平成30年度 商工会・商工会議所の小規模事業者支援力向上要因検証調査 調査報告書
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90 (3)小規模事業者を取り巻く社会環境や地域産業の課題を踏まえた支援展開 (創業支援・事業承継支援) 仮説項目として挙がっていないが、多くの商工会・商工会議所で創業支援と事業承継支援について、取り組んでいる、もしくは今後の支援活動において重要であり、取組みを検討しているといった意見が聞かれた。 創業及び事業承継への支援のように、小規模事業者を取り巻く社会環境や地域産業の課題を的確に捉えて、その課題解決に向けた支援に取り組んでいくことが、継続的な支援力向上につながっていくと考えられる。 1)創業支援における取組み 管内の小規模事業者数や会員数が減少化傾向にある中、多くの商工会・商工会議所で新規加入者を増やすために創業支援が取り組まれている。また、創業後のフォローアップを行うことで、継続的に個社の伴走型支援ができ、商工会・商工会議所の加入にもつながる効果がある。取組みとして、創業セミナーの開催、創業事業計画書の作成支援、インキュベーションの整備等が取り組まれている。 ~「創業スクール」の受講者の約25%が創業~ • 千曲商工会議所では、創業支援として 「創業スクール」 を平成27年から開催している。平成29年までの3年間で51名が受講した。うち約25%に当たる13名が新規創業し、創業をきっかけに当商工会議所へ加入する事業者も多く、会員事業者数の増加につながっている。受講者は30代を中心に、現在、企業に勤務している創業希望者が多い。若い講師を招いており、楽しい雰囲気が受講者から好評を得ており、全14日間のカリキュラムと比較的期間が長くなっているが、企業の勤務者が参加しやすいように、スクールの開催日時を平日の18:30~20:30 (一部、違う時間帯あり) に設定しているため、欠席者は少ない。卒業生の交流会を開催しても参加者が多い。平成27年には、中小企業庁が実施している創業スクール選手権のファイナリスト8名に選ばれた事業者もいる。 • 千曲市が策定した 「創業支援等事業計画」 の特定創業支援事業に位置付けられており、受講を完了した創業者は優遇措置を利用できる。 • 同市、戸倉上山田商工会 (長野県)、金融機関と連携して、「ちくま創業サポートデスク」 を設置している。この事業も特定創業支援事業に位置付けられている。 (千曲商工会議所) ~創業支援における市との協力~ • 篠山市では、創業において同市の補助金を受けるために、申請する際は必ず篠山市商工会の経営指導を受けることとされている。当商工会は、創業計画書づくりの手伝いをしており、日本政策金融公庫の創業計画書をベースに、独自の計画書フォーマットで作成している。 • 近年、飲食店や理美容・整体などのサービス業に関わる創業者が多い。この5年間で50~60件が利用し、廃業しているのは1件のみなので、創業支援において計画書づくりを通じた経営支援は、かなりうまくいっていると考えている。 (篠山市商工会)

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