平成30年度 商工会・商工会議所の小規模事業者支援力向上要因検証調査 調査報告書
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21 ~方向性の共有により、事業活動が取り組みやすくなった~ • 蒲郡商工会議所では、平成27年の経営発達支援計画の策定後、今後10年先の目指す将来像と取組み方針を示した「蒲郡商工会議所長期ビジョン~蒲郡INNOVATION HUBを目指して 【2016~2025】~」を当商工会議所創立70周年の平成28年に策定した。所内では方向性が共有でき、所外においても管内の事業者の課題を含めた現況、当商工会議所の方針や事業内容への理解が深まり連携しやすくなったことで、事業活動に取り組みやすくなった。 (蒲郡商工会議所) ④事業評価の基盤として活用 支援活動に対する基本的な考え方や方向性は、事業評価の基軸となる。実績数値だけでなく、支援活動に対する基本的な考え方や方向性に沿った支援であるかといった観点からも定量化できない支援効果について一定の判断ができ、中長期的には、目標達成に貢献しているかどうかについての評価ができるようになる。 ~実績0件から1件を生み出す難しさを評価~ • 能代商工会議所では、経営発達支援計画の目標値は、会頭も含め全員で計画を読み込んで作成した。その結果、目標値は高く設定しなかった。なぜならば、支援方針を明確に設定している中で重要かつ取り組むべき支援が明らかとなっており、実績数を増やすことよりもそれを実施することが最も重要と考えているからである。例えば、当商工会議所でも事業継承支援策は模索しているが、平成29年に1件の事業承継を支援し事業継続につなぐことができた。その1件の成功事例を出すために、支援実績数0件から1件を生み出す苦労を味わったが今後の支援展開には重要な1件となった。このように、件数だけで評価せず、当商工会議所の支援方針に立ち返って支援活動を評価している。一方では、このような数値に表せない評価の見える化をしていくことが今後の課題となっている。 (能代商工会議所) ⑤支援活動の基本的な考え方や方向性を連携する自治体や関係機関に対して明示 小規模事業者を支援していく上で、連携する自治体や地域の金融機関、他の公的機関等に対して、商工会・商工会議所の支援活動に対する基本的な考え方や方向性を明示することで、商工会・商工会議所への理解が進み、連携を促進できる。 地域コミュニティの維持という観点から、商工会・商工会議所は地域の祭やイベントの実行団体になったり、さらには街路灯の管理業務等の地域に関わる諸々の業務を担ったりしている。また、商工会・商工会議所の管轄区域内に居住する職員も多く、コミュニティ活動と職務の境界線があいまいになってしまうこともある。そのような中、特に地域の基礎自治体には、支援活動に対する基本的な考え方や方向性を明確にすることで、商工会・商工会議所の役割や業務のあり方への理解を得やすくなる。また、地域産業の振興に向けた政策の議論や施策の検討、支援策の実行において自治体と連携を図り、カウンターパートとして地域の産業振興に参画していくことができる。商工会・商工会議所が自治体の産業振興政策の方向性を踏まえて、独自の計画を策定し、商工会・商工会議所が提案する施策に自治体が予算化するなど、商工会・商工会議所が主体的に地域産業振興に取り組んでいる事例もある。

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