ハンズオン支援事例集(平成29年度)
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37高保製薬工業株式会社ていた。しかし、ここ約10年間は、経営改革や改善活動は停滞していた。そんな中、当時専務であった現社長は危機感を募らせるものの、経営幹部に就任したばかりで、何から手をつけてよいかわからない状況であった。 現社長は先々代の社長(父親)から経理の指導を受け財務関係に明るいこともあり、現状の経営体質に危機感を持ちながらも、まずは経営のイロハを学ぶべく、中小企業大学校仙台校「経営管理者コース」を研修した。 研修中に担当講師の助言により窓口相談(現経営相談)を活用、7回の相談を経て当社の経営課題を抽出し、平成26年社長就任と同時に「経営改革を図るには今しかない!」と温めていた経営改革プランを実行に移すべく、専門家継続派遣事業を活用するに至った。 当社は、食品添加物製剤、調味料、乳製品の製造・販売を行っているが、この市場は、近年消費者の無添加・オーガニック志向が高まりつつある分野である。また商品の添付ラベルに構成成分の表示が義務付けられているため、同一商品・類似商品を生みやすく、単純価格競争に陥りやすい市場であることから、当社のビジネスモデルは必然的に低収益が強いられる競争環境であることがわかった。 この市場環境で安定的に利益を生み出していくためには、PDCAサイクルの着実な実践が出来る組織に成長することが必要であり、そのために「計画経営による強固な経営基盤の確立」を目指す必要がある。しかし1.売上、目標を達成すべき具体的な行動計画はなく、経営の見える化が遅れている。2.利益率が低い=生産効率が悪い。 3.工場スペースが狭い。4.原材料の種類が多く、在庫管理の仕組みがない。5.従業員確保が難しい。などの経営課題が山積していた。 支援にあたっては、これらを網羅した中短期事業計画と部門別行動計画作成(経営方針、目標の設定、目標達成に向けた実行施策、5S活動の導入、支援OJTでの人材育成等)し徹底したPDCAサイクルを回す体制作りが主テーマと考え、全体支援目標を「計画経営による経営基盤強化」と掲げて支援を進めることにした。中小機構との出会いプロジェクトマネージャーの視点と経営課題の設定支援メニューH25H26H27H28H29支援内容(支援テーマ等)経営相談事業(旧窓口相談)経営課題の整理・抽出専門家継続派遣事業①計画経営の仕組み構築、全社的5S活動の実施専門家継続派遣事業②計画経営の定着、全社的5S活動の定着02040608010002004006008001,000H25/8H26/8H27/8H28/8H29/8売上高(左軸)経常利益(右軸)単位:百万円売上高と経常利益支 援 前支 援 後戦略・売上、目標は有しているが、具体的な行動計画がない・中短期事業計画と部門別行動計画の策定が行える体制が整備された計画・単年度の売上目標などは有しているが、具体的な行動計画がない・中長期及び単年度事業計画の策定がなされた・部門別事業計画の策定がなされた・徹底したPDCAサイクルのための会議体を設置した・経営計画発表会を実施した管理・仕組・財務会計ベースの試算表に基づく管理・変動損益計算書ベースの管理会計の導入、定着がなされた組織・人材・経営人財が不足する状況・プロジェクトの推進により、飛躍的に経営人財が育成されたその他・目標を達成する仕組みや意識なし・全社的5S活動が進展した・若手社員が活性化しやる気が醸成された【質的変化】【量的変化】

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