ハンズオン支援事例集(平成29年度)
18/77

16匠の技術を生かした新製品により医療機器市場参入へ挑戦―品質管理体制構築と知財戦略策定の支援― 例えば、製造プラントで広く用いられているスチームドレインの省エネ型の画期的なトラップを開発試作し、新規事業として展開を開始しつつある。更に、医療機器分野では、今回の支援の対象となる、特殊な分光法を活用した歯科診断用検査器を開発・試作し、自ら製品を製造販売する新規事業の創出を図っている。 当社と中小機構・近畿本部の出会いのきっかけは、当社のメインバンクからの紹介であった。中小機構・近畿本部は、「小さな卓越企業発掘&育成プログラム」という、金融機関職員の目利き力向上と中小企業支援を融合させた取り組みを実施しており、当社のメインバンクである信用金庫が、支援候補企業として推薦した事が支援のきっかけとなった。 支援前、当社が抱えていた課題の一つは、歴史の浅い(創業14年)企業であるため、求人が難しく、やっと入社したメンバーも途中入社が殆どで、社員としての仕事に対する姿勢が出来ておらず、基本的な企業人教育をして欲しいとの要望を持っていた。更に、本支援の背景となる、メーカーとして医療機器分野へ参入したいという強い要望を持っていた。 当社は、典型的な開発型企業であり、現事業の他にいくつかの新規事業構想があった。しかしながらこれらを事業化するには、人材不足の中において、社長の発想を具現化し、事業化に結び付ける力を持つ社員の育成が、必要であるとの認識を持つに至った。 そこで、先ず社員の殆どを占める若手社員の意識改革を図る為に5S活動を展開する事にした。この5S活動によって社員に仕事に対する意識向上のきっかけを作り、これを踏み台として、社長が熱望する製品メーカーとしての医療機器分野への参入を支援する事とした。 医療機器分野への参入支援についての課題は、1)医療機器業の「業としての許可」の取得に向けた品質管理体制、安全管理体制を構築し、運用すること。また、新しい医療機器については、個別に医療機器としての認定を受けなければならないこと。 2)当社が開発した「歯科診断検査器」の知財権確立が事業化に先立って必要であり、これに向けた知財戦略の構築。当医療機器製品は、優れた精密加工技術を生かして開発されたもので極め中小機構との出会いプロジェクトマネージャーの視点と経営課題の設定支援メニューH25H26H27H28H29支援内容(支援テーマ等)経営実務支援事業5S活動による意識改革専門家継続派遣事業品質管理体制、知財戦略構築020406080100050100150200250300350400H25/2H26/2H27/2H28/2H29/2売上高(左軸)経常利益(右軸)単位:百万円売上高と経常利益支 援 前支 援 後戦略・経営戦略なし(経営理念あり)・営業戦略無し計画・中長期計画なし・年度事業計画あり、レビューあり・部門別事業計画あり管理・仕組・積上原価管理方式・予算実績管理あり組織・人材・若手が多く、仕事に対する基本的な取り組み方が身に付いていない。・5S活動を通じて若手の仕事への取り組み方への改善、気付きが得られた。その他・やらされ感があり、5S活動定着せず・新規事業の医療機器分野への参入要件が分からない。・知財権について重要性への認識、知識に欠ける。・5S活動の定着・医療機器参入に向けた品質管理体制の構築、運用・知財権の確立に向けたサイクルを回せるようになった。【質的変化】【量的変化】

元のページ  ../index.html#18

このブックを見る