需要変動に強い職場作り』となった。 最初の取組みは、廃棄不良の問題に対してであった。廃不良内容を調査してみると、大きく3つの問題がある事が分かった。一つ目は同軸度不良の問題であり、構成する部品の精度や組立て設備の治具などの構造物の問題があった。二つ目は欠け不良の問題であり、出荷前に全数検査を実施し、ムダな工数を多くかけているというものであった。三つ目は突発的に起こる大量不良であり、作業者により発生率が変化するという問題があった。その背景には、標準化がなされていない事により、作業者の属人的な技量に任せている管理上の問題と業務のやり方があることがわかった。初期の支援では、この3大不良を製造担当、品質保証担当を交えて、原理原則に基づき着実に改善してきた。その結果、不良発生率は前年比20%低減することができ、廃却金額も360万円/年削減することが出来た。 生産の指示情報精度の問題については、客先と定期的なミーティングを行い、受注情報を聞き込み、需要予測向上に努めた。 また、初工程のブランクでの自動盤工程に於いては、生産計画と実績の見える化を実現する為「45度線管理」を定着させ、進捗管理のルール化を図った。このような対策実施の結果、ブランク工程に於いて計画遵守率が改善前96.8%→改善後99.4%と向上した。 支援の成果としては次のとおり。1)需要変動に強い職場づくり ・工程内不良の原因判明。削減目標値には到達できなかったが、原因を明確にし、改善が実施できた。 ・不良率ワースト製品における不良率の削減項 目不良率改善前改善後削 減GU4031.0%11.0%△20%二つ溝4.0%2.8%△1.2%全 体0.5%0.2%△0.3% ・客先との情報交換を密にし(客先との定期的な連絡会の実施)、内示情報と確定情報の差が縮減した2)生産管理システムの構築と計画生産 ・45度線管理の実践・定着と、進捗管理のルール化を図った  (計画達成率:改善前96.8%→ 改善後99.4%)3)リードタイム短縮と在庫の低減 ・リードタイム見直しと発注方法ルール化の実践 ・PCシステムは開発中  第1期の支援を通じ、当社は、スムーズな生産を実現する為の基礎固めを達成した。改善は継続して実施され、今回の支援で得た改善手法、ノウハウを会得した人材を生かし、実行力を向上させ続けている。 次なる課題は、更に一段上のレベルを目指すことで、平成29年7月から以下のような第2期支援に入っている。生産計画と実績の見える化ブランク工程における計画遵守率の変化

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