ハンズオン支援事例集(平成29年度)
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39高保製薬工業株式会社まで半減することができた。 しかし、プロジェクトメンバーのやる気は高まっていったものの、両テーマとも計画立案段階から実行段階に移っていく段階で、改善中途や未着手のテーマが残るなど、改善の歩みはスローペースであった。特に製造部門の改革、営業部門の強化が急務であり、PDCAサイクルを十分に回すことができていない状況にあった。PDCAサイクルを定着させるとともに自力でPDCAサイクルを回していく中心人材としての経営幹部の人材育成という課題が浮き彫りとなった。第2期<専門家継続派遣事業②>(平成28年10月~平成29年9月(12ヶ月)) 第1期の支援を終え、おおむね当社の計画経営の仕組みは創ることができた。しかし、真に重要な課題は、この仕組みの実践を通しての定着と自立化であることから、第2期は次の2つをテーマとして支援に取り組むこととした。1)計画経営の定着①行動計画が具体化するよう、徹底的に5W2Hに落とし込むとともに、この実行が着実になされるよう支援を行う。②PDCAサイクルを着実に回すことができるよう、会議体が機能するよう運営に注意を払い、目標管理の定着化を図る。③当期の実績の総括を行い、それを踏まえた次期計画の作成を行うという年次サイクルの実行の伴走支援を行う。2)全社的5S活動の継続と運営の自立化①全社での5S改善活動が継続的に実施されるような仕組みづくりと重点テーマが着実に推進されるよう支援を行う。②支援受入体制は第1期に同じとすることで改善活動が自立的に運営できるような支援を行う。 これらの取り組みにより次のような支援成果をあげることができた。1)計画経営の定着・行動計画の項目ごとに5W2Hで具体化され、その実績報告が会議体で確認される運営が定着した。・特に変動損益計算書や経営管理表、業績管理表の作成・活用が定着した。また経営計画もプロジェクトメンバーが中心となり作成できるようになり、PDCAサイクルが自分たちで回せる状態となった。2)全社的5S活動の継続と運営の自立化・5S活動は、一部遅れもあるが全般的には着実に進展し、改善効果が随所に表れる状態となった。・5S活動の取り組みにより、粉体ラインのレイアウト改善や計量作業・梱包作業方法が改善され、稼動時間は横ばいであったものの、製造量は、平成28年8月期(69期)では、1937㌧であったものが、平成29年8月期(70期)では2125㌧と約110%、生産性が向上した。この改善は収益に大きく貢献した。 これら全体の取り組みを通じて大きく4つの点が目に見える支援成果としてあがった。 一つ目は、大型投資しても償却負担を吸収し計画以上の収益を確保できるようになるなど、財務面が利益体質に好転したことである。 二つ目は、経営人財が育成されたことである。プロジェクトに参画したプロジェクトリーダーの取締役部長はその成長が認められ常務取締役に昇進し社長の右腕的存在へ成長、他のサブプロジェクトリーダー5名も管理職へと昇格することができた。 三つ目は、低収益体質を脱却し、大幅な増益を達成したことである。売上高については、支援開始時点の平成27年8月期に対し、平成29年8月期は5%の増収であったが、同期での経常利益は約40%増と大幅な増益を達成した。 四つ目は、中期計画5ヶ年計画を策定できる体制整備を行ったことである。直近の中期経営計画では4年後の74期目標は売上高978百万円、営業利益率6.6%と会社の業績はもちろんのこと、賞与3.5ケ月と社員への還元目標を掲げられる企業に成長した。

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