ハンズオン支援事例集(平成29年度)
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22コア技術を活用した自社ブランド製品の市場開拓への挑戦―レーザクリーニング装置『イレーザー(ELASER)®』の販路開拓支援―そこへ限りある営業パワーを重点配分し、再現性ある販売の仕組みづくりを目指した。 企業側のプロジェクトチームは、リーダーが上野会長から上野社長に変わり、調査役が営業面の責任者、開発者が技術面の課題対応を担当するという役割分担で進める体制をとった。調査役はイレーザーの製品面やこれまでの販売の経緯を良く知っており、マーケティング企画のブラッシュアップから実際の市場へアプローチには適任であった。開発者は社内で預かったワークの洗浄や分析を担当した。 中小機構側のプロジェクトチームのメンバーは、事業を総括するプロジェクトマネージャー(以下「販路PM」という)、管理者である販路開拓チーフアドバイザー(以下「販路CAD」という)、希望される業界にネットワークをもつ3名の販路開拓コーディネーター(以下「販路CO」という)、各種手続き関係を担当する職員2名の構成とした。特に実際の市場へのアプローチについて中心的にサポートする販路COは、想定市場分野に知見と強い人脈をもつ方を選定した。第1期<経営相談事業>(平成27年3月~平成28年4月(14ヶ月)) 販路開拓コーディネート事業を効果的に活用するためには、的確なターゲットの想定が欠かせない。そこで、平成27年4月に金型分野、リサイクル分野に知見とネットワークをもつ3名の販路COに集ってもらい事前支援方針検討会を開催した。イレーザーの特徴と金属表面につく酸化被膜の除去効果を販路COに見てもらい、受容性がありそうな市場分野と利用する顧客のメリットについての検討を行った。 この時点で幸いにも自社の営業活動が実を結び、樹脂成型金型につく汚れ除去用に初めて成約ができた。これにより1つの適用分野としての可能性が浮かびあがった。 参加した販路COからは、金属表面の酸化被膜除去、IC基盤やラミネート素材の剥離に活用できるといった様々な意見が出た。ここへの予備調査は営業課長が担当し、販路CADが協力しながら進めることになった。しかし、道半ばで営業課長が退社することになり、引き継いだ調査役も担当業務が多忙を極めている時期と重なり、暗礁に乗り上げたまま時間が過ぎていった。 年が明けたころ上野社長から食品加工会社は製造工程で機械につく汚れ除去に問題を抱えているという情報提供があった。また、関東本部内の調査でペットボトルの製造工程、金属塗装のマスキング処理後の剥離に有効ではないかという情報を得ていたことから、これらの市場分野に知見のある3名のコーディネーターに集まってもらい、平成28年4月に2回目の事前支援方針検討会を行った。 この結果をもとに、想定ターゲット顧客を次の3つに絞り込むことができた。 1)食品加工会社の製造部門 2)樹脂成型品製造会社の製造部門 3)金属加工会社の塗装部門 時間はかかったものの販売可能性の高いターゲットが想定できたことから、販路開拓の支援に進むことができるようになった。第2期<販路開拓コーディネート事業>(平成28年5月~平成29年3月(11ヶ月))第1段階:マーケティング企画のブラッシュアップ(マーケティング仮説の設定) 第1期の支援を終え、販路開拓コーディネート事業に取組むこととなった。次のステップは、想定した上記のターゲット分野への提供価値をいかに作るかを重点にしたマーケティング企画のブラッシュアップである。平成28年5月から調査役と販路CADがブラッシュアップシート(*注)を使って、以下の観点からポイントの整理を行った。(*注)製品やサービスの顧客価値をいかに高めるかを順序立てて考えることで、効果的な販路開拓を実現するための支援ツール1)想定ターゲット顧客のニーズ抽出 最初にイレーザーが必要とされる顧客の困りごと(ニーズ)の整理をターゲットごとに行った。①食品加工会社…加工機械を洗浄するには、温度冷却や分解に時間がかかってしまう。②樹脂成型品製造会社…高温の金型本体を洗浄するには冷却に時間がかかる、ショットブラストによる洗浄は金型にダメージを与えてしまう危険がある。③金属塗装会社…従来行っている薬品を使った洗浄プロジェクト推進体制支援内容と支援成果

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