平成30年度 商工会・商工会議所の小規模事業者支援力向上要因検証調査 調査報告書
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45 b.事業者の主体性を高める事業計画策定支援の効果 小規模事業者が事業計画を策定するきっかけとして、「持続化補助金」や「マル経融資」など、事業計画が必要とされる支援策の申請が有効である。事業計画の策定は、小規模事業者が自らの事業を見直し、再検討・再構築する「棚卸し」につながることから、小規模事業者が主体的に作成することが重要である。下記の事例団体では、「経営計画書」が分厚く読みづらいものになっても、「棚卸し」ができることを重視しているが、結果的には持続化補助金の採択率も高水準を保持している。 また、第2章では、持続化補助金の申請をしても採択されなかった場合、その後の小規模事業者支援の方法が見い出せないことが課題の一つとして挙がっているが、高業績団体では、「棚卸し」ができ、次なる事業展開につながっていることが評価されていた。補助金獲得だけのためでなく、事業計画策定を通じて、自らの経営を見直し計画していくといった本来の目的を達成することが重要となっている。 ~持続化補助金の申請プロセスを通じた棚卸しの実施~ • 釜石商工会議所では、平成29年度補正予算の持続化補助金は申請数33件のうち32件が採択と、高い採択率を維持している。 • 持続化補助金の申請では、持続化補助金を活用して行う事業内容等を記述する様式3の 「補助事業計画書」 でなく、「企業概要」「顧客ニーズと市場の動向」「自社や自社の提供する商品・サービスの強み」「経営方針・目標と今後のプラン」 等を記述する様式2の 「経営計画書」 の作成を重視している。なぜならば、様式2の作成を通じて、事業者が自社を客観的に見直し・分析ができるからである。申請書は簡潔明瞭に書くようにアドバイスする支援機関が多い中、当商工会議所では、詳しく記述するように伝えている。例えば、「企業概要」 は創業から振り返り、生じた環境変化をしっかり拾っていく。2代目、3代目でも、それらを踏まえた経営が大切なので、なぜ、現状の事業を行っているのか、創業から振り返ってもらっている。かなり分厚い 「経営計画書」 を作成することになるが、自分の言葉で書き、自ら考えることを重視している。この申請書の作成作業を通じて、事業者が自社の棚卸しを行い自社の強みを抽出する。事業者の棚卸しをするためには、持続化補助金の申請は非常に良い機会である。毎年、棚卸しをするため、 「経営計画書」 を書き換えブラッシュアップする事業者もいる。このように、「経営計画書」 がしっかりと作成できていれば、事業承継計画や経営改善計画の作成にもつなげられる。 (釜石商工会議所) ③フォローアップ支援 事業計画策定後のフォローアップ支援は、巡回訪問の頻度拡大や電話連絡による相談など、事業者の負担をできるだけ増やさない方法やコミュニケーションが取りやすい方法等への工夫がされている。

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