平成30年度 商工会・商工会議所の小規模事業者支援力向上要因検証調査 調査報告書 商工会議所ヒアリング記録
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78 ■支援方法における工夫点 ~チェンバーズパック(商工会議所向け情報システム)による情報共有~ ・ 当商工会議所ではチェンバーズパックという商工会議所向け情報システムを平成28年から導入し活用している。これは、もともと北九州商工会議所(福岡県)で開発されたものである。 ・ チェンバーズパックを導入するまでは、ネットワークから参照できる共有フォルダをつくり、そこにファイルを蓄積していく方式であった。しかも、データの分類が事業者ごとではなく事業ごと(制度ごと)であり、事業者のカルテとしては使いづらかった。チェンバーズパックでは事業者ごとにデータ・ファイルを蓄積できるので、過去の支援履歴がわかりやすく、当該事業者の支援担当者でなくても、事業者の状況や当商工会議所との関わりがすぐわかるので情報共有に向いたシステムである。 ・ 他に無料のグループウェアも導入しているが、当商工会議所全体や課のイベントスケジュールの掲示が主で、個人のスケジュール管理は各人の手帳によっている。 ~目標数値の達成は手段に過ぎない~ ・ 経営発達支援計画に掲げる目標値はそれ自体を達成することに意味があるのではなく、あくまで小規模事業者の経営の向上という目的を達成するための手段に過ぎない。当商工会議所ではこの手段と目的を取り違えないよう注意している。事業の組立上、単年度の計画・報告となってしまうが、実際の事業者の経営においては初年度に商品企画・開発を行ない、2年目に販路開拓を行なうといったように、成果が出るまで複数年を要するのが普通である。仮に1年目で報告にあげられるような成果が出なかったとしても、継続的に支援を行なうよう職員に指導している。 ~「可視化方式」により相談結果をその場で確認~ ・ 相談者が当商工会議所に来所したときは相談の場にプロジェクター・スクリーンを設置し、相談内容やアドバイスしたこと、事業計画書等で修正した方がよい箇所等をその場で記録しながら投影し、相談者に確認してもらう。会話だけだと双方の思い違いがある等、後で文章化・図面化してみたら「やはり違った」ということが生じがちだが、当事者がその場で、目で見て確認するので意思決定も早くなり、スムーズに次のステップに進むことができる。 ■支援体制や体制強化に向けた取組み ~指導レベル表を作成し、個人の指導力アップを目指す~ ・ 当商工会議所では数年前にベテラン職員が相次いで退職し、一気に若返った。今でも比較的経験年数の浅い職員が多いため、人材育成は重要課題となっている。 ・ 若手職員が独り立ちできるまでは中堅職員がOJTで指導につくが、自分の業務と若手の指導育成を両方行なうため、中堅以上の職員にかかる負荷は大きい。このため、若手職員にはまず独り立ちを目指してもらうが、目標となる支援レベル(例:○○ができる)を明確化する上で、当商工会議所が作成している指導レベル表(次頁参照)が役立っている。

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