平成30年度 商工会・商工会議所の小規模事業者支援力向上要因検証調査 調査報告書
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62 ②初動期の主体的支援から側面支援へ移行 地域産業の振興に向けて、主体的に地域の関係者と連携しながら、地域資源等を活用した新たな商品開発や事業の創出、販路開拓に取り組む場合、支援機能を活用して計画的に事業を推進できる商工会・商工会議所が事業者や関係者間の調整役を担うことが有効である。 当初は商工会・商工会議所が中心的役割を担いつつも事業が軌道に乗るにつれ、側面支援に移行することで小規模事業者が主体的に取り組むようになった事例もあった。 ~伝統産業に根差した「燦彩糸(さんさいし)」プロジェクト~ • 城陽商工会議所では、城陽市や京都金銀糸振興協同組合と連携して、地元の伝統産業である金銀糸を活用した燦彩糸(さんさいし)プロジェクトを、平成17年度に当商工会議所の独自財源で立ち上げている。平成19年度は 「京都府むらおこし総合活性化事業」、平成20年度は 「小規模事業者新事業全国展開支援事業」、平成21年度から4年間は、「JAPANブランド育成支援事業」 の採択を得て継続的に実施してきた。 • こうした活動の中で、大手百貨店の催事に出展し1週間で120万円を販売した実績もある。現在は京山城燦彩糸協議会主体で運営しており、当商工会議所としても継続支援をしている。 (城陽商工会議所) ~初動の取組みは商工会が進め、次第に小規模事業者にバトンタッチ~ • 吉野町は日本三大人工美林として豊かな森林資源を生かした木材・木製品関連事業 (国産の割り箸としては全国1位の約70%の生産) が基幹工業として発展してきたが、近年は衰退の一途を辿っている。そこで、同町全体の製材、集成材、和紙、樽丸、日本酒・醤油醸造が一丸となって吉野木材の強みを生かした 「Re:ブランディング」 に取り組み、新たな商品開発や販路開拓の支援に取り組んでいる。 • 主に、観光・商業の面的支援に絡めた取組みが中心であるが、木材協同組合や奈良県商工会連合会、近隣の商工会議所と協力した地元見学ツアーやビジネスマッチング等にも取り組んでいる。 • 平成29年度に、地元銘酒の酒蔵事業者が、「吉野杉で作った桶でお酒を作りたい (昨今殆どがステンレス製の桶)」 との思いから、その資金調達をクラウドファンディングで出来ないかとの相談を吉野町商工会に持ちかけた。当時クラウドファンディングのいろはも分からない状態だったことから、当商工会では、まずクラウドファンディングの専門家を招聘したセミナーを開くことから始め、吉野杉の製材事業者、桶を作る職人関係者、酒造り関係者、行政関係者等を集めた。招聘したセミナー講師がクラウドファンディング事業者 (企画・主催者) であり、かつ歴史的にも吉野で作られたお酒を灘 (兵庫県) に運ぶ際に吉野杉で造られた酒樽で運んでいた背景があったことから、セミナーをきっかけに酒蔵事業者が中心となって、クラウドファンディング事業が立ち上げられることとなった。結果的にセミナー開催が地元事業者と専門家のマッチングとなり、その後は、事業者等が主体となって吉野杉や酒蔵等の現地視察やおもてなしの活動を通じて出資者を募った。目標金額は200万円であったが、実際は250~260万円程度が集まった。この取組みを通じて事業者支援のツールとしてクラウドファンディングが有用であることが分かった。 (吉野町商工会) 【地場産品の金銀糸】

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