ハンズオン支援事例集(平成29年度)
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21東成エレクトロビーム株式会社企業等経営強化法の「異分野連携新事業分野開拓」)の原型になった。 平成26年8月のイレーザー発売後、関東本部経営支援部の専門家が上野保会長に販売面の支援策である販路開拓コーディネート事業を紹介したことが支援事業活用のきっかけであった。同年10月にイレーザーの販売プロジェクトを推進していた上野会長と初めて面談し、製品開発に至る経緯、特徴・用途、販売面の課題をお聞きした。後日、開発メンバーや営業責任者を含めた打ち合わせを行い、マーケティング企画のブラッシュアップを開始した。 上野会長は産学官連携のリーダーとして活躍するとともに、中小企業政策審議会など国の各種審議会等の委員として活動されており、また上野社長は中小企業大学校の後継者研修の卒業生でもありお二人とも、中小機構との関係は以前から深いものがあった。 イレーザーが現在の形になるには約10年の歳月がかかっている。自社ブランド製品の1号機は、平成17年6月の新連携事業初の認定を受け、開発された製品であるが、大型で5,000万円と高額であったため市場導入のハードルは高く、その後、1,500万円に下げても販売には至らなかった。そこから平成24年に2号機、3号機と改良を重ね、平成26年に完成した現在のイレーザーは除去性能を向上させ、移動もできるコンパクトな形状になり、本体価格は680万円(税別)と一段の低価格化を実現した。 製品の特徴は次のような点にある。①集光されたレーザにより除去対象物を瞬時に蒸発させて金属表面の樹脂・塗装・錆等を除去できる。②高エネルギー密度のレーザビームを高速で操作することで広範囲を効率よく処理できる。③ドライ環境で作業ができ、移動も可能なコンパクトサイズである。④二重安全機構を備え、安全に使える。 大手の総合重機メーカーが後発で発売した競合品に比べて高性能、小型、軽量、低価格といった優位性がある。しかし、支援前の段階では展示会での引き合いや収集した情報分析から、「金型についた樹脂膜の剥離」「鉄錆を落とすのに有効」というニーズは確認できていたものの、「誰が、何のために、どのように使うのか」という肝心の市場分野がまだつかめていなかった。 このようにものづくりはできたが、なかなか出口が見つからないという苦しい状況を打開するには、提供側の視点から市場を見るのではなく、受け手にとってどのような便益性があるのか、購入するメリットは何か、つまり顧客側に立って提案するというアプローチ手法への転換が必要であった。そのためには提案資料の作り方やヒアリングの仕方、想定ターゲットとする企業の困りごとを解消できるかどうか、ワークを預かって除去テストを実施するといった営業プロセスを実践し、いかに社内に定着させるかが課題であった。 将来的に販売につながる可能性の高い市場分野や用途を見極め、販路開拓の戦略的展開を図ることが当社にとって重要であることから、支援の重点項目として次の3点を設定した。①想定市場分野別にイレーザーの製品面の評価、受容性を確認する②適用可能性の高い市場分野を絞り込み、今後の営業方針を明確化する③支援活動を通じて提案型営業のノウハウを取得する。 販路開拓コーディネート事業では、テストマーケティングを通じて、受容性のある市場分野を見極め、中小機構との出会いプロジェクトマネージャーの視点と経営課題の設定支援メニューH25H26H27H28H29支援内容(支援テーマ等)経営相談事業(旧窓口相談)ターゲット市場の見極め販路開拓コーディネート事業・マーケティング企画のブラッシュアップ・テストマーケティング活動の実施=販路開拓(新市場開拓)-20308013018002004006008001,000H25/3H26/3H27/3H28/3H29/3売上高(左軸)経常利益(右軸)単位:百万円売上高と経常利益【量的変化】

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